異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

ダンジョンデビュー!

「ただいまー。」
 千春と志乃が王宮に戻ると、エンハルト、アリンハンド、そしてミシェールが待っていた。

「おかえりチハル、もう冒険者ギルドに行って来たのか?」
「うん、冒険者証だけ貰いに行って来た。」
 千春が言うと、志乃はミシェールに冒険者証を見せていた。

「これです。」
「おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「冒険者ギルドには俺が連れて行くと言ったが・・・」
 ミシェールは千春を見る。

「後でまた連れて行ってあげてよ、チラッとしか見てないし、それに今からダンジョンだからね♪サクッと用事だけ済ませただけだよ。」
 軽く答える千春、そして部屋に戻ると、美桜にはエーデルが、麗奈にはホーキンが付いていた。

「騎士団いるじゃん。」
「それぞれ一人ずつの護衛だ。」
「いらないって言ったのに。」
「確かにルプ達が居れば大丈夫だろうが、とっさに動ける者が付いていた方が良いだろ?」
「過保護だなぁ。」
「過保護なものか、これでも少ないんだからな、で?冒険者の護衛は?」
「うん、狼の牙のメンバーがついて来るよ、もうすぐ来ると思う。」
 千春が言うのと同じく、空からドラゴンが降りて来る、その背には野郎が3人、そしてその横には杖に乗ったユーリンとシャルルがいた。

「おまたせー!」
「やっぱりこの杖便利だね。」
 ユーリンはシャルルの杖を受け取ると、アイテムボックスへ収納する、野郎たちはドラゴンから降りると、挨拶を交わす。

「チハルさん、よろしくお願いします。」
 野郎3人が並んで千春に言うと、横にいた志乃は嬉しそうに野郎どもを見る。

「おおー・・・冒険者だー。」
「さっきも沢山見たじゃん。」
 千春が笑いながら言うが、志乃は首を横に振る。

「いやいや、そうだけどさ、すごいね、剣と盾持ってるじゃん。」
「そりゃ冒険者だからねー、その弓を持ってる人がトリスで、大きな盾持ってるのがガーラン、ほんで、その大きな剣を持ってるのが・・・ぱーぱー・・・ぱー・・・パトリス。」
 千春が言うと、3人は目を見開く。

「ちょ・・・姫さん偽物じゃないか?」
「パトリスの名前を間違わないだと!?」
「・・・初めて呼ばれた気がする。」
 パトリスはポカンとした顔で呟く。

「志乃です、よろしくお願いします。」
「新しい聖女さんだよな?」
「そう聞いてるぞ?」
「・・・いつもの聖女達とちょっと違うな。」
「ああ、なんかこう・・・おとなしい。」
「ういういしいと言うか・・・おしとやか?」
 野郎3人同士で顔を近づけ呟く。

「はい!不敬!」
「聞こえてるよー!だれがおしとやかじゃないってー!?」
「喧嘩売ってんねぇ、コンちゃん焼いちゃう?」
「リリ、ちょっと風魔法で吹っ飛ばして。」
 聖女達が並んで野郎3人に言うと、3人はすぐに答えた。

「冗談っす!」
「うそです!皆さんおしとやかです!」
「そうです!聖女様は皆おとなしいです!」
 3人が言うと、聖女達も笑いながら集まる。

「それじゃダンジョン行きますかー。」
 千春が言うと、エンハルト達も準備を終わらせ集まる、そしてフェアリーリングに入ると、リリは魔力を流した。


-------------------------


「はい!ここがダンジョン村です!」
 千春は両手を広げ、志乃に言う、志乃は嬉しそうに見渡す。

「うぁあ、冒険者が沢山いる、あ!お店もある!」
 美味しそうな香りが漂う通り、その奥には兵士が立ち、冒険者達はその方向へ歩いて行く。

「あそこがダンジョン入口で、その手前に受付あるんだよ。」
「おおー、そこは?」
 店の一画を指差す志乃、千春は説明しながら通りを歩く。

「そこは・・・なんだろ。」
「そこは武器の修理屋ですね。」
 ガーランが答える、次々と指差し問いかける志乃に、狼の牙とミシェールが説明を始めた。

「で、ここが受付でーす。」
 千春がトテトテと受付の方へ向かう、受付嬢は立ち上がり千春に礼をする。

「ようこそ、エイクラーダンジョンへ。」
 ニッコリ微笑み千春達へ挨拶をする受付嬢、皆は冒険者証を呈示すると、受付を済ませる。

「チハル王女殿下、どちらの階へ向かわれますか?」
「え?えっと、とりあえず5階かなぁ。」
 千春が言うと、頼子も頷き答える。

「多分5階でUターンだろうね。」
 頼子の言葉を聞き、受付嬢がダンジョンの方を指差す。

「5階層でしたら、入って右の扉から降りられると5階層になっております。」
「・・・え?いきなり5階層?」
「はい、1階層、5階層、10階層の入り口が出来ましたので、そこまではショートカット出来ます。」
「おおー!んじゃ逆に5階層飛ばすの可能って事!?」
「はい、チハル王女殿下でしたらショートカットも許可出来ますが、されますか?」
 受付嬢の言葉に千春は皆を見る。

