君にとって花火は何色ですか?

じゅうや

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7.お互いの日常

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隅田さんに出会ってから1週間以上経った今日この頃。

7月29日。俺は__

大学の期末テストで苦しんでいる。

 よくある話だが大学2年生は、サークルに、遊びにバイトにと、講義をサボったりし始める、いわばだらけやすい学年である…と自負している。他の人はちゃんと受けているかもしれないから断言はしないでおこう。
 1年の頃の俺は無遅刻無欠席貫いて、無事大学を卒業しようという目標をかかげていたが、もう無理だ。現に今学期ではもう単位を落としている。人って環境さえ整えばこんなにも変わってしまうのか…

 なんとか1つだけで押さえたいので、必死こいて講義のレポート、テスト勉強などをして抵抗している。おかげさまでサークルにも出られず、バイトもあまり出ていないので、ここ数日引きこもり生活をしている。

 テストを終えて、すぐ家に帰って課題のレポートにとりかかる。
大学から自転車で20分くらいのとこにアパートの借りているので、あまり苦労はしない。
さすがに連日、ろくに身体も動かしてないので今日の夜にランニングすることに決めた。
…夏バテになって夏休み初日から良いスタートを迎えれないのは嫌なので。

 時刻は8時過ぎ、無事レポートが終わったので着替えて準備をする。いつも使っている土手のコースがあるので今日もそこをグルっと1週しに行く。ここは電灯が等間隔に並んでいるが、やや暗い。

 この時間になると、仕事が終わった社会人の人たちも走っていて、割と人が多いのでなんだかみんなでマラソンしている気分になる。しばらく走ってない分、疲れも早かったので今日は1週だけにして家に戻る。帰りは途中までは遅いペースで走り、クールダウンしたいので残り半分は歩いて帰る。

 住宅街に入ったところで俺は歩きながら、隅田さんのことを考えていた。あの日以降お互いに忙しく、朝のゴミ出しとかで会った時しか言葉を交わしてない。ラインでもおはようくらいのやり取りしかしてない。そろそろ彼女と一緒にまたお酒を飲みたいなぁ…


「おっ」

「え?」

後ろから声がしたので振り向くと、隅田さんだった。


ドクンと。


ちょうど彼女のことを考えていたので心臓が跳ねてしまった。

「その格好、走ってたの?」
「あ、え、はいまぁ、そうです」


思わずぎこちない返事をしてしまった。


「日頃から走っているの?」
「そうですね、最近はテストと課題に追われたので久々に走りましたけど」
「ふーん…そうなの…ふーん。」


なにか納得いかないのか、それとも考えことでもしているのか。普段の隅田さんは表情に出さないので、良く分からない。

「隅田さんは仕事帰りですか?」
「そうよ、ここ数日は残業で毎日こんな時間よ」
「あー、だから今日もそんなにお酒を」
「こ、これは今日全部飲むわけではないわ!その、買い溜めよ」
「はいはい、分かってます~、そんなに必死に言い訳しなくても~」
「…ふん。」

えぇ、なんで不機嫌になったのこれ…。これもうわかんねえな…。

「そ、その、アンタ…課題とやらは終わったの?」
「えぇ、一応」
「あの、時間あるかしら…?」

これは…飲みのお誘いなのでは…!?

なら答えは決まってる!

「はい!是非ご一緒に!あ、でも俺腹減ってるのでなにか作りますけど食べますか?」
「え、まだなにも言ってないんだけど…」
「え?飲むんじゃないですか?」
「…え、えぇそうよ!だからアンタの家にお邪魔するわ!もう!」

隅田さんはそう言って先に歩いて行った。機嫌が直ったと思ったらまた怒らせてしまったようだが、俺には原因が分からない。






「…なんで分かるのよ、あのガキ…ふん…。いや、ガキでもないのか…ふふっ、まぁいいわ」

仕事での疲れが吹っ飛んだかのように。
スキップしながら彼女は、独り言を言っていた。誰にも…聞かれないように。


__彼にも聞こえないように。
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