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7話 パーティー会場にて
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カルロス・シングマ侯爵令息と舞踏会会場で会ってから、しばらくの時間が経過していた。
その間に両家の間での話し合いも完了し、婚約解消は書類上でも承認された。
私とシングマ侯爵令息はそこに来て、完全に他人同士に戻ったわけだ。今後はパーティー会場などでの簡単な挨拶くらいはするかもしれないけれど、今までのよう仲に戻ることは許されないはず。
そのはずだったのだけれど……。
--------------------------
私はある日、幼馴染のグラン・フェリオド伯爵令息と一緒にパーティーに参加していた。何名かの貴族と挨拶を交わし、バイキング形式で置かれている料理に手を付けている。人気の食べ物はすぐになくなるので、その都度、使用人達が補充をしているようだった。
「このフリッジ地方のプリンと呼ばれるデザートはとても美味しいわね。食後に食べるのも良いけれど、主菜を食べる前の前菜としても良い味だと思うわ」
「それは否定しないけれど、フローラ。相変わらず、料理に関して詳しいみたいだね。以前のワインといい」
「料理を上手く作れるわけではないけれど、我が家にはグルメ本があったりもするからね。知識欲の一環として読んでいるわ」
デザードは別腹……と言う言葉が巷にはあるのだけれど、まさに今の私はその状態だった。使用人に依頼して、グルメ本に載っている料理を注文する時もあったし。材料が足りなくて、わざわざその地方まで取りに行ってくれたことのもあったっけ。
「そういうことだったのか。幼馴染の私でも知らなかったよ」
「ま、まあ……それは色々と……」
「? どうかしたのか、フローラ?」
執事のジョセフは今回も付き人として同席しているけれど、乙女心の微妙な変化には気付いているらしく、私に視線を合わせては笑顔になっていた。グランはその事実には気付いていないようだ……。
「フローラ?」
「まあ、グランに話せない内容だってあるのよ。本当に申し訳ないことだけれど……」
「いや、謝る必要なんてないさ。そうだな……もっと、フローラに信用してもらえる人間になってみせるよ。少しでもね」
「……?」
別にグランのことが信用できないから教えていないとか、そういうことではないのだけれど……むしろ、感情的にはその逆で。グランに恥ずかしい自分の趣味を知られたくなかったというか、なんというか……。
「むむっ、お嬢様……お話のところ、申し訳ございませんが、カルロス・シングマ侯爵令息がいらっしゃるようです」
「えっ?」
突然のジョセフからの発言……以前にも同じようなシチュエーションがあったような。振り返ると確かにシングマ侯爵令息の姿があった。しかも今回は隣にリディア・スー侯爵令嬢も立っている。今回も完全に無視をしようかと思ったけれど、二人は私達の方向に近づいて来ていたのだ。
これでは、嫌でも挨拶を交わす必要があるけれど……一体、どういうつもりなのかしら?
その間に両家の間での話し合いも完了し、婚約解消は書類上でも承認された。
私とシングマ侯爵令息はそこに来て、完全に他人同士に戻ったわけだ。今後はパーティー会場などでの簡単な挨拶くらいはするかもしれないけれど、今までのよう仲に戻ることは許されないはず。
そのはずだったのだけれど……。
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私はある日、幼馴染のグラン・フェリオド伯爵令息と一緒にパーティーに参加していた。何名かの貴族と挨拶を交わし、バイキング形式で置かれている料理に手を付けている。人気の食べ物はすぐになくなるので、その都度、使用人達が補充をしているようだった。
「このフリッジ地方のプリンと呼ばれるデザートはとても美味しいわね。食後に食べるのも良いけれど、主菜を食べる前の前菜としても良い味だと思うわ」
「それは否定しないけれど、フローラ。相変わらず、料理に関して詳しいみたいだね。以前のワインといい」
「料理を上手く作れるわけではないけれど、我が家にはグルメ本があったりもするからね。知識欲の一環として読んでいるわ」
デザードは別腹……と言う言葉が巷にはあるのだけれど、まさに今の私はその状態だった。使用人に依頼して、グルメ本に載っている料理を注文する時もあったし。材料が足りなくて、わざわざその地方まで取りに行ってくれたことのもあったっけ。
「そういうことだったのか。幼馴染の私でも知らなかったよ」
「ま、まあ……それは色々と……」
「? どうかしたのか、フローラ?」
執事のジョセフは今回も付き人として同席しているけれど、乙女心の微妙な変化には気付いているらしく、私に視線を合わせては笑顔になっていた。グランはその事実には気付いていないようだ……。
「フローラ?」
「まあ、グランに話せない内容だってあるのよ。本当に申し訳ないことだけれど……」
「いや、謝る必要なんてないさ。そうだな……もっと、フローラに信用してもらえる人間になってみせるよ。少しでもね」
「……?」
別にグランのことが信用できないから教えていないとか、そういうことではないのだけれど……むしろ、感情的にはその逆で。グランに恥ずかしい自分の趣味を知られたくなかったというか、なんというか……。
「むむっ、お嬢様……お話のところ、申し訳ございませんが、カルロス・シングマ侯爵令息がいらっしゃるようです」
「えっ?」
突然のジョセフからの発言……以前にも同じようなシチュエーションがあったような。振り返ると確かにシングマ侯爵令息の姿があった。しかも今回は隣にリディア・スー侯爵令嬢も立っている。今回も完全に無視をしようかと思ったけれど、二人は私達の方向に近づいて来ていたのだ。
これでは、嫌でも挨拶を交わす必要があるけれど……一体、どういうつもりなのかしら?
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