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二章 新たな出会い
第十九話・五百十六歳
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「ふう、ヒドイ目にあったぜ......」
「たはは...ゴメン、ゴメン。この姿での力加減がいまいち掴めて
なくってさ♪」
ルコールが苦笑しながら頭をポリポリと掻いて、気絶から回復した
俺に対し、言い訳な苦しい謝罪をしてくる。
「それで殺されかけりゃ世話ないわっ!」
.....ったく、まぁいい。
「それよりも、宝を貰うっていう目的も済んだ事だし、さっさとここから
脱出するとしようか!」
そろそろ、この目に青空を焼きつけてやりたいしな。
「...という訳なので、外に出る為の道案内をよろしむ頼んだぞ、ルコール!」
俺がルコールにそう声を掛けると、
「オッケー、任せてレンヤ!それじゃ早速、お外へとレッツラゴーだよ~♪」
ルコールはニコッとした笑顔を浮かべてサムズアップをビシッと決めると、
部屋の門に向かって猛ダッシュでスタタと駆けて行く。
「ちょっ!?待てよ、ルコール~!肝心の俺を置いていくなぁ~~っ!」
俺を置いてきぼりしてさっさと先に駆けて行くルコールの後を、俺は慌てて
追い駆けて行き、この洞窟の出口へと向かう。
―――それから数十分後。
「お~い、レンヤ~!あそこの先に見えるT路地を右に抜け、三つ目の左を
曲ってそのまま真っ直ぐに通路を抜けると、その先に外へ出る為の出口が
見えてくるよ~♪」
お日様の様な笑顔のルコールが、レンヤに向かって手を大きく振りながら
そう述べると、再び猛ダッシュで出口のある通路へと駆けて行く。
「ハァハァ...ち、ちょっと待ってくれぇ...ぇ...マ、マジで待ってくれって。
は...速い......ハァ...ハァ...い、移動速...度が...は、速過ぎる...ってぇぇえ!
お、おっさんと若者の走るスピードを...い、一緒にする...な......ハァハァ」
衰える事のないスピードで出口に駆けて行くルコールに、体力の限界を
完全に越えた俺は、右~左~とフラフラな動きで愚痴と文句をこぼす。
ま、まったく...あ、あの部屋から...ハァハァ...ど、どれだけ...ハァ...
は、走ってきたって...ハァハァ...お、思って...いるんだ.......っ!
さ、三十分だぞ!
三十分っ!!
「ハァァァアアッ!もう、限界だあぁぁぁあああっ!!」
俺は腕に装備していた時計を見て時間を確認すると、吐き気にも似た
溜め息が思いっきり口から洩れると、地面に腰を落として休憩する。
「もう!レンヤはだらしないなぁ~!大体、歳で言うんなら、あたしは
今年で五百十六歳だから、レンヤより圧倒的に年上なんだからねっ!」
「はあ!!お前、ご、五百十六歳のババァの癖に、そんな乙女チックな
格好をしてんの?うわ~めっちゃ恥ず――――ウギャッ!!?」
ルコールの歳を聞いてケラケラと笑う俺を見ると同時に、ルコールが眉を
ヒクヒクさせながら大きくジャンプすると、俺の腹に目掛けてドロップ
キックを炸裂させる。
「女性の歳やファッションを笑うなんて失礼極まりないぞ、レンヤッ!
ベェェエ~~だっ!」
そして不機嫌全開の顔で、ルコールは俺に向かって思いっきりアカンベーを
してきた。
いてて...
ルコールにとって、今の発言は禁句だったか。
まぁ確かに俺もそんな歳の癖にってよく言われて、めっちゃ腹を立てて
いったっけか。
しかしルコールの奴め、五百歳過ぎてるっていうのに、あんなにも
若々しいのか。
ダァァァ!羨ましいぃぃぃぃいっ!!
俺なんか、あいつの歳の約二十分一で、このガタガタ身体なんだぞ!
