もう1人の自分は召喚獣でもないただのカフェオレだった件

じゅうや

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6. 剣豪タキオン

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  シロップ村に来てから1週間が経った。宿のおじさんがしばらくは無料で部屋を貸してくれるとのことで、宿屋で寝泊まりさせてもらってる。食事もあるので凄く甘えさせてもらっている。と言っても俺の見た目がトルー(もう1人の俺)にそっくりで、彼から話を聞いてる村の人たちは俺たちの事情を察してくれて、ここまで優しくしてくれてる。ほんとに感謝しかないし、この生活も結構楽しい。


……この鬼稽古が無ければな…。

「オラァ!シン!もう5日経つぞ!そろそろ上手くなれよぉ!」
「はあ…はぁ…きっちぃなおい…」
「そらぁ!いくぞぉ!」

 ここに来てから俺は、剣術を身につけるため、タキオンという人物に稽古をつけてもらっている。村長の側近であるタキオン…どうやら剣豪タキオンという名で通ってる凄い人らしい。

 剣なんて今まで触ったことすらなかった俺にとって怒涛の日々を過ごしていた。そしてこれからも、この日々が続くのだろう。だが、生き抜くためにはなんとしても剣術を身につけたい。なんせ狙われてる身だからな。ははっ。

「シン、身のこなしはそこらの奴より良いなぁ。あとは運が良いことに、お前は風の神に愛されてる。上手く活用すればそのうち良い剣技が生まれるぞ」
「マジ?初めて褒められたぜ…それに、剣技か…」
「ピンとこねえなら見せてやる」

 訓練所となっている広い平地の中でタキオンは、俺とは違う方向に向き剣を構えた。すると、彼の周りからは異様な空気が漂い始め、やがてそれは目に見えるオーラと化して、刀身に宿った。

「はっ!!!!」

一刀両断。

眼前には眩いほどの光の衝撃波が放たれていた。

 約100メートルくらいの跡が地面についていて、そこから煙が生じている。これが剣技というやつか…ゲームでよく見るやつを目の当たりにしたので、オドロキで空いた口が塞がらない。

「これは衝撃波を出す光の剣技…スラッシュだ。」
「名前にしてはとんでもない威力出てたな」
「まあレベリング次第だ、お前も経験を積んで強くなれ」
「おっす!」
「2人とも~ご飯作ったよ!」
「よし、休憩にすっぞ」

 村の大衆食堂の女将さんが差し入れを持ってきてくれたので休憩。その後もみっちり訓練をしたのであった。


━━━━


夜になり、宿に戻る。引きこもってたカフェオレの魔人が出てくる。

「剣技か~相棒はまだ習得出来なそうだな」
「そうだな~そいえばお前って肩にいるはずなのに皆から認知されてないよな?なんでだ?」
「このカップやオレの姿は相棒にしか見えない。魔力と魂は感じることが出来るから、皆は相棒の中に俺がいるっていう認識のはずだ」

 俺の中に2つの魂が存在してるということになってるのか。二重人格的な?

「なるほど、もう1人の僕ぅ!みたいな感じだな」
「よく分からんがそういうことだ」

 俺達は今日もたわいもない会話をしていた…数日後に災厄がくるということは、その時の俺たちは…知る由もないのだ。
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