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第一章 カルディナ王国編
第15話 アルテミス、剣術の稽古を見学する
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算術のテストは、三十問の計算問題で、予想通り私は、簡単に解けた。
内容は、小学校一年生で習うものばかりだったので私はスラスラ解けて、当然全問正解。
王太子殿下も苦戦して、時間がかかってしまった問題もあったみたいだけど、全問正解できていた。
「全問正解出来たのは嬉しいが、四才年下のアルテミスより遅かったのは悔しいな」
まあ、小学校一年生の問題だったし、私には前世という下地があるからね。
「王太子殿下。確かに早く答えを導き出せることに越したことはないですが、早くても間違いだらけでは意味がありません。
決められた時間内であれば、どんなに時間を使おうとミスなく正解を導き出せることが大切なのです。
早さはその後です。何度もやっていけば、応用問題であったとしても慣れて、早く正解にたどり着くことができるようになります。
それは、国王や王太子として国の政をする上でも同じですよ」
「そうなのか」
「確かにな。迅速な対応が必要なこともあるが、早ければいいというわけではないな。
例えば災害対策で早くても愚策であれば、対策が機能しなかったり、機能しても別の被害に繋がり、国民が困ることになるからな」
王太子殿下は今一ピンときていないようだが、国王陛下はちゃんとわかっているようだ。まあ、当然ではあるのだけどね。
そうでなければ、国を繁栄させてこれるわけないからね。
「しかしアルテミスは、本当に私より年下なのか?
アルテミスもハイエルフなのだろう。
エルフ族は見た目より実際はかなり年上であるらしいからな。
私が今一理解できないような説明をしたりと私より年上の者と話しているように感じるのだが……」
「確かにお父様もお母様も国王陛下や王妃殿下お二人と同年代くらいの容姿ですが、三〇〇歳を超えてます。でも私は正真正銘の六歳児ですよ」
三十代の容姿で三〇〇歳超えているとかハイエルフって凄いよね。
因みに普通のエルフは三十代くらいの容姿だと一〇〇~一五〇歳くらいらしいです。
「あと王太子殿下。子供ならいいですけど、女性に年齢を聞いたりとかあまりしない方がいいですよ。
そういうのを気にして嫌う人もいますから」
「「「「確かに」」」」
大人たちが私の発言に同意した。
算術の勉強が終わったので、剣術の稽古となり、私は王太子の稽古を見学している。
「えい……えい……えい」
まずは、素振りからのようだ。
「殿下。脇が開いてますぞ。脇を締めてください」
「わかった」
「そうです。あと少しです」
意識して、しっかりやらないと同じ動作の繰り返しだから回数を重ねていくと脇が開いたり、背筋が曲がったりなど正しい素振りができなくなってくるだよね。
「次は、模擬戦をしましょう」
「模擬戦!!」
私は模擬戦と聞いて、つい叫んでしまった。
王太子殿下が素振りをしている時から体を動かしたくてウズウズしてきていたのだ。
素振りは、朝夕の日課になっているから今朝もやってきたが、模擬戦はお父様がお仕事などで家に居ないことが多いので、たまにしかやってもらえないのだ。
「お嬢ちゃん。どうしたんだ?いきなり叫んだりして」
「模擬戦と聞いてやりたくなってしまったので、つい……」
「やりたいのかもしれないが、その格好ではな……それにまだ小さいし無理じゃないかな」
「素振りは毎日やってますから大丈夫です」
「わかった。わかった。来るのは、今日だけじゃないんだろう?」
私はその問いに頷いた。
「じゃあ、次回来るときは、剣術のできる動きやすい服を持ってきない。
次回から殿下と一緒に見てあげるから」
「はい。わかりました」
やった!!次回から参加できる。
それを見ていた国王陛下たちは、ちょっと呆れ気味であるが、そんなことは気にしない。
「アルテミスを見ていると妹を思い出すな」
「国王陛下の妹さんも剣をやっていたのですか?」
「そうだ。私に着いてきて、一緒に剣を振ったり、投げ技、絞め技など関節技を極めてきたりしてお転婆な妹だった。
今は嫁いで、お淑やかになったと聞いておるがな」
興味が湧いて、国王陛下の妹さんの話を色々聞かせてもらった。
「今日はこれで終わりです。殿下、お疲れさまでした」
国王陛下の話しに夢中になっている間に模擬戦が終わってしまい、王太子殿下の模擬戦の様子は最初の方しか見れなかった。
