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1.始まりの始まり/故郷と呼べない村
炎症
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罠だ。魔法師狩りが見ている。これでは調律魔法も治癒魔法も使えない。
クーレが作っている薬に魔法のような即効性のあるものはない。しかし目の前で苦しんでいる人を助けないわけにはいかない。
二人が魔法師狩りとにらみ合っていたとき、アフテおばさんの微かな声が聞こえた。
「うぅ…クーレ…ちゃん…フォル…くん…」
「今、助けます!フォル君、薬取りに行こ!」
「わ、わかった!」
その苦しそうな声を聞き、クーレは弾かれたように診療所の方へ走った。背後に魔法師狩りの視線を感じながら、俺も彼女の後を追った。
診療所のドアを乱暴に閉め、クーレに尋ねる。
「どうする…あいつに見られてたら魔法は使えない」
「…」
頭の切れる彼女も、打開策を見つけられず苦い顔をしてうつむいている。
二人の治療には俺の治癒魔法が必要だ。だが魔法を使えば魔法師狩りの思うつぼだ。炎の光で魔法の青いモヤがかき消えることは…ないだろうな。
そもそも倒れている二人の前にかがんだだけで怪しまれるはずだ。
ほんの少しでも奴の注意を引き付けられれば…ん?待てよ……!
一つのアイデアが浮かぶ。
「クーレ!あの薬だ!あの…」
作戦の概要を伝える。焦って意味のわからないことを言っている部分もあっただろうが、彼女は問題なく理解した。
彼女はすぐ物置に走り、小ビンを一つ手に持って帰って来た。そのまま再び外へ出る前に振り返る。
####
「お待たせしました!」
「遅かったですねぇ。その間お二人はずっと痛みに耐えていたのですよ?」
クーレは魔法師狩りに一瞥もくれず横になっている二人のそばに屈みこむ。そして上着のポケットから二つの小ビンを取り出した。ビンの栓を開け、一方の中に入っているゲル状の薬品を他方に移して振り混ぜ、人差し指に付ける。直後、彼女の人差し指は青く光り始めた。
追いついて彼女の横に籠を下ろし、クーレと少し距離をとって二人の足首のあるあたりに膝をつく。
「少ししみるかもしれませんが我慢してくださいね!」
そう言うと彼女はまずトレイルおじさんの上半身の火傷した箇所に青く光る液体を塗布していく。すると、見るに堪えなかった傷がみるみる消えていく。治療の様子を覗っていた観衆の一部からおぉと感嘆の声があがる。
彼ら以上に驚いたのは魔法師狩りだった。慌ててクーレに問う。
「こ、これは…魔法、ではありませんね…何と立派な薬…ともすると上級ポーションにも匹敵する効果が…なぜ私の治療の時に、使ってくれなかったのです?」
「あなた程度でこの貴重なポーションを使うはずがないでしょー」
クーレは勝ち誇ったような顔をしている。そんなやり取りを横目に俺は治療を進めていた。
クーレは人差し指で調律魔法を使っているように見える。あるいは青く光る薬で魔法独特の光をカモフラージュしているように見えるかもしれない。しかし、実際に魔法を使っているのは魔法師狩りから少し離れたところにいる俺だ。
俺がトレイルおじさんの足首に治癒魔法をかけている。その手は羽織ってきたマントでうまい具合に隠されている。傷口の場所は初見時に把握しているため直接見えなくても治療ができる。
魔法師狩りが一番注意を払っていたのは、回復系魔法の青いモヤだろう。回復系魔法を使う瞬間を目撃するのが奴の狙いのはずだから。だからそれを逆手に取って、青く光る薬を使った。
二つの瓶のうち、一つは棚に入っていたスライムのような薬。そしてもう一つは、ランプに使う、マニグロリアの精油だ。
