妹に婚約者を奪われました。後悔してももう遅い。

マルローネ

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2話

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 シーザー様に婚約破棄をされてから1週間が経過した。私は今、グレート家の屋敷でお父様と話している。お父様とは用事でしばらく会えていなかった。


「本当に良かったのか? アリスよ。我がグレート家の立場で考えれば、姉と妹……どちらがシーザー様の妻となっても問題はないが……」

「はい、お父様。私は平気でございます」

「そうか……しかし、シーザー様のことを愛していたのだろう?」

「最初は確かに愛しておりました。ですが、シーザー様は……それからしばらくして、変貌されてしまいましたので。その後も愛していたかと問われると、難しいことでございます」

「そうか……まあ、アリスならば他にも素敵なお方を獲得できるだろう。気にすることはない」


 お父様は私を勇気付けてくれている。お父様は妹のレイナと私の関係を知っているから、どういったことがあったのかは、おそらく分かっているだろう。


「ありがとうございます、お父様。そういったお方がお越しくださることを、心から願っております……」

「うむ、そうだな」


 私はシーザー様とレイナの関係を取り持った。二人は上手く付き合うようになったのだけれど……内心では私は自由になったことを喜んでいた。お父様もその辺りは分かってくださっていると思う。もちろん、自由になったと言っても、レイナとは違い貴族の責務を疎かにするつもりはないけどね。


「さて、今後はどうするのだ? アリス」

「そうですね……まだ婚約破棄されて時間が経っていないですので。しばらくはゆっくりしようかと思っています」

「そうか……」


 色々と楽しみたいこともあるし……愛犬のジョセフを連れて、貴族街でも回ってみようかしら。それ以外にお買い物もしたいしね。


「しかし……本当に済まなかった、アリスよ。レイナをわがままな娘に育ててしまったのは、私の責任だ」

「お父様、ご自分を責めるのは止めてください。私は何とも思っておりませんので……娘を大切に扱うお父様の慈悲は尊敬に値します」

「ははは、そう言ってくれるのはアリスだけだよ」


 私とお父様は自然と笑顔になっていた。シーザー様とレイナはこの1週間の間に正式に婚約を締結した。それが今後、どのような事態を招くことになるのか。

「そうだアリスよ……もしも貴族街に出る予定があれば、是非とも行って欲しいところがあるんだが」

「は、はい……何処でしょうか?」

「お前やレイナの幼馴染である、ジェームズ・ルーグナー様が新しく屋敷を建造したらしい。次期当主になられるからな……それに合わせて、ということのようだぞ」

「ジェームズが……?」


 私はその話に驚きを隠せなかった。公爵家のルーグナー家と言えば有名だ。ただし、兄弟が多く末っ子であるジェームズが当主になることはないと言われていたけれど……まさか、彼が公爵になる?

 突然のお父様からの報告に、私は戸惑うと同時に嬉しくなっていた。絶対にジョセフを連れて会いに行こう!
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