7 / 15
7.お互いの日常
しおりを挟む
隅田さんに出会ってから1週間以上経った今日この頃。
7月29日。俺は__
大学の期末テストで苦しんでいる。
よくある話だが大学2年生は、サークルに、遊びにバイトにと、講義をサボったりし始める、いわばだらけやすい学年である…と自負している。他の人はちゃんと受けているかもしれないから断言はしないでおこう。
1年の頃の俺は無遅刻無欠席貫いて、無事大学を卒業しようという目標をかかげていたが、もう無理だ。現に今学期ではもう単位を落としている。人って環境さえ整えばこんなにも変わってしまうのか…
なんとか1つだけで押さえたいので、必死こいて講義のレポート、テスト勉強などをして抵抗している。おかげさまでサークルにも出られず、バイトもあまり出ていないので、ここ数日引きこもり生活をしている。
テストを終えて、すぐ家に帰って課題のレポートにとりかかる。
大学から自転車で20分くらいのとこにアパートの借りているので、あまり苦労はしない。
さすがに連日、ろくに身体も動かしてないので今日の夜にランニングすることに決めた。
…夏バテになって夏休み初日から良いスタートを迎えれないのは嫌なので。
時刻は8時過ぎ、無事レポートが終わったので着替えて準備をする。いつも使っている土手のコースがあるので今日もそこをグルっと1週しに行く。ここは電灯が等間隔に並んでいるが、やや暗い。
この時間になると、仕事が終わった社会人の人たちも走っていて、割と人が多いのでなんだかみんなでマラソンしている気分になる。しばらく走ってない分、疲れも早かったので今日は1週だけにして家に戻る。帰りは途中までは遅いペースで走り、クールダウンしたいので残り半分は歩いて帰る。
住宅街に入ったところで俺は歩きながら、隅田さんのことを考えていた。あの日以降お互いに忙しく、朝のゴミ出しとかで会った時しか言葉を交わしてない。ラインでもおはようくらいのやり取りしかしてない。そろそろ彼女と一緒にまたお酒を飲みたいなぁ…
「おっ」
「え?」
後ろから声がしたので振り向くと、隅田さんだった。
ドクンと。
ちょうど彼女のことを考えていたので心臓が跳ねてしまった。
「その格好、走ってたの?」
「あ、え、はいまぁ、そうです」
思わずぎこちない返事をしてしまった。
「日頃から走っているの?」
「そうですね、最近はテストと課題に追われたので久々に走りましたけど」
「ふーん…そうなの…ふーん。」
なにか納得いかないのか、それとも考えことでもしているのか。普段の隅田さんは表情に出さないので、良く分からない。
「隅田さんは仕事帰りですか?」
「そうよ、ここ数日は残業で毎日こんな時間よ」
「あー、だから今日もそんなにお酒を」
「こ、これは今日全部飲むわけではないわ!その、買い溜めよ」
「はