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4話
話はグレンデル様のことに移行した。マルクスは先ほどから真剣な表情だ。
「グレンデル殿がまさかアレッサ嬢と浮気をしていたなんて……信じられないことがあるものだね」
「ええ、その通りね。私も最初は目を疑ったわ。でも、朝帰りもしていたから何をしていたのかは……まあ、想像できるでしょ」
「浮気、ということか」
「そうね」
グレンデル様とアレッサ様は共に侯爵家の地位であるにも関わらず、身体の関係になっているわけだ。
「結婚していない者同士が身体の関係か。民がこの事実を知ったらなんて思うかな」
「また貴族の評判が下がるでしょうね」
「そうだろうな」
今の王国の国民からの支持はどの程度なのだろうか? 正確なところは難しいけれど、今回の件が明るみになれば確実に評判は下がると言えるだろうか。それだけは避けたいところね……。
「そして、アリスが邪魔だから婚約破棄をしたんだろう?」
「ええ、それが真実なのだけれど、彼は言い訳ばかりしていたわ。世界平和の為に、自分はもっと位の高い令嬢と結婚しないといけないんだとか……意味が分からないでしょう?」
「うん、そうだな。確実に婚約破棄を正当化したいが為の言い訳だろうね」
話を聞いているマルクスも私の考えに同調くれていた。まあ、誰がどう見ても単なる浮気という結果は変わらないだろうけどね。
「国王陛下にはどうせ、私が分かってくれたので婚約解消みたいなものだと言う気でしょうね」
「そうだろうな。そうでなければ、国王陛下が婚約破棄を認めるとは思えないからね」
国王陛下の前では良い夫を演じるつもりかしら? 本来なら抗議をしたいところだけれど……なんだか、無駄なエネルギーを使いそうだ。
「それで、アリスはどうするつもりなんだ? 無理な婚約破棄をされたんだろう? 抗議はしないのか?」
「お父様達に迷惑を掛けたくないわ。グレンデル様とはもう関わり合いになりたくもないし」
「そうか……」
マルクスはなんだか残念そうな表情をしていた。もしかしたら、何か手伝ってくれようとしたのかしら? 私は伯爵令嬢でグレンデル様は侯爵様だ。通常では抗議をしたところで、できることなんて限られている。せいぜい、慰謝料を貰えるくらい?
でも、マルクスが一緒ならもっと色々なことが出来るかもしれない。でも、私は乗り気ではなかった。
「グレンデル様のことより、私はマルクスとこうして再会できたことを大切にしたいと思ってるわ」
「アリス……嬉しいよ、ありがとう」
「ええ、だから、またこうして会えたりしないかしら?」
「ああ、もちろん大丈夫さ。積もる話もあるだろうしね。幼馴染として仲良く出来たら嬉しいかな」
「マルクス、私もよ」
せっかくマルクスに会えたのだから、彼との時間を大切にしていきたい。そう考えている自分がいた。よ~し、今日はたくさん話すわよ!
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