18 / 31
18話 恋路 その1
しおりを挟む
「お、お待ちください……! 国王陛下、ウィンベルを通しての不敬罪は成立しないと思われます!!」
「そ、そうですよ……彼女は現在、伯爵令嬢でしかないのでしょう!?」
サンセット様とシリス様は、この期に及んでもまだ反論を続けていた。自分達への罰を少しでも下げたいと考えているんだろうけど、正直に言って、逆効果だと思われる。
「伯爵令嬢をまるでバカにしているように聞こえるな? 公爵令嬢だからと言って、そのような振る舞いが許されると思っているのか?」
「そ、それは……!」
「やれやれ……令嬢というのは、正式な爵位を与えられているわけでもないのに。まあ、それは良いとしてこれ以上の議論は意味を成さないだろう。二人を連れて行け」
「はっ、畏まりました!」
ゼノン様はこれ以上、二人と話をするつもりはないようだ。まあ、これ以上は意味がないしね。
「こ、国王陛下……! なんとかご慈悲をお与えください! ウィンベル様にはしっかりと謝罪しますから!」
「メジラマ侯爵……遅すぎる」
「ほら、しっかりと歩いてください。抵抗すると、余計な罪が増えますよ?」
「ひ、ひい……! こ、国王陛下……!」
ゼノン様の護衛に連行されていく二人。本当に最後まで悪あがきをしていた。本当に情けない……。
--------------------
「さてと……大分、静かになったな」
「ゼノン様……」
「ウィンベル、大丈夫だったか? 気丈に振る舞っていたな」
「はい! ありがとうございます!」
「ふはははは、礼など不要だ。私はただ、貴族の汚職を払拭したに過ぎないのだからな」
「左様でございますね」
お父様も頷いている。あくまでも表向きは私情を挟んでいないということで通すからだ。ゼノン様は私のことを心配してくれていたけれど、私情で動いたとする言葉はなるべく使っていなかった。
一応、最後の不敬罪云々のところくらいかな?
「あやつらへの然るべき罰と、議会の再編成については私達に任せておけ。ウィンベル、お前は新しい恋が必要だろう? んん? そうであろう?」
「えっ……ゼノン様?」
あれ……急に場が和んだ気がする。以前、ゼノン様と話した時と同じような雰囲気だ。
「是非、運命の相手を見つけて欲しいものだ。ああ、ヴィクターは今度、心に決めた相手を連れて来るようにな」
「なっ……! あ、あれは……!」
「なんだ? まさか、本当はそんな相手はまだ居ないというわけではないだろうな?」
「い、いえ……そのようなことは……」
完全にゼノン様のペースだった。前の話の続きがまさか出てくるとは思わなかったけれど。ヴィクター兄さまも見栄を張ったしっぺ返しが来ているみたいね……。
それにしても、運命の相手か……。
「そ、そうですよ……彼女は現在、伯爵令嬢でしかないのでしょう!?」
サンセット様とシリス様は、この期に及んでもまだ反論を続けていた。自分達への罰を少しでも下げたいと考えているんだろうけど、正直に言って、逆効果だと思われる。
「伯爵令嬢をまるでバカにしているように聞こえるな? 公爵令嬢だからと言って、そのような振る舞いが許されると思っているのか?」
「そ、それは……!」
「やれやれ……令嬢というのは、正式な爵位を与えられているわけでもないのに。まあ、それは良いとしてこれ以上の議論は意味を成さないだろう。二人を連れて行け」
「はっ、畏まりました!」
ゼノン様はこれ以上、二人と話をするつもりはないようだ。まあ、これ以上は意味がないしね。
「こ、国王陛下……! なんとかご慈悲をお与えください! ウィンベル様にはしっかりと謝罪しますから!」
「メジラマ侯爵……遅すぎる」
「ほら、しっかりと歩いてください。抵抗すると、余計な罪が増えますよ?」
「ひ、ひい……! こ、国王陛下……!」
ゼノン様の護衛に連行されていく二人。本当に最後まで悪あがきをしていた。本当に情けない……。
--------------------
「さてと……大分、静かになったな」
「ゼノン様……」
「ウィンベル、大丈夫だったか? 気丈に振る舞っていたな」
「はい! ありがとうございます!」
「ふはははは、礼など不要だ。私はただ、貴族の汚職を払拭したに過ぎないのだからな」
「左様でございますね」
お父様も頷いている。あくまでも表向きは私情を挟んでいないということで通すからだ。ゼノン様は私のことを心配してくれていたけれど、私情で動いたとする言葉はなるべく使っていなかった。
一応、最後の不敬罪云々のところくらいかな?
「あやつらへの然るべき罰と、議会の再編成については私達に任せておけ。ウィンベル、お前は新しい恋が必要だろう? んん? そうであろう?」
「えっ……ゼノン様?」
あれ……急に場が和んだ気がする。以前、ゼノン様と話した時と同じような雰囲気だ。
「是非、運命の相手を見つけて欲しいものだ。ああ、ヴィクターは今度、心に決めた相手を連れて来るようにな」
「なっ……! あ、あれは……!」
「なんだ? まさか、本当はそんな相手はまだ居ないというわけではないだろうな?」
「い、いえ……そのようなことは……」
完全にゼノン様のペースだった。前の話の続きがまさか出てくるとは思わなかったけれど。ヴィクター兄さまも見栄を張ったしっぺ返しが来ているみたいね……。
それにしても、運命の相手か……。
29
あなたにおすすめの小説
(完結)あぁ、それは私の彼ではありません!