これらを混ぜると、世にも奇妙な青白く光るべったりした薬品の完成だ。人体に対して何の作用も示さないものだ。クーレがポーションだと言っていたのはもちろん嘘である。
精油や用途なんてないと思っていた棚のスライムの薬がこんな形で役に立つとは…でもまぁ、研究、開発ってそういうものか。
そうしているうちにトレイルおじさんの治療は終わった。魔法師狩りは腕をきつく組み、眉間にしわの山脈を作っている。
俺とクーレは顔を見合わせてニヤリと笑う。そして同じ要領でアフテさんの治療に取り掛かる。クーレが魔法師狩りを軽く挑発してさらに注意をそらしてくれたので魔法をかける準備がスムーズに整った。
俺は彼が自分に背中を向けていることを確認し、傷口に意識を集中させ、アフテおばさんの足首に治癒魔法をかけた。
刹那、何か衝撃波のようなものが身体を通り抜けるような感覚に襲われた。それは体験したことがない不快な波動だった。
そして同時に、アフテおばさんの傷口から鮮血が噴き出した。
「ああッ!」
アフテおばさんが目を見開き、悲鳴を上げる。数人の女性の悲鳴が上がった。
え……
思考停止し呆然とする。が、すぐさま自分のやるべきことを思い出し、血の噴き出る傷口をふさぐイメージで再び魔法をかけた。
「あァァぁッ!!」
傷口はふさがるどころか、血がさらに激しく噴き出し、しぶきが顔に飛んできた。俊はこの世のものでも見たかのような顔で固まっている。
村人数人が飛び出してきて、自身の衣服を破いた布で止血しようとするが止まらない。人だかりは騒然となった。クーレが慌てて駆け寄ってきた。
「フォル君、どうしたの!?」
「わ、わからない…俺は…ただ…いつも通り治癒魔法を…」
「あれ?もしやあなた、魔法を使ってたんですかねぇ?」
背筋が凍る。顔を上げると、魔法師狩りが、喜怒をちょうど半々でかき混ぜたようなような憎らしい表情で見下ろしていた。
「…お前…何やってんだよ…」
「なんです?見ての通り、私は何もやっていませんよ?あなたが、治癒魔法を失敗しただけのことでしょう?言いがかりは、やめていただきたいですねぇ」
「白々しいな…お前が何かの魔法を使ったんだろ!」
「いい加減にしやがれ!全部てめぇらのせいだ!」
突然背後から村人のうちの一人から怒鳴りつけられた。「てめぇら」の指す人物が俺とクーレだと気づくのに時間がかかった。俺たちは怒鳴られるようなことはしていないと思っていたからだ。
「ち、違う!俺たちは…」
「黙れ!俺は知っているぞ!半年前、王都で回復系魔法師を捕らえる勅令がでたことを!てめぇらはその残党だろ!」
その男の言葉を皮切りに、次々に二人を非難する声が上がり始めた。
アフテおばさんが言っていた通りだ。俺たち魔法師を嫌う人たち。しかも一人や二人ではないみたいだ。
さらに悪いことに、俺はさっき治癒魔法を失敗したところを多くの村人に見られてしまっている。
村人たちの声が、降りしきる夜雨のように冷たく、静かに、そして無意味な音に感じられた。
「村人の皆さんのお気持ちはよぉく分かりました。お任せください。この私、パラベルティークが必ず捕まえてみせましょう」
歓声が上がる。味方は…いない、か。いや、診療所で今までに診てきた村人たちは俺たちを受け入れてくれている…はず。
わかっている。それなのに、全ての村人に裏切られた気分だ。この世界にやってきてから今まで積み上げてきた人間関係って、一体何だったんだ…
「皆さんのアツい思い、伝わってきました。奴ら暴れるやもしれませんので、皆さんは下がっていてくださいねぇ」
正義の主人公のセリフなんだよね、それ。
「クーレ、逃げよう!」
「で、でも!アフテおばさんが!」
「…っ!くそっ!どうすれば!」
ゴゴゴッ…ドシャァ!