目の前で元気いっぱいにプンプンと怒っているルコールと、疲れ果てて
地面に転がり、肩でゼェーゼェーと息をしている自分とを見比べ、
悲しいまでに憐憫な気持ちへと陥ってしまう俺だった。
「たはは...ゴメン、ゴメン。この姿での力加減がいまいち掴めて
なくってさ♪」
ルコールが苦笑しながら頭をポリポリと掻いて、気絶から回復した
俺に対し、言い訳な苦しい謝罪をしてくる。
「それで殺されかけりゃ世話ないわっ!」
.....ったく、まぁいい。
「それよりも、宝を貰うっていう目的も済んだ事だし、さっさとここから
脱出するとしようか!」
そろそろ、この目に青空を焼きつけてやりたいしな。
「...という訳なので、外に出る為の道案内をよろしむ頼んだぞ、ルコール!」
俺がルコールにそう声を掛けると、
「オッケー、任せてレンヤ!それじゃ早速、お外へとレッツラゴーだよ~♪」
ルコールはニコッとした笑顔を浮かべてサムズアップをビシッと決めると、
部屋の門に向かって猛ダッシュでスタタと駆けて行く。
「ちょっ!?待てよ、ルコール~!肝心の俺を置いていくなぁ~~っ!」
俺を置いてきぼりしてさっさと先に駆けて行くルコールの後を、俺は慌てて
追い駆けて行き、この洞窟の出口へと向かう。
―――それから数十分後。
「お~い、レンヤ~!あそこの先に見えるT路地を右に抜け、三つ目の左を
曲ってそのまま真っ直ぐに通路を抜けると、その先に外へ出る為の出口が
見えてくるよ~♪」
お日様の様な笑顔のルコールが、レンヤに向かって手を大きく振りながら
そう述べると、再び猛ダッシュで出口のある通路へと駆けて行く。
「ハァハァ...ち、ちょっと待ってくれぇ...ぇ...マ、マジで待ってくれって。
は...速い......ハァ...ハァ...い、移動速...度が...は、速過ぎる...ってぇぇえ!
お、おっさんと若者の走るスピードを...い、一緒にする...な......ハァハァ」
衰える事のないスピードで出口に駆けて行くルコールに、体力の限界を
完全に越えた俺は、右~左~とフラフラな動きで愚痴と文句をこぼす。
ま、まったく...あ、あの部屋から...ハァハァ...ど、どれだけ...ハァ...
は、走ってきたって...ハァハァ...お、思って...いるんだ.......っ!
さ、三十分だぞ!
三十分っ!!
「ハァァァアアッ!もう、限界だあぁぁぁあああっ!!」
俺は腕に装備していた時計を見て時間を確認すると、吐き気にも似た
溜め息が思いっきり口から洩れると、地面に腰を落として休憩する。
「もう!レンヤはだらしないなぁ~!大体、歳で言うんなら、あたしは
今年で五百十六歳だから、レンヤより圧倒的に年上なんだからねっ!」
「はあ!!お前、ご、五百十六歳のババァの癖に、そんな乙女チックな
格好をしてんの?うわ~めっちゃ恥ず――――ウギャッ!!?」
ルコールの歳を聞いてケラケラと笑う俺を見ると同時に、ルコールが眉を
ヒクヒクさせながら大きくジャンプすると、俺の腹に目掛けてドロップ
キックを炸裂させる。
「女性の歳やファッションを笑うなんて失礼極まりないぞ、レンヤッ!
ベェェエ~~だっ!」
そして不機嫌全開の顔で、ルコールは俺に向かって思いっきりアカンベーを
してきた。
いてて...
ルコールにとって、今の発言は禁句だったか。
まぁ確かに俺もそんな歳の癖にってよく言われて、めっちゃ腹を立てて
いったっけか。
しかしルコールの奴め、五百歳過ぎてるっていうのに、あんなにも
若々しいのか。
ダァァァ!羨ましいぃぃぃぃいっ!!
俺なんか、あいつの歳の約二十分一で、このガタガタ身体なんだぞ!
目の前で元気いっぱいにプンプンと怒っているルコールと、疲れ果てて
地面に転がり、肩でゼェーゼェーと息をしている自分とを見比べ、
悲しいまでに憐憫な気持ちへと陥ってしまう俺だった。
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