幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する

あおアンドあお

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閑話 幼馴染の後悔

1話・その頃、サキナとニーナは?

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遡ること、ザックがエクトス学園に転入するべく旅立った日。


「それじゃ、お母さんいってきまぁ~す!」

ザックの幼馴染のサキナが母親にいってきますの挨拶をした後、カバンを手に
取り、そして元気よく家から出て行く。

「うふふ♪今日もザックの奴にロード君のカッコ良かった所をタップリと
聞いてもらわなきゃ!」

サキナはいつもの様に隣の家...ザックの家に向かうと、玄関のドアを数回
コンコンとノックする。

「あ、あれ?返事がないな?」

「ああ。さてはザックの奴、まだグースカと寝ていやがるな!」

もうしょうがないんだから。

「どれどれ。可愛い幼馴染のこのサキナ様が、寝坊助さんを起こして
あげるとしますか♪」

サキナが「やれやれ、しょうがない奴だなぁ~」と苦笑いをこぼしつつ、
ザックの家の合鍵が隠してある植木ばちを退かす。

...が、

「あ、あれ?合鍵が......ない?」

どういう事?

もしかしてザックの奴、合鍵の隠し場所を変えた?

私が見当たらない合鍵に、ハテナ顔をして首を傾げていると、

「おや?そこにいるはサキナちゃんじゃない?おはよう~♪」

ザックの親戚のお姉さん、ユキコさんが私に声をかけてきた。

「あ!ユキコさん、おはようございます!」

「それでこんな朝っぱらから、そんなところで何をしていたの?」

「えっとですね。ザックを呼びに来たんですが家に鍵が掛かっていて、
それを開ける為に合鍵探していたんですが、それが見当たらなくて...」

「合鍵?ああ、それだったら、ザックが回収して私が受け取っているよ?」

「え?ユキコさんが?」

「うん。ほら、これでしょう?」

ユキコさんはそう言うと、持っていた合鍵をサキナに見せる。

「その鍵についてあるホルダー、間違いなくここに置いてあった合鍵!
で、でもどうしてもユキコさんがそれを?もしかしてザックの家に
何か用事ができて、あいつから一時借りたとかですか?」

「まぁ...確かに用事といえば用事なのかな?実はね、この家の管理をザック
から頼まれちゃってさ!」

「へ?い、家の管理を?それって、一体どういう意味でしょうか?」

「あ、あれ?も、もしかして、あいつから何も聞いていないの?」

「き、聞いていないって...何を......ですか?」

ハテナ顔をしているユキコに、サキナが困惑した顔でそう訊ねる。

「ああ、そっかぁ.....何も聞かされていないんだね?たはは...なるほどねぇ。
それがあいつなりの最後の...意地のプライドってやつか......」

まぁ、分かるっちゃ、分かるけどねぇ。

サキナの言葉を聞き、ユキコが何かを察したのか、ウンウンと首を小さく縦に
振って納得顔を見せる。

「あいつなりの?意地のプライド??そ、それって、一体どういう意味ですか?
そ、それに管理って...!?お、教えて下さい、ユキコさんっ!」

「う~ん、そうだねぇ。簡単に説明するなら、プライドっていうのはあんた達に
恋人ができたから。そして私がこの家を管理するのは、あいつがこの家を離れた
から...かな?」

「えっ!?」

「あ!因みに、あいつはもうここには帰ってくる事はないと思うよ?」

「――なっ!?か、帰ってこない!?ザックが…ですかっ!そ、それは何故!?
どうしてなんですか、ユキ――――」

「―――それは自分の胸にでも問うてみなさいな、サキナちゃん。......って
いうか、もういいかな?正直あいつの事を弟として可愛がっていた私として
はね、あんな振り方をしたあなたとなんか、一秒足りとも話もしたくないし、
顔も見たくないんだよねぇ~!」

ユキコはこれ以上、サキナの戯れ言なんか聞きたくないとばかりの冷たい目と
不愉快そうな表情でサキナの言葉を遮ってそう言い放つと、そのままザックの
家の中に入って行った。

――え?

――へ?

ど、どういう意味なの??

ザックが...ザックの奴が、ここにもう帰ってくる事がないってっ!?

な、何でだよ!?

だって昨日までそんな素振り、一回も見せていなかったじゃないかっ!?

な、なのにどうして...


『それは自分の胸にでも問うて見なさいな』

じ、自分の胸に........

私はユキコさんの言った様に胸に手をソッと当てると、ザックが去るまでの
行動を思い出していく。

...........あ、


ザックのこの表情...全く笑っていない!?

それどころか、あいつが私達にいつも向けてくれていた笑顔、それを近頃
全然見ていない!?

「わ、私が...ロード君の事ばかり......だ、だからあいつ......関心も...興味も
無くして...私達の下から......去って......そ、そうなんだ.........ねっ!?」


―――私がそれを理解した瞬間、


私の心に言葉では言い表せない何かの重圧感が、ズシッとのし掛かってきた。

そしてその重圧感に堪えられなくなってしまった私の心は、最早何も考えたくないと
ばかりに思考を掻き消していき、私の目の前を真っ白へと変えていく。

その後、私は愕然とした表情で両の膝を地面にガクッと落とすのだった。

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