燃え盛る家の壁が崩落し、炎が二人の逃げ道を次々に閉ざしていく。パラベルティークが悠々と近づいてくる。
「先ほどあなたたちを捕まえると言いましたが、私が命じられているのはあなたたちの捕縛、ただしその生死は問わないとのことなのでねぇ…」
「クーレ!だめだ…!逃げよう!」
クーレの手を強引に引っ張り、魔法師狩りに背を向けて走り出そうとする。
「おっと、本当にそっちでいいんですかねぇ?」
目の前にゆらりと、黒いローブを被った者が三人現れた。
(くっ…手下か!そりゃ一人のはずはないよな)
辺りを見回したときには時すでに遅し、十人ほどの黒ローブたちに囲まれてしまっていた。
逃げ道は、もうない。
「ふふっ…ヒッ…はっ…ハハハッ!!あぁ…名状しがたき愉悦!糸のように細い希望がはっきりと絶望に反転したときの表情、至高ですねぇ…さて、もう一度希望を見せて差し上げましょうか?それとも、このまま絶望一色に染め上げてしまいましょうか…ねぇ…!!」
クーレが作っている薬に魔法のような即効性のあるものはない。しかし目の前で苦しんでいる人を助けないわけにはいかない。
二人が魔法師狩りとにらみ合っていたとき、アフテおばさんの微かな声が聞こえた。
「うぅ…クーレ…ちゃん…フォル…くん…」
「今、助けます!フォル君、薬取りに行こ!」
「わ、わかった!」
その苦しそうな声を聞き、クーレは弾かれたように診療所の方へ走った。背後に魔法師狩りの視線を感じながら、俺も彼女の後を追った。
診療所のドアを乱暴に閉め、クーレに尋ねる。
「どうする…あいつに見られてたら魔法は使えない」
「…」
頭の切れる彼女も、打開策を見つけられず苦い顔をしてうつむいている。
二人の治療には俺の治癒魔法が必要だ。だが魔法を使えば魔法師狩りの思うつぼだ。炎の光で魔法の青いモヤがかき消えることは…ないだろうな。
そもそも倒れている二人の前にかがんだだけで怪しまれるはずだ。
ほんの少しでも奴の注意を引き付けられれば…ん?待てよ……!
一つのアイデアが浮かぶ。
「クーレ!あの薬だ!あの…」
作戦の概要を伝える。焦って意味のわからないことを言っている部分もあっただろうが、彼女は問題なく理解した。
彼女はすぐ物置に走り、小ビンを一つ手に持って帰って来た。そのまま再び外へ出る前に振り返る。
####
「お待たせしました!」
「遅かったですねぇ。その間お二人はずっと痛みに耐えていたのですよ?」
クーレは魔法師狩りに一瞥もくれず横になっている二人のそばに屈みこむ。そして上着のポケットから二つの小ビンを取り出した。ビンの栓を開け、一方の中に入っているゲル状の薬品を他方に移して振り混ぜ、人差し指に付ける。直後、彼女の人差し指は青く光り始めた。
追いついて彼女の横に籠を下ろし、クーレと少し距離をとって二人の足首のあるあたりに膝をつく。
「少ししみるかもしれませんが我慢してくださいね!」
そう言うと彼女はまずトレイルおじさんの上半身の火傷した箇所に青く光る液体を塗布していく。すると、見るに堪えなかった傷がみるみる消えていく。治療の様子を覗っていた観衆の一部からおぉと感嘆の声があがる。
彼ら以上に驚いたのは魔法師狩りだった。慌ててクーレに問う。
「こ、これは…魔法、ではありませんね…何と立派な薬…ともすると上級ポーションにも匹敵する効果が…なぜ私の治療の時に、使ってくれなかったのです?」
「あなた程度でこの貴重なポーションを使うはずがないでしょー」
クーレは勝ち誇ったような顔をしている。そんなやり取りを横目に俺は治療を進めていた。
クーレは人差し指で調律魔法を使っているように見える。あるいは青く光る薬で魔法独特の光をカモフラージュしているように見えるかもしれない。しかし、実際に魔法を使っているのは魔法師狩りから少し離れたところにいる俺だ。
俺がトレイルおじさんの足首に治癒魔法をかけている。その手は羽織ってきたマントでうまい具合に隠されている。傷口の場所は初見時に把握しているため直接見えなくても治療ができる。
魔法師狩りが一番注意を払っていたのは、回復系魔法の青いモヤだろう。回復系魔法を使う瞬間を目撃するのが奴の狙いのはずだから。だからそれを逆手に取って、青く光る薬を使った。
二つの瓶のうち、一つは棚に入っていたスライムのような薬。そしてもう一つは、ランプに使う、マニグロリアの精油だ。
これらを混ぜると、世にも奇妙な青白く光るべったりした薬品の完成だ。人体に対して何の作用も示さないものだ。クーレがポーションだと言っていたのはもちろん嘘である。
