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12話 アイシャとチェスター その1
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グランとローザに再会してから1週間以上が経過した。私は現在、チェスター様ととあるレストランに来ている。別にデートとかそういうわけではないけれど、周囲から見るとそう見えるかもしれない。
「はっはっは、そんな話があったのですか! それは面白い」
「そうですよね、うふふふふ」
私達は美味しい食事を済ませながら話で盛り上がっていた。よく考えると、チェスター様とは随分と仲良くなったと思う。気が合ったというのも事実だけれど、予想以上にチェスター様は紳士だった。まあ、変な噂が流れている私に躊躇うことなく話し掛けてくれたのだから、優しい方なのは間違いないのだけれど。
「こういう時間は増やしていきたいですね」
「こういう時間ですか?」
「ええ、アイシャ嬢と過ごす時間のことです。私はこの時間が好きになってしまいました」
大胆な告白だった。まあ、あくまでも私と過ごす時間が好きということなんだけれど。
「ありがとうございます、チェスター様。そう言っていただきとても光栄ですわ」
「いえいえ、私は大したことは言っていませんよ。感謝していただけるのは嬉しいですが」
私も確かに幸せを感じていた。こういう時間がもっと増えて欲しいとは願っている。そして願わくば、グランとローザみたいな裏切り行為には二度と遭いたくないものだ。
と、そんな時だった。レストランの扉が開かれ、中にお客さんが入って来たのは……私は自然とそのお客さんに視線を合わせる。複数人の人間を連れているようだ。護衛かなにかかしら? ということは貴族が入って来たの?
一般市街に護衛付きで貴族が現れるのはめずらしい。私やチェスター様もめずらしい存在になっているのだけれど。すると、後ろに立っていたシルファが耳元で囁いた。
「お嬢様、どうやらローザ様が来たようです」
「えっ、嘘でしょ……? なんでこのレストランに……」
偶然にしてはあまりにタイミングが良過ぎる。確実に私とチェスター様が食事をしているという情報を掴んで現れたに違いない。どういうつもりなのよ、ローザは……。
「グラン様の方はいないようですが……」
「そうみたいね……」
「ローザ嬢が来たのか? どういうつもりなのだ」
チェスター様もローザの存在に気付いたようだ。お互い食事の手が止まってしまう。そして……。
「あら、アイシャじゃない。偶然ね! それから……チェスター様も」
「ローザ……」
正直、もう会いたくないのだけれど……ローザはやけに明るい様子だった。絶対なにかを狙っているわ。意味もなく現れるなんて考えられないもの。
「はっはっは、そんな話があったのですか! それは面白い」
「そうですよね、うふふふふ」
私達は美味しい食事を済ませながら話で盛り上がっていた。よく考えると、チェスター様とは随分と仲良くなったと思う。気が合ったというのも事実だけれど、予想以上にチェスター様は紳士だった。まあ、変な噂が流れている私に躊躇うことなく話し掛けてくれたのだから、優しい方なのは間違いないのだけれど。
「こういう時間は増やしていきたいですね」
「こういう時間ですか?」
「ええ、アイシャ嬢と過ごす時間のことです。私はこの時間が好きになってしまいました」
大胆な告白だった。まあ、あくまでも私と過ごす時間が好きということなんだけれど。
「ありがとうございます、チェスター様。そう言っていただきとても光栄ですわ」
「いえいえ、私は大したことは言っていませんよ。感謝していただけるのは嬉しいですが」
私も確かに幸せを感じていた。こういう時間がもっと増えて欲しいとは願っている。そして願わくば、グランとローザみたいな裏切り行為には二度と遭いたくないものだ。
と、そんな時だった。レストランの扉が開かれ、中にお客さんが入って来たのは……私は自然とそのお客さんに視線を合わせる。複数人の人間を連れているようだ。護衛かなにかかしら? ということは貴族が入って来たの?
一般市街に護衛付きで貴族が現れるのはめずらしい。私やチェスター様もめずらしい存在になっているのだけれど。すると、後ろに立っていたシルファが耳元で囁いた。
「お嬢様、どうやらローザ様が来たようです」
「えっ、嘘でしょ……? なんでこのレストランに……」
偶然にしてはあまりにタイミングが良過ぎる。確実に私とチェスター様が食事をしているという情報を掴んで現れたに違いない。どういうつもりなのよ、ローザは……。
「グラン様の方はいないようですが……」
「そうみたいね……」
「ローザ嬢が来たのか? どういうつもりなのだ」
チェスター様もローザの存在に気付いたようだ。お互い食事の手が止まってしまう。そして……。
「あら、アイシャじゃない。偶然ね! それから……チェスター様も」
「ローザ……」
正直、もう会いたくないのだけれど……ローザはやけに明るい様子だった。絶対なにかを狙っているわ。意味もなく現れるなんて考えられないもの。
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