転生少女は自由気ままに今世を楽しむ

紅 蓮也

文字の大きさ
24 / 24
第一章 カルディナ王国編

第23話 アルテミス、おねだりする

しおりを挟む
 家に帰ってから直ぐに昼食となったのだが、イリスとルクスはお母様の山盛りの手料理をバクバク食べていたが、残してはまずいので無理矢理口に詰め込んで残しはしなかったがお腹いっぱいで動けない状態だ。

 イリスは肉の串焼き二本、ルクスは魚の串焼き二本だし、あれだけの量でお腹が膨れるわけないもんね。

 それとは違い私は、肉の串焼き二本に魚の串焼き一本だから十分にお腹は膨れるので、微妙な時間に食べたこともあり、そりゃあお昼ごはんを食べきるのに苦戦するのは当然のことである。

「お母様、お願いがあるのですが……ゲプゥ」

 おっと危ない。食べたものがゲップと一緒に逆流して出そうになった。

「アルテミス、汚いわよ。それでお願いって何かしら?」

「ごめんなさい。ナダルさんのお店に行ったら刀が売っていたの、でも私には長過ぎて扱えないから買わなかったんだけど、そうしたらナタリアさんからドワーフがやっているドワドワっていう武器屋なら私にあった刀を打ってくれるって教えてもらったんだよ。
 だから刀が欲しいんだけど買ってくれないかな?」

「そうね。アルテミスも冒険者登録したし、そっちのことをやりたいのですもんね。
 私は構わないけど、カエサルが帰ってきたら頼んでみて、OKだったら買ってあげてもいいわ」

「やった!ゲプゥ お父様が帰ってきたら頼んでみます。ゲプゥゲプゥ」

 今回のは本当にヤバかった。喉ちんこ辺りまで逆流してきた。嬉しさのあまりハシャぎすぎた。

「アルテミス!!」

「ごめんなさい」

 早くお父様帰ってこないかな♪申し訳ないけど、こんなにもお父様の帰りを待ち遠しい思ったことはないだろう。


 日が暮れた頃お父様が帰って来た。

「お父様、おかえりなさい。まだ夕ご飯できないから一緒にお風呂に入りましょう」

「アルテミスが私とお風呂に入りたいなんて珍しいな。何かお願い事でもあるのかな?」

 そりゃあ……直ぐにバレるよね。一人で入るかお母様と一緒に入るかのどちらかな娘が一緒に入ろうなんて誘ってくれば。

「そうだけど、その話はお風呂の中でする。
 因みにお母様からはOKをもらい、お父様が許可してくれたから良いって言われました」

 お母様はOK出してくれたけど、お父様はどうなのとまだ何も説明しないうちから言った。
 お母様が言いっていたのにお父様はダメなんて言わないよねという意味を込めて。

「話はお風呂の中でだろう。ご飯できちゃうと行けないから早くお風呂に入っちゃおう」

「は~い」

 私はお父様と一緒にお風呂に行き、脱衣所で服を脱ぎ、頭と体を洗って湯船に浸かった。

「それでお願いってなんだい?」

 そうお父様から聞かれたので、お母様にした同じ説明をお父様にもした。

「なるほどね。アルテミスは森によく行くし、イリスやルクス、森にいるアルテミスのお友達の魔獣や魔物、動物がいるから安全ではあるけど、そうじゃない魔獣や魔物、動物もいるから武器は必要かもね。
 私も許可するよ。明日休みだし武器屋に行こう」

「やった~!!」

「嬉しいのはわかるけど、そんなハシャガないで、顔にお湯がかかる。ウグゥ」

「お父様ごめんなさい」

 ハシャぎすぎた私を注意していたお父様の下顎に嬉しくて湯船の中で拳を上げたり下げたりして跳び跳ねていた私の拳がクリーンヒットした。

 痛そうにしているお父様に一応謝りはしたが、私の心は刀を買ってもらえる嬉しさでいっぱいである。
しおりを挟む
感想 8

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(8件)

オラトリオ
2022.03.25 オラトリオ

23話、そんなにハシャがいないでとあるが、ハシャガないの間違いではないですか。いが余計です。

2022.03.25 紅 蓮也

複数のご指摘ありがとうございました。

修正いたしました。

解除
オラトリオ
2022.03.25 オラトリオ

23話、お父様が許可してくれたら言いと言われましたとあるが良いと言われましたの間違いではないですか。

解除
オラトリオ
2022.03.25 オラトリオ

23話、ドワーフがているドワドワっていう武器屋とあるが、ドワーフがやっているドワドワっていう武器屋の間違いではないですか。

解除

あなたにおすすめの小説

【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する

ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。 きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。 私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。 この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない? 私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?! 映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。 設定はゆるいです

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる
ファンタジー
「あなたの石、屑石じゃないの!?魔力、入ってらっしゃるの?」 ええよく言われますわ…。 でもこんな見た目でも、よく働いてくれるのですわよ。 この国では、13歳になると学校へ入学する。 そして1年生は聖なる山へ登り、石場で自分にだけ煌めいたように見える石を一つ選ぶ。その石に魔力を使ってもらって生活に役立てるのだ。 ☆この国での世界観です。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。