精油や用途なんてないと思っていた棚のスライムの薬がこんな形で役に立つとは…でもまぁ、研究、開発ってそういうものか。
そうしているうちにトレイルおじさんの治療は終わった。魔法師狩りは腕をきつく組み、眉間にしわの山脈を作っている。
俺とクーレは顔を見合わせてニヤリと笑う。そして同じ要領でアフテさんの治療に取り掛かる。クーレが魔法師狩りを軽く挑発してさらに注意をそらしてくれたので魔法をかける準備がスムーズに整った。
俺は彼が自分に背中を向けていることを確認し、傷口に意識を集中させ、アフテおばさんの足首に治癒魔法をかけた。
刹那、何か衝撃波のようなものが身体を通り抜けるような感覚に襲われた。それは体験したことがない不快な波動だった。
そして同時に、アフテおばさんの傷口から鮮血が噴き出した。
「ああッ!」
アフテおばさんが目を見開き、悲鳴を上げる。数人の女性の悲鳴が上がった。
え……
思考停止し呆然とする。が、すぐさま自分のやるべきことを思い出し、血の噴き出る傷口をふさぐイメージで再び魔法をかけた。
「あァァぁッ!!」
傷口はふさがるどころか、血がさらに激しく噴き出し、しぶきが顔に飛んできた。俊はこの世のものでも見たかのような顔で固まっている。
村人数人が飛び出してきて、自身の衣服を破いた布で止血しようとするが止まらない。人だかりは騒然となった。クーレが慌てて駆け寄ってきた。
「フォル君、どうしたの!?」
「わ、わからない…俺は…ただ…いつも通り治癒魔法を…」
「あれ?もしやあなた、魔法を使ってたんですかねぇ?」
背筋が凍る。顔を上げると、魔法師狩りが、喜怒をちょうど半々でかき混ぜたようなような憎らしい表情で見下ろしていた。
「…お前…何やってんだよ…」
「なんです?見ての通り、私は何もやっていませんよ?あなたが、治癒魔法を失敗しただけのことでしょう?言いがかりは、やめていただきたいですねぇ」
「白々しいな…お前が何かの魔法を使ったんだろ!」
「いい加減にしやがれ!全部てめぇらのせいだ!」
突然背後から村人のうちの一人から怒鳴りつけられた。「てめぇら」の指す人物が俺とクーレだと気づくのに時間がかかった。俺たちは怒鳴られるようなことはしていないと思っていたからだ。
「ち、違う!俺たちは…」
「黙れ!俺は知っているぞ!半年前、王都で回復系魔法師を捕らえる勅令がでたことを!てめぇらはその残党だろ!」
その男の言葉を皮切りに、次々に二人を非難する声が上がり始めた。
アフテおばさんが言っていた通りだ。俺たち魔法師を嫌う人たち。しかも一人や二人ではないみたいだ。
さらに悪いことに、俺はさっき治癒魔法を失敗したところを多くの村人に見られてしまっている。
村人たちの声が、降りしきる夜雨のように冷たく、静かに、そして無意味な音に感じられた。
「村人の皆さんのお気持ちはよぉく分かりました。お任せください。この私、パラベルティークが必ず捕まえてみせましょう」
歓声が上がる。味方は…いない、か。いや、診療所で今までに診てきた村人たちは俺たちを受け入れてくれている…はず。
わかっている。それなのに、全ての村人に裏切られた気分だ。この世界にやってきてから今まで積み上げてきた人間関係って、一体何だったんだ…
「皆さんのアツい思い、伝わってきました。奴ら暴れるやもしれませんので、皆さんは下がっていてくださいねぇ」
正義の主人公のセリフなんだよね、それ。
「クーレ、逃げよう!」
「で、でも!アフテおばさんが!」
「…っ!くそっ!どうすれば!」
ゴゴゴッ…ドシャァ!
燃え盛る家の壁が崩落し、炎が二人の逃げ道を次々に閉ざしていく。パラベルティークが悠々と近づいてくる。
「先ほどあなたたちを捕まえると言いましたが、私が命じられているのはあなたたちの捕縛、ただしその生死は問わないとのことなのでねぇ…」
「クーレ!だめだ…!逃げよう!」
クーレの手を強引に引っ張り、魔法師狩りに背を向けて走り出そうとする。
「おっと、本当にそっちでいいんですかねぇ?」
目の前にゆらりと、黒いローブを被った者が三人現れた。
(くっ…手下か!そりゃ一人のはずはないよな)
辺りを見回したときには時すでに遅し、十人ほどの黒ローブたちに囲まれてしまっていた。
逃げ道は、もうない。
「ふふっ…ヒッ…はっ…ハハハッ!!あぁ…名状しがたき愉悦!糸のように細い希望がはっきりと絶望に反転したときの表情、至高ですねぇ…さて、もう一度希望を見せて差し上げましょうか?それとも、このまま絶望一色に染め上げてしまいましょうか…ねぇ…!!」
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