「どうする?」
「許可ってなに?」
「えー、どうせなら1階層から見せたいよね?」
「だねぇ、シノも魔物色々見たいだろうし。」
 4人はキョトンとした顔で見ている志乃に視線を向ける。

「・・・ん?なに?」
「シノは1階層から見たいよね?」
「うん!最初から降りて行きたい!」
「おっけー、それじゃショートカットは無しでお願いします。」
「了解致しました。」
 受付嬢へ伝えると、皆はダンジョンの入り口に入る、奥には扉があり、その扉の前には屈強な冒険者が立っていた。

「ようこそエイクラーダンジョンへ。」
「こんにちは♪」
 千春が言うと、冒険者は微笑む、そして狼の牙に話しかけた。

「金級の狼の牙がついているのに1階からか?」
「ああ、聖女様の御要望だからな。」
「それではお気を付けて。」
 扉を開ける男、千春が入ろうとすると、ガーランとパトリスが前に出る。

「それでは私達が先に行かせて頂きます。」
 ガーランはそう言うと、数歩前を歩く、聖女達の横にはそれぞれの護衛が、聖女達の後ろにはサリナとナッテリーが歩く。

「モリーも戦闘用じゃん。」
 千春はモリアンの装備を見る、服は侍女服だが、手には金属の籠手が付けられていた。

「はい~♪戦闘用で作ってもらったんです♪」
「誰に?」
「タイキ様ですよ?聞いて無いです?」
「聞いてないねぇ、お父さんが作ったの?コレ。」
「はい、護衛用にってもらいました♪」
「・・・もしかしてコレ・・・オリハルコン?」
「はい♪もう、家宝ですよ!コレ!」
 指まで覆う金属の籠手、大樹の趣味なのか、ゲームで見るような流線形の模様が描かれていた。

「これで殴ったら魔物爆散しそう。」
 横で美桜が籠手を見ながら呟く。

「だねー、まぁ汚れるのはモリーちゃんだし。」
 麗奈はクスクス笑いながら言う、モリアンは籠手をワニワニと握りしめながら答える。

「力加減・・・気を付けます。」
 のんきに話しをしながらダンジョンを進む一行、幾つかの広い場所で、冒険者が探索をしている、その姿すら楽しいのか、志乃は覗き込みながら歩く。

「あれは何やってるんですか?」
 隣を歩くミシェールに問いかける志乃。

「あの穴に魔物が隠れていないか見てるのでしょう、たしかエイクラーの1階層にはゴブリンが居たと思いますが。」
「ゴブリン!?見たいです!」
「そのうち出て来るでしょう、他の冒険者の獲物を取るのはルール違反ですからね。」
「あー、そう言うのもあるんですね。」
 ミシェールの説明を聞きながら、楽し気に歩く志乃、そして狼男の姿で歩くルプと、子供姿のビェリー、コンが動く。

「エーデル、その角に魔物がいるぞ。」
 ルプが言うと、エーデルが足を止め、千春の方を見る。

「ゴブリンと思われますが、どうしますか?」
 エーデルに言われ千春は皆を見る。

「人型だけどシノやる?」
「コレでやるんだよね?」
 志乃は渡された銃を手に問いかける、魔石を弾丸にした魔法エアガンだ。

「うん、その氷の弾丸1発で倒せると思うけど、数発撃ちこんで良いよ、弾はダイアに沢山作ってもらってるから。」
「おっけー、それじゃやってみる。」
 まだ攻撃魔法の練習をしていない志乃は、魔法銃を構える、その先を余裕の表情でてくてく歩いて行くビェリーとコン、すると角から魔物が石を手に飛び掛かって来た。

「おったばーい♪」
「僕たちは気にせず撃ってください♪避けますから~♪」
 ビェリーとコンはスッと横に避け、射線を開ける、目の前に出てきた醜悪なゴブリンに志乃は銃口を向け、引き金を引く、パスッパスッと軽い音を出し魔石がゴブリンに数発当たると、ゴブリンは一瞬で凍り付く。

「やった!」
「なーいす♪」
「上手いじゃん♪」
 千春と頼子が言うと、コンとビェリーが声を掛ける。

「あと4匹いますよ~。」
「いや、5匹おるばい、走ってきよーばい。」
「おっけー、それじゃ私達も応戦しますか♪」
 千春はそう言うと、銃を構える、気付けば頼子達も銃を手にしていた、その姿を見てミシェールは思わず呟く。

「ハルト・・・」
「なんだ?」
「それは俺のセリフだ、なんだこの武器は。」
「・・・銃と言う魔法を詰め込んだ魔石を飛ばす武器だ。」
「誰がこんなものを作ったんだ?」
「聖女達だが?」
 平然と答えるエンハルトにミシェールは呆然と見つめる、そしてゴブリンが出てきた瞬間、千春の掛け声とともに一斉射撃が始まった。






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