婚約者の妹を虐めていたと虚偽の発言をされた私は……

マルローネ

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28話

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 こうして、ボイド様とシエナ様、それからリュークと一部の使用人達は虚偽のいじめに加担した罪に問われることになり、裁判に掛けられた。それで……本日は判決の日なのだけれど。


「正式な罪……ってなんだっけ? ええと、たくさんあり過ぎて忘れてしまったわ」

「私の家系に対する不敬罪なども含まれているからね。忘れてしまうのは仕方ないさ」

「そうよね、深く考えないことにするわ」


 私が覚えていたところで、あの人達の罪に影響するわけではないしね。それに正直……自業自得とはいえ、彼らの罰を見るのは辛かった。情が残っているわけじゃないけれど、やっぱり元婚約者とその妹の罰を見るのは辛い部分もある。

「辛いかい、ミリー?」

「ええ、少しね……」


 ルシエドは流石は公爵令息といったところだろうか。平然としているし、私の心情も読み取っていたようだ。

「元々、ボイド様との関係は悪くなかったから……そんな人が重罪に問われるのは少し引けてしまうわ。仕方のないことだとしても」

「そうか……なるほど」

「ルシエドは平気なの?」

「ボイドやシエナに対しては特に何も思わないかな。ただ……最終的に味方になってくれたリュークの処遇は気になるよ」


 ルシエドはむしろ、使用人達の処遇が重すぎたりしないかを心配しているようだった。

「それに……今回の婚約破棄の件は貴族達の間にも広く知れ渡ったんだ」

「そうでしょうね……」


 特に隠して進行させていたわけではないから、噂が広まるのは仕方のないことだった。その中には良くない噂なんかもあったりで……。


「ボイドやシエナを擁護する意見も出てたりする。その辺りが裁判に影響していないといいが……」

「それは大丈夫でしょう?」

「そうだね……」


 ルシエドは何かを心配しているようだった。判決内容そのものよりも、その後の混乱を心配しているような……。まあ、でも考え過ぎても仕方のないところだわ。本日は判決の日……しっかりと見守らないとね!
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