青空一夏
恋愛
腹違いの妹はなんでも欲しがる『くれくれダコス』。幼い頃はリボンにぬいぐるみ、少し成長してからは本やドレス。
そして今、ダコスが欲しがっているのは私の彼だ。
「お姉様の彼をください!」
これはなんでも欲しがる妹がどうなったかというコメディー。ありがちな設定のサラッと読める軽いざまぁ。全年齢向け。
格上の言うことには、従わなければならないのですか? でしたら、わたしの言うことに従っていただきましょう
柚木ゆず
恋愛
「アルマ・レンザ―、光栄に思え。次期侯爵様は、お前をいたく気に入っているんだ。大人しく僕のものになれ。いいな?」
最初は柔らかな物腰で交際を提案されていた、リエズン侯爵家の嫡男・バチスタ様。ですがご自身の思い通りにならないと分かるや、その態度は一変しました。
……そうなのですね。格下は格上の命令に従わないといけない、そんなルールがあると仰るのですね。
分かりました。
ではそのルールに則り、わたしの命令に従っていただきましょう。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
(完結)家族にも婚約者にも愛されなかった私は・・・・・・従姉妹がそんなに大事ですか?
青空一夏
恋愛
私はラバジェ伯爵家のソフィ。婚約者はクランシー・ブリス侯爵子息だ。彼はとても優しい、優しすぎるかもしれないほどに。けれど、その優しさが向けられているのは私ではない。
私には従姉妹のココ・バークレー男爵令嬢がいるのだけれど、病弱な彼女を必ずクランシー様は夜会でエスコートする。それを私の家族も当然のように考えていた。私はパーティ会場で心ない噂話の餌食になる。それは愛し合う二人を私が邪魔しているというような話だったり、私に落ち度があってクランシー様から大事にされていないのではないか、という憶測だったり。だから私は・・・・・・
これは家族にも婚約者にも愛されなかった私が、自らの意思で成功を勝ち取る物語。
※貴族のいる異世界。歴史的配慮はないですし、いろいろご都合主義です。
※途中タグの追加や削除もありえます。
※表紙は青空作成AIイラストです。
地味でつまらない私は、殿下の婚約者として相応しくなかったのではありませんか?
木山楽斗
恋愛
「君のような地味でつまらない女は僕には相応しくない」
侯爵令嬢イルセアは、婚約者である第三王子からある日そう言われて婚約破棄された。
彼は貴族には華やかさが重要であると考えており、イルセアとは正反対の派手な令嬢を婚約者として迎えることを、独断で決めたのである。
そんな彼の行動を愚かと思いながらも、イルセアは変わる必要があるとも考えていた。
第三王子の批判は真っ当なものではないと理解しながらも、一理あるものだと彼女は感じていたのである。
そこでイルセアは、兄の婚約者の手を借りて派手過ぎない程に自らを着飾った。
そして彼女は、婚約破棄されたことによって自身に降りかかってきた悪評などを覆すためにも、とある舞踏会に臨んだのだ。
その舞踏会において、イルセアは第三王子と再会することになった。
彼はイルセアのことを誰であるか知らずに、初対面として声をかけてきたのである。
意気揚々と口説いてくる第三王子に対して、イルセアは言葉を返した。
「地味でつまらない私は、殿下の婚約者として相応しくなかったのではありませんか?」と。
遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした
おいどん
恋愛
子爵家の令嬢エリーネと伯爵家の次男のノルトが婚約を結んだのは、半年前だった。
真面目で優秀なノルトに相応しい婚約者であろうとするものの、エリーネには自信がなかった。
ある日、遊び人と噂の令嬢べルティーナとノルトが共にいるところを見てしまう。
「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」
「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」
「…今度は、ちゃんと言葉にするから」
聖女の私と婚約破棄? 天罰ってご存じですか?
ぽんぽこ狸
恋愛
王宮内にある小さな離宮、そこには幸運の女神の聖女であるルーシャが住んでいた。王太子の婚約者であるルーシャはその加護を王太子クリフにすべて捧げるために幼いころから離宮に隔離され暮らしている。
しかし、ある日クリフは、アンジェリカという派手な令嬢を連れてルーシャの元を訪れた。
そして彼らはルーシャの幸運の力は真っ赤な嘘で、ルーシャは聖女を騙ってクリフをだましているのだと糾弾する。
離宮でずっと怠けていて社交界にも顔を出さない怠惰なごく潰しだと言われて、婚約破棄を叩きつけられる。
そんな彼女たちにルーシャは復讐を決意して、天罰について口にするのだった。
四万文字ぐらいの小説です。強火の復讐です。サクッと読んでってください!
恋愛小説9位、女性ホットランキング2位!読者の皆様には感謝しかありません。ありがとうございます!
お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~
柚木ゆず
恋愛
今日は私が、ラファオール伯爵家に嫁ぐ日。ついにハーオット子爵邸を出られる時が訪れましたので、これまで隠していたことをお伝えします。
お姉様たちは私を苦しめるために、私が苦手にしていたクロード様と政略結婚をさせましたよね?
ですがそれは大きな間違いで、私はずっとクロード様のことが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる