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ガルド城の秘密
第48話-いざ。フランソワの実家へ-
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馬車に揺られながら半日。窓から見える景色は街、野原、山と様々な景色を私に見せてくれた。
見たことのない景色は私に半日の馬車旅に退屈も与えずに彩ってくれる。
「お嬢様もうすぐ着きますよ」
アレンの言葉に前を見ると巨大な屋敷の塀が見えてくる。周りに建物もなく、唯一そびえ立つその屋敷は圧倒的な存在感を放っている。
「あれかぁ。やっぱすごいなぁ」
思わず心の声が口から出てしまう。今住んでる所も充分にでかいけど、それ以上に大きい。改めてソボール家の凄さを思い知った。
そんなことを思ってるのも束の間で、豪邸の前に馬車が止まる。アレンが門に備え付けてある大きな鈴を鳴らすと門の横の建物から1人のメイドが出てきた。
ホリナより年は上と思われるメイド。窓から覗き込む私と目が合った。
「お嬢様おかえりなさいませ。すぐに門を開けますのでお待ちを」
頭を深々と下げて門を開けてくれる。
馬車はそのまま屋敷の塀の中に入っていく。
お金持ちの家にありがちな門と屋敷の間にある噴水の横を抜けて屋敷の前で私は馬車から降りる。
「私は馬車小屋にいますので用があれば呼んでください」
そう言ってアレンはそのまま来た道を戻っていく。
屋敷の扉が開いた。開いた先にはいかにも執事と言った細身の妙齢の男性がいる。彼がドアを開いてくれたのか。
「ありがとうございます」
私を一瞬驚くような目で見てそのまま頭を下げるように表情を隠された。
今の一瞬私は見逃さなかったからね。めっちゃびっくりしてたわこの執事。
「おかえりなさい、雰囲気が変わりましたわねフランソワ。帰ってくるなら先に手紙を出してくれれば良かったのに」
嬉しそうに不満を私にぶつけてくる髪の長い女性。あぁ、間違いないこの人はフランソワのお母さんだ。鏡で見た自分と口元なんかそっくりだ。
「昨日家からの手紙を見ましたので。家を思い出して寂しくなって帰ってきてしまいました」
「学園生活は人をも変えてしまうのね。そんな事を言うと思っても見なかったわ。大人になったと言うことかしら」
なるほどなー。この反応を見るにフランソワは家のことがあんまり好きじゃなかったように見える。
人それぞれ悩みはあるもんだしね。家、両親が裕福でも悩みはあることだってあるわよね。
「立ち話は疲れるでしょう。早く上がりなさいな。お茶にしましょう。お父様にも声を掛けてあるからすぐに来ると思うわ」
「えぇ。私もたくさんお話ししたいことがございますので」
そのまま屋敷の中に入る。玄関とは思えない広さの間取りに改めて驚きつつもフランソワ母の後をついて行く。
廊下には飾られた壺や花がただの廊下を賑わせている。
それでも豪華な花じゃない。どこにでも咲いていそうなよくある花。学院の周りでも見たような気がする。
廊下に飾られた絵は風景を写したものが多い。特に山や民家の集まった村や町が映し出された絵は青空のイメージも相まって爽快さを醸し出す。
「お父様が来るまで座っておきなさい。話はお父様が来てからにしましょう。同じ話をするのも疲れるでしょうから」
部屋に入ると豪華の装飾のついた椅子に座って今から来るフランソワの父を待つことになった。
対面で優雅に運ばれてきたお茶を飲む母を見て私は違和感を覚えながらも、それを解消できずにいた。
見たことのない景色は私に半日の馬車旅に退屈も与えずに彩ってくれる。
「お嬢様もうすぐ着きますよ」
アレンの言葉に前を見ると巨大な屋敷の塀が見えてくる。周りに建物もなく、唯一そびえ立つその屋敷は圧倒的な存在感を放っている。
「あれかぁ。やっぱすごいなぁ」
思わず心の声が口から出てしまう。今住んでる所も充分にでかいけど、それ以上に大きい。改めてソボール家の凄さを思い知った。
そんなことを思ってるのも束の間で、豪邸の前に馬車が止まる。アレンが門に備え付けてある大きな鈴を鳴らすと門の横の建物から1人のメイドが出てきた。
ホリナより年は上と思われるメイド。窓から覗き込む私と目が合った。
「お嬢様おかえりなさいませ。すぐに門を開けますのでお待ちを」
頭を深々と下げて門を開けてくれる。
馬車はそのまま屋敷の塀の中に入っていく。
お金持ちの家にありがちな門と屋敷の間にある噴水の横を抜けて屋敷の前で私は馬車から降りる。
「私は馬車小屋にいますので用があれば呼んでください」
そう言ってアレンはそのまま来た道を戻っていく。
屋敷の扉が開いた。開いた先にはいかにも執事と言った細身の妙齢の男性がいる。彼がドアを開いてくれたのか。
「ありがとうございます」
私を一瞬驚くような目で見てそのまま頭を下げるように表情を隠された。
今の一瞬私は見逃さなかったからね。めっちゃびっくりしてたわこの執事。
「おかえりなさい、雰囲気が変わりましたわねフランソワ。帰ってくるなら先に手紙を出してくれれば良かったのに」
嬉しそうに不満を私にぶつけてくる髪の長い女性。あぁ、間違いないこの人はフランソワのお母さんだ。鏡で見た自分と口元なんかそっくりだ。
「昨日家からの手紙を見ましたので。家を思い出して寂しくなって帰ってきてしまいました」
「学園生活は人をも変えてしまうのね。そんな事を言うと思っても見なかったわ。大人になったと言うことかしら」
なるほどなー。この反応を見るにフランソワは家のことがあんまり好きじゃなかったように見える。
人それぞれ悩みはあるもんだしね。家、両親が裕福でも悩みはあることだってあるわよね。
「立ち話は疲れるでしょう。早く上がりなさいな。お茶にしましょう。お父様にも声を掛けてあるからすぐに来ると思うわ」
「えぇ。私もたくさんお話ししたいことがございますので」
そのまま屋敷の中に入る。玄関とは思えない広さの間取りに改めて驚きつつもフランソワ母の後をついて行く。
廊下には飾られた壺や花がただの廊下を賑わせている。
それでも豪華な花じゃない。どこにでも咲いていそうなよくある花。学院の周りでも見たような気がする。
廊下に飾られた絵は風景を写したものが多い。特に山や民家の集まった村や町が映し出された絵は青空のイメージも相まって爽快さを醸し出す。
「お父様が来るまで座っておきなさい。話はお父様が来てからにしましょう。同じ話をするのも疲れるでしょうから」
部屋に入ると豪華の装飾のついた椅子に座って今から来るフランソワの父を待つことになった。
対面で優雅に運ばれてきたお茶を飲む母を見て私は違和感を覚えながらも、それを解消できずにいた。
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