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7話
しおりを挟む(ウィンド視点)
「しかし、最高だったな。あの二人は」
「ジストとエミリーの二人ね? 本当にね」
子爵令嬢と男爵令息のコンビと来たものだ。あの新しく出来たレストランに来ていたのは意外だったが、ストレス発散も兼ねて思い切り遊んでやったわけだ。
「下位貴族が新しく出来た高級レストランに来ていること自体が生意気なのよ」
「ふはははは、まさしくその通りだな。まったくあの二人は……」
子爵令嬢のエミリーもよほど相手がいなかったのだろうな。よりにもよって、自分よりも下の男爵令息と一緒にレストランに来るとは。エミリーの限界がそこにあったわけだ。やはり、私はヘルメスと一緒になって正解だったな。
「ヘルメス、今後もあの二人とはパーティーで会うだろう。その都度、苛めてやろうじゃないか」
「それは面白いわね。でも、やり過ぎては駄目よ? 引き籠りにでもなられると面白くないし」
それはそれで楽しめそうだがな。エミリーやジストの屋敷に直接出向いて、言葉の一つでもかけてやればいいのだから。ふふふ、楽しみだ。
「ウィンド、今少し大丈夫かね?」
「ん? 父上……? どうかされましたか?」
その時、父上が話し掛けて来たのだ。父上は隠居生活をしているが、時々、私の政策にも口を出してくる。
「使者の方がいらしたのだが……なんでも、国王陛下から呼び出しが来ているぞ」
「国王陛下から……!?」
一体、どういう風の吹き回しだろうか。まさか、国王陛下から呼び出しがあるとは……私の政策についてのことだろうか? まあ、なんにしても名誉なことではあるだろう。
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