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白と黒の騎士
第42話-勝利の結末-
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血が雨と一緒に俺に降りかかる。
だけどそれは俺から出た血じゃない。
出所はキースの胸、背後から胸へと突き刺さった剣がキースの体から血を降らせている。
キースはうめき声しか出せていない。肺を貫通したのかもしれない。肩を掴んでいる腕から力が抜ける。振り下ろされそうになっていた左腕からは短刀も抜け落ちて、体に沿うように下げられた。
剣が引き抜かれるとさらに血が吹き上がる。俺はそれから少しでも距離を取るように下がった。
キースが倒れると剣の持ち主が見えた。
「フロスト……」
見間違えることのない姿。前にあった時と同じで包帯も取れていない姿に剣を両手で握りしめている。こっちを見る目はいつもと変わらない。
「最後だけ横取りで悪いな」
そう言って地面に倒れている最初に俺が切った男の方に向かって行って、男に剣を突き刺した。戦うことはできなくても生きてはいた。そんな男の息の根をフロストは止めた。
傍らじゃフランソワはアルに駆け寄って声をかけて立たせようとしている。
突然の終わり方で驚きはしたが、少なくとも俺達3人は生きている。それは俺たちの勝ちを意味していた。
「そっちはどうだったんだ?」
「キースが逃げたもんだから犠牲はなかった。無傷ってわけじゃないけどな。そんでもってこっちに来て、お前らを見つけて隙を伺ってた。俺たちの勝ちだ」
「そうかい、ならよかった」
事が終わったと思うと緊張がゆるんで右手の痛みがどんどん増してくる。
「おい。さっさと行けよ。お前らはここにいなかった。いいな」
「分かった」
俺もアルの方へ向かって2人に声をかけてこの場を去ろうとする
「立てるな? 行くぞ。ほら嬢さんも」
「えっ、ならフロストも一緒に。お礼も言わないと助けられたんだし」
「いいんだ。『俺たちはここにいなかった』それがフロストの望みだ」
「どういう事?」
「フランソワ様、ここはヤンの言う通りに。ここを離れて、医者の元に行きましょう。ヤンの腕が心配です」
「わ、わかったけど、後で分かるように説明してよね」
アルに俺の肩を貸して立たせる。なんとか歩けるくらいには意識もはっきりしている。
「フロストさん! ありがとうございました!」
「何言ってんだ。黙っていくぞ」
フランソワの大声での別れ際の言葉を嗜めつつも俺達3人はその場を逃げるように後にした。
だけどそれは俺から出た血じゃない。
出所はキースの胸、背後から胸へと突き刺さった剣がキースの体から血を降らせている。
キースはうめき声しか出せていない。肺を貫通したのかもしれない。肩を掴んでいる腕から力が抜ける。振り下ろされそうになっていた左腕からは短刀も抜け落ちて、体に沿うように下げられた。
剣が引き抜かれるとさらに血が吹き上がる。俺はそれから少しでも距離を取るように下がった。
キースが倒れると剣の持ち主が見えた。
「フロスト……」
見間違えることのない姿。前にあった時と同じで包帯も取れていない姿に剣を両手で握りしめている。こっちを見る目はいつもと変わらない。
「最後だけ横取りで悪いな」
そう言って地面に倒れている最初に俺が切った男の方に向かって行って、男に剣を突き刺した。戦うことはできなくても生きてはいた。そんな男の息の根をフロストは止めた。
傍らじゃフランソワはアルに駆け寄って声をかけて立たせようとしている。
突然の終わり方で驚きはしたが、少なくとも俺達3人は生きている。それは俺たちの勝ちを意味していた。
「そっちはどうだったんだ?」
「キースが逃げたもんだから犠牲はなかった。無傷ってわけじゃないけどな。そんでもってこっちに来て、お前らを見つけて隙を伺ってた。俺たちの勝ちだ」
「そうかい、ならよかった」
事が終わったと思うと緊張がゆるんで右手の痛みがどんどん増してくる。
「おい。さっさと行けよ。お前らはここにいなかった。いいな」
「分かった」
俺もアルの方へ向かって2人に声をかけてこの場を去ろうとする
「立てるな? 行くぞ。ほら嬢さんも」
「えっ、ならフロストも一緒に。お礼も言わないと助けられたんだし」
「いいんだ。『俺たちはここにいなかった』それがフロストの望みだ」
「どういう事?」
「フランソワ様、ここはヤンの言う通りに。ここを離れて、医者の元に行きましょう。ヤンの腕が心配です」
「わ、わかったけど、後で分かるように説明してよね」
アルに俺の肩を貸して立たせる。なんとか歩けるくらいには意識もはっきりしている。
「フロストさん! ありがとうございました!」
「何言ってんだ。黙っていくぞ」
フランソワの大声での別れ際の言葉を嗜めつつも俺達3人はその場を逃げるように後にした。
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