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5話 フィリップとお出かけ その2
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「ほら、やはり中央公園は素晴らしい景色だな」
「そうですね……噴水も綺麗ですし。虹が見えて来そうです」
私達は馬車から降り、中央公園の景色を眺めていた。自然と溶け合うように設置されている噴水が本当に綺麗だ。他にも幾つかの遊具や大きな柱時計が設置されていたりする。それ以外は木々が整然と生い茂っている。噴水のところからは東西南北の4か所に道が整備されていた。
「屋敷に居るのとこちらに居るのでは空気の旨さも違うのではないか?」
「そうかもしれませんね……中央公園の空気には味がするような気がします」
明らかに公園に来て正解だったと言えると思う。自室に籠っているばかりでは、暗い事しか考えないしね。お父様やお母様達、使用人の人達にも迷惑を掛けてしまったわ。
「でも、申し訳ございません」
「ん? どうしたんだ、急に?」
「せっかく連れ出していただいたことは感謝しております……ですが、すぐには心が晴れないと思います……」
「それは分かっているさ。何かのきっかけになるだけでも良いんだ。それだけでも、連れて来た意味があるというものだ」
「はい、ありがとうございます」
フィリップ様は決して私に無理強いをしていない。あくまでも心を癒す為のきっかけを与えてくれているわけだ。その優しさが伝わって来るようだった。この方は明らかにアウザー様やメリスとは人種が違う。
いえ、同じ人間であることには変わらないのだけれど、それでも彼らと一緒にするのは失礼に思えてくる。何気ないしぐさ等からもそれを感じることが出来た。彼は決して気安く私に触れたりはしないし。そういったところからも優しさが垣間見えた。
「さて、どうしようか? 少し歩くとしようか?」
「そうですね……私は歩きたいです」
「よし、決まりだな」
少しずつで良い……少しずつ前に進んで行こう。そう思える日になりそうだった。なりそうだったのだけれど……前方を見ると二人の男女の姿が見えた。私は思わずしかめっ面になってしまう。
「アウザー殿とメリス嬢か……」
「まさかこんなところで会うとは……」
ここはデートスポットだった。彼らが居たとしても不思議ではないのかもしれない。むしろ、カップルではない私達が居る方が不自然だ。
どうしよう……無視して通りたいけれど、彼らは私達を凝視しているようだった。何か話さないと流石に不自然よね……。
「そうですね……噴水も綺麗ですし。虹が見えて来そうです」
私達は馬車から降り、中央公園の景色を眺めていた。自然と溶け合うように設置されている噴水が本当に綺麗だ。他にも幾つかの遊具や大きな柱時計が設置されていたりする。それ以外は木々が整然と生い茂っている。噴水のところからは東西南北の4か所に道が整備されていた。
「屋敷に居るのとこちらに居るのでは空気の旨さも違うのではないか?」
「そうかもしれませんね……中央公園の空気には味がするような気がします」
明らかに公園に来て正解だったと言えると思う。自室に籠っているばかりでは、暗い事しか考えないしね。お父様やお母様達、使用人の人達にも迷惑を掛けてしまったわ。
「でも、申し訳ございません」
「ん? どうしたんだ、急に?」
「せっかく連れ出していただいたことは感謝しております……ですが、すぐには心が晴れないと思います……」
「それは分かっているさ。何かのきっかけになるだけでも良いんだ。それだけでも、連れて来た意味があるというものだ」
「はい、ありがとうございます」
フィリップ様は決して私に無理強いをしていない。あくまでも心を癒す為のきっかけを与えてくれているわけだ。その優しさが伝わって来るようだった。この方は明らかにアウザー様やメリスとは人種が違う。
いえ、同じ人間であることには変わらないのだけれど、それでも彼らと一緒にするのは失礼に思えてくる。何気ないしぐさ等からもそれを感じることが出来た。彼は決して気安く私に触れたりはしないし。そういったところからも優しさが垣間見えた。
「さて、どうしようか? 少し歩くとしようか?」
「そうですね……私は歩きたいです」
「よし、決まりだな」
少しずつで良い……少しずつ前に進んで行こう。そう思える日になりそうだった。なりそうだったのだけれど……前方を見ると二人の男女の姿が見えた。私は思わずしかめっ面になってしまう。
「アウザー殿とメリス嬢か……」
「まさかこんなところで会うとは……」
ここはデートスポットだった。彼らが居たとしても不思議ではないのかもしれない。むしろ、カップルではない私達が居る方が不自然だ。
どうしよう……無視して通りたいけれど、彼らは私達を凝視しているようだった。何か話さないと流石に不自然よね……。
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