捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也

文字の大きさ
57 / 114
本編

第54話 戦利品を持って帰還

しおりを挟む
 「ルシフェルも皆も、どうだった?」

「我は、上々だぞ」

「私たちは、お二人のように収納魔法使えないので、持って帰る量だけ狩ってきました」

 そっか。もっと狩れたけど、収納魔法使えないから狩っちゃうと無駄になっちゃうので、止めたんだろうね。

 ギルド支部ができて、冒険者稼業をするみたいだからアイテムバッグとかプレゼントしようかな。

「じゃあ、帰ろうか」

「はい。魔国を離れて、二週間しか経ってないのに久しぶりに来た感じがしましたね」

 なんだろうね。その感覚。元々住んでいたところを離れて、新たな地に住むようになって、ちょっとしてから行ってみるとそんなに経ってないのに久しぶり感じることがあるよね。

 私も初めて村に来てから一年経っていないのにずっと前からいる感じするもん。

 そして、みんなでファミーユの町に帰還した。

「まずは、カイル兄様に報告だよね。ルシフェルは着いてきてね。皆は、町の皆にお肉を分けてあげてね。これあげるから」

 そう言って、皆にアイテムバッグをプレゼントし、彼らが狩った魔獣や魔物以外に私やルシフェルが狩った魔獣や魔物も一部、アイテムバッグに入れて皆に町の各家庭に配ってもらうことにした。

「魔物の素材は、ドワーフ族に渡せば喜ばれるし、いい武器や防具になるみたいだし、素材で自分達の武器や防具を作ってもらってもいいわよ」

「はい。そうさせてもらいます。自分たちで狩った魔物で武器を作ってもらうつもりです。
 アイリス様が狩った魔物の素材は、ドワーフ族に提供するつもりです」

「そうなの?私やルシフェルが狩った魔物の素材で、武器や防具を作ってもいいのよ」

「いえいえ。特にアイリス様が狩られた魔物は、希少な物ばかりですので、ドワーフ族に頼んで、武器に加工してもらい、アリステラ公爵家に献上しようと思っております」

 私が狩った魔物は、希少な魔物ばかりなんだ。
 魔物は、初めて見たから見つけ次第狩っていたから、よくわからなかったんだよね。

「じゃあ、アリステラ公爵家に献上する用ともう一つ頼んでいいかな?
 一番希少な素材で作ったのは、国王陛下に献上しようと思うんだ」

「それがいいな」

「わかりました。ドワーフ族にそのように伝えておきます」

 そして彼らと別れて、私とルシフェル、グレンは屋敷に向かった。

 スノーは、町の子供たちと遊びたいから、彼らと一緒に行くみたいだ。

「ただいま。カイル兄様は、執務室にいるのかしら?」

「おかえりなさいませ。アイリスお嬢様。領主様は
 、サクヤ様と一緒に執務室にいらっしゃいます」

「わかったわ。ありがとう。アリス」

 アリスに礼を言って、執務室に向かった。

「カイル兄様。アイリスです。入りますね」

「アイリスか。どうだった?魔族たちの様子は?」

「はい。皆、町にも慣れてきて楽しんでいるみたいです」

「そうか。それはよかった」

「あと、狩りに行くというので、私も着いて行って、ルシフェルや魔族たちと一緒に魔国で魔獣や魔物を狩ってきました」

 重要なことだから、早い段階で報告しといた方がいいもんね。

 そういうことは、早く言いなさいとか言われるのも面倒だしね。

「魔国に行ったのか?」

「はい。ギルド支部が出来る前に少し調査しておいた方がいいと思いましたから、ルシフェルの提案に乗りました」

 私が言い出したことではないことをアピールする。

「それは、魔国にいたルシフェルや魔族たち、サクヤから聞けば済むことだと思うのだが……」

「聞くだけより、直接見た方がいいと判断しました」

 どうにか正当性を認めさせないとね。

「魔国になら、魔族たちを説得に行くのに二週間前にも行ったと思うけど?」

「あの時には、調査が目的ではなかったので、森にはほとんど入りませんでしたから……」

「そうか。そういうことにしておこう」

 よし!なんとか納得してもらえた。

「僕の住んでいた家は、森の最深部に近いところにあったし、僕と再会してからも、それなりに魔獣や魔物を狩っていたと思ったけどな」

 サクヤ!!折角、カイル兄様が納得してくれたのに余計なことを言わないでもらいたい。
しおりを挟む
感想 152

あなたにおすすめの小説

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -

花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。 魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。 十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。 俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。 モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。

スラム街の幼女、魔導書を拾う。

海夏世もみじ
ファンタジー
 スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。  それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。  これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。

処理中です...