捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也

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本編

第49話 国王陛下とエリック宰相カレーライスを食す

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「アイリスよ。カレーライスとなんじゃ?」

「カレーライスは、スパイスや薬草、野菜、肉を炒めてから煮込んだ料理をライスにかけたものです」

「ライスとはなんだ?聞いたことがないぞ」

「ライス草を炊いたものですよ」

 あれ?国王陛下たちに説明していなかったかな?

 転移で王城に来るから、王都の街に行くことはないから、王都でも食べられるようになっているかわからない。

 でもエリック宰相様の領地は、アリステラ公爵嶺の隣だからファミーユから入ってきてたりしているはずだから、国王陛下に話していたりしないのかな?

「ライス草だと!!あれは、何処にでも生えているが、不味くて食べられないから、家畜の餌にしか使われておらんじゃろう」

 ああ、村に行った初日が懐かしい。
 あの時と同じ発言を国王陛下がしたということは、王都には、まだ入ってきてないんだね。

「ファミーユでは、みんな美味しいと食べていますよ。
 そのままだと時間がかかり、ちゃんとやらないとうまく炊けないので、精米すれば誰でもおいしく炊けますよ。
 ハルムート領から来る行商たちに炊き方とか教えてあげたので、エリック宰相様は知ってものだと思っていました」

「そうなのか。エリック、どうなのだ!!」

「私は、ずっと王都にいますからね。領地の方は、リカルドに任せておりますからね」

 二人ともご飯の美味しさを知らないみたいですから、食べてもらうのが一番ですね。

「あの昨日作ったカレーがありますが食べられますか?」

「「いただこう(きましょう)」」

(カレーあるの。僕も食べたい)

(私もいただきたいです)

「今日の朝食は、カレーライスではなかったが、カレー残っていたのか」

 一晩寝かせた二日目のカレーの方がまろやかになって美味しいと言われたりもするって教えたら、ゾイルさんが多めに作ったからね。

 皆が、たくさんおかわりしても鍋二つ分余るくらいに……

 余ったカレーはゾイルさんやマキさんの賄いにするって言っていたので、作りたての熱々カレーはもちろん分けてもらって無限収納に入れた。


 あと、まだ皆が寝静まっている早朝に厨房に行き、遮断結界を張り匂いが広がらないようにして、私の取り分の一晩寝かせたカレーの入った鍋一つをスパイスと薬草を加えて加熱して、そちらも無限収納に入れておいた。


「うん。昨日、多めに作ったから余っているよ。
 ゾイルさんとマキさんが賄いにするって言っていたけどカレーは匂いが強いから今頃、屋敷でも騒ぎになっているかもね」


 皆、カレー気に入ってくれて、また食べたいと言っていたからね。


 まあ、よく食べるルシフェル、スノーは、私と一緒に来ているから、賄いとしてゾイルさんとマキさんの二人で食べきるには量が多いだろうから、皆で仲良く、昼食にカレーを食べることになっているだろう。


「一晩寝かせたカレーの方が美味しいって言われているんだよ。まろやかになるからだと思うけどね。
 スパイシーなカレーが好きなら作りたて、スパイシまろやかなカレーが好きなら二日目のカレーって感じかな」

「なんだと!!なぜ今日の朝食に出さなかったのだ」

「時間が経つと香りが劣化しちゃうからだと思うよ。
 あと食中毒とか気にして、出せなかったんじゃないかな貴族家だから大変なことになるから……」


 これは事実で、一晩置くと香りが劣化するので、スパイスや薬草など香りを足す必要があるし、二日目のカレーは美味しいと言われるが、夏はもちろん、冬でもカレーは常温で保存した場合は、食中毒のリスクが高くなる。


 なので、粗熱をとって冷蔵庫で保存することと、そのままでも食べれるけど、加熱する時にスパイスや薬草を入れて香りを足してねとゾイルさんとマキさんには言っておいた。

 決して、ゾイルさんとマキさんが賄いで食べたかったからとは言えないけど……

「国王陛下とエリック宰相様には、作りたてと一晩寝かせたカレーの二つのカレーをお出ししますね」

 そして皆で、ダイニングルームに移動してた。

 食事をするところではあるけど、王城内でカレー臭がしたりしたらまずいと思い、遮断結界を張って、部屋にカレーの匂いがつかないようにした。


 ご飯をよそった四つのお皿にカレーをかけて、国王陛下とエリック宰相様に渡し、次に二日目カレーをルシフェル、スノー、グレン、私の分よそい、スパイシー派のサクヤには作りたての方をよそって食べ始めた。


「どうですか?国王陛下、エリック宰相様」

「スパイスが使われているから刺激があってうまいな。私は、作りたての方が好みだ」

「作りたても美味しいですが、私は余り辛いものが得意ではないので、まろやかになった一晩寝かせたカレーの方が好きですね」

 国王陛下はスパイシー派で、エリック宰相様はまろやか派か。

 ルシフェルとスノーは、脇目も振らず食べ、二日目カレーをおかわりしまくっている。

「ライス草もちゃんと炊けばうまいのだな。
 何処にでもあるし、やり方を教えてくれ」

 そして、村に行って一番最初に作った精米機を出して、精米の仕方から炊き方まで教えた。

 国王陛下は、精米機作らせて米と一緒に広めるそうなので、国中でご飯が食べられるようになったらいいなと思う。

 精米機は、大きいので各家庭だと邪魔なので、大都市とかは十数ヶ所くらい、小さな町とかは二ヶ所くらい設置したらいいと提案しておいた。

 そして、用事もすんだので、私たちは屋敷に帰った。
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