お父様が迎えに来たので帰ることになり、機会があれば、国王陛下の妹さんに会ってみたいなと思いながら王城を後にした。
内容は、小学校一年生で習うものばかりだったので私はスラスラ解けて、当然全問正解。
王太子殿下も苦戦して、時間がかかってしまった問題もあったみたいだけど、全問正解できていた。
「全問正解出来たのは嬉しいが、四才年下のアルテミスより遅かったのは悔しいな」
まあ、小学校一年生の問題だったし、私には前世という下地があるからね。
「王太子殿下。確かに早く答えを導き出せることに越したことはないですが、早くても間違いだらけでは意味がありません。
決められた時間内であれば、どんなに時間を使おうとミスなく正解を導き出せることが大切なのです。
早さはその後です。何度もやっていけば、応用問題であったとしても慣れて、早く正解にたどり着くことができるようになります。
それは、国王や王太子として国の政をする上でも同じですよ」
「そうなのか」
「確かにな。迅速な対応が必要なこともあるが、早ければいいというわけではないな。
例えば災害対策で早くても愚策であれば、対策が機能しなかったり、機能しても別の被害に繋がり、国民が困ることになるからな」
王太子殿下は今一ピンときていないようだが、国王陛下はちゃんとわかっているようだ。まあ、当然ではあるのだけどね。
そうでなければ、国を繁栄させてこれるわけないからね。
「しかしアルテミスは、本当に私より年下なのか?
アルテミスもハイエルフなのだろう。
エルフ族は見た目より実際はかなり年上であるらしいからな。
私が今一理解できないような説明をしたりと私より年上の者と話しているように感じるのだが……」
「確かにお父様もお母様も国王陛下や王妃殿下お二人と同年代くらいの容姿ですが、三〇〇歳を超えてます。でも私は正真正銘の六歳児ですよ」
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因みに普通のエルフは三十代くらいの容姿だと一〇〇~一五〇歳くらいらしいです。
「あと王太子殿下。子供ならいいですけど、女性に年齢を聞いたりとかあまりしない方がいいですよ。
そういうのを気にして嫌う人もいますから」
「「「「確かに」」」」
大人たちが私の発言に同意した。
算術の勉強が終わったので、剣術の稽古となり、私は王太子の稽古を見学している。
「えい……えい……えい」
まずは、素振りからのようだ。
「殿下。脇が開いてますぞ。脇を締めてください」
「わかった」
「そうです。あと少しです」
意識して、しっかりやらないと同じ動作の繰り返しだから回数を重ねていくと脇が開いたり、背筋が曲がったりなど正しい素振りができなくなってくるだよね。
「次は、模擬戦をしましょう」
「模擬戦!!」
私は模擬戦と聞いて、つい叫んでしまった。
王太子殿下が素振りをしている時から体を動かしたくてウズウズしてきていたのだ。
素振りは、朝夕の日課になっているから今朝もやってきたが、模擬戦はお父様がお仕事などで家に居ないことが多いので、たまにしかやってもらえないのだ。
「お嬢ちゃん。どうしたんだ?いきなり叫んだりして」
「模擬戦と聞いてやりたくなってしまったので、つい……」
「やりたいのかもしれないが、その格好ではな……それにまだ小さいし無理じゃないかな」
「素振りは毎日やってますから大丈夫です」
「わかった。わかった。来るのは、今日だけじゃないんだろう?」
私はその問いに頷いた。
「じゃあ、次回来るときは、剣術のできる動きやすい服を持ってきない。
次回から殿下と一緒に見てあげるから」
「はい。わかりました」
やった!!次回から参加できる。
それを見ていた国王陛下たちは、ちょっと呆れ気味であるが、そんなことは気にしない。
「アルテミスを見ていると妹を思い出すな」
「国王陛下の妹さんも剣をやっていたのですか?」
「そうだ。私に着いてきて、一緒に剣を振ったり、投げ技、絞め技など関節技を極めてきたりしてお転婆な妹だった。
今は嫁いで、お淑やかになったと聞いておるがな」
興味が湧いて、国王陛下の妹さんの話を色々聞かせてもらった。
「今日はこれで終わりです。殿下、お疲れさまでした」
国王陛下の話しに夢中になっている間に模擬戦が終わってしまい、王太子殿下の模擬戦の様子は最初の方しか見れなかった。
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