俺と幼馴染の冒険が世界を震撼させるというお話

あおアンドあお

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第一章・幼馴染の怪しげな情報

3話・不意打ちのキス

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か、可愛いだな。

リナと同格レベルの可愛さだぞ。

......ん?

でもおかしくないか?

さっきまで人の気配なんて全然しなかったじゃん?

なのに、何でこのここにいるの?

一体どこから現れた!?

そ、それにこの娘の格好って...確か、東国の巫女って呼ばれる女性が身につける服......袴って奴だよな?

だけど東国って、逆の方向にある地域だよな?

俺があれやこれやと思考を連ねていると、

「おやおや? どうしたのかな? さっきからわたしの事をジロジロと見てきているみたいけどさぁ~? ああ!もしかしてわたしに一目惚れをしちゃったのかなぁ♪」

謎の袴娘がニマニマした顔をしてそう言ってくるので、

「イヤ、それはない!」

その顔にイラッときた俺は、素の表情でこの言葉を思いっきり否定してやった。

すると、

「ちょ! キミ~!? そこは嘘でも慌てふためきながら口ごもるとか、あたふたしながらテレるとかしなさいよねぇっ! 私のハートがめちゃくちゃキズつくでしょうがぁぁああっ!」

謎の人物...袴っがプンプンとした表情で、ライロードに異議と抗議をしてくる。

「......まあいいわ。わたし寛大だから許してあげるよ。それよりもキミ。キミは何でこんな辺鄙な場所でひとり寂しくいたのかね? あ~!もしかして友達がいない系?」

「いやいるわっ!その友達に会いに行く途中なのっ! それにひとり寂しくっていうなら、キミにも当てはまる言葉だ! 何でキミみたいな可愛い娘がこんな魔物の彷徨く場所にいるんだよ? こんな所でウロウロしてたら、魔物はおろか、盗賊とかに襲われちゃう可能性があるんだぞ!」

「ひゃう!? か、かか、可愛い!? わ、わたしが? ホントにホントッ!?」

「え!? あ、ああ...うん、そうだね。可愛い、可愛くないで言うのなら、キミは間違いなくお世話抜きでも可愛い類じゃないかな? だからさ、どこか安全な場所に移動した方が――――うぐっ!??」

この言葉を全て言い終わる前に、俺の口は何か柔らかいものによって突如塞がれてしまう。

一体何ごとが起きたと、プチパニしながらも俺は目を大きく見開き、改めて自分の口元を確認して見てみると、そこには俺の唇と袴っ娘の唇が重ね合っていた。


なななな、ななななぁぁああぁ――――――っ!!?


「ち、ちち、ち、ちょっとぉぉぉおお!? いい、い、いきなり何をしゅるゅんりぇすかぁあっ!? ビビ、ビ、ビックリしちゃうだ―――って、あ、あれっ!?」

俺は動揺全開で慌てながら袴っ娘から素早く離れ、そして今のはどういう事だと袴っ娘を問い詰めようとする。

がしかし、

袴っ娘が俺の目の前から消えていなくなっていた。

「へ? ええ!? 嘘ぉぉぉおっ!?」

俺は消えた袴っ娘は一体どこに行ったんだと、周囲をキョロキョロとくまなく見渡してみるのだが、やはりどこをどう探しても袴っ娘の姿はどこにも見当たらなかった。

「はぁあ!? ど、どど、どういう事?どこに消えた!? いやいや、ええ!? だ、だってここ見渡す限り何にも障害物のない地平線見える平原なんですけどぉぉぉおっ!?」

だ、だというのに!?

「あの袴っ娘は一体どこへ行ったっていうんだよ!?」

俺は袴っ娘がどこかにきっといるはずと、それらしい場所をトコトン探しまくった。

だけど、いくら探せども探せども袴っ娘の姿はどこにも全く見当たらず、俺はもう訳が分からんとばかりに、その場に呆然した表情で立ち尽くしてしまう。

...............。

...............。

...............。

...............よ、よし!

「今ここで起きた事は何もなかったって事にしておこうっ! う、うん! そうしておこうっ! あは...あははは......」

だってそう思わなきゃ、俺の心が発狂しそうだもんっ!

「そ、そんじゃま。そういう事なので、テンの待つコンナーの洞窟へ改めて向かうとしますかねっと♪」

俺はさっきの袴っ娘は幻だったと強引に結論付けると、テンの待っているというコンナーの洞窟に再び早足で歩き出した。







「.........ふふふ♪」

そんなライロードの様子を、空上からジッと見つめている謎の人物がいた。

「そっか♪ あいつがあの『御方』が言っていたライロードかぁ~♪ いやはやホント、想像通りの間抜けっ面だったなぁ~うふふ♪」

謎の人物がそう述べつつ、自分の唇へ人差し指をソッと持っていくと、唇のラインをゆっくりとなぞって行く。

「それにしてもライロードの奴め、私の事を可愛いって...エヘヘ、やった♪」

そして謎の人物がライロードの言った「可愛い」という言葉を脳裏に浮かべた瞬間、両の頬を紅へと染めっていき、恍惚な表情をこぼす。

「うふふ♪ またね、ライロード。次のフラグ場所でまた会おうねぇ~♪」

遠くへと去っていくライロードの背中に向けて謎の人物が大きく手を振った後、その場から姿がパッと消え去った。


そんな出来事から数時間後。


ライロードはテンとの待ち合わせ場所、コンナーの洞窟へと辿り着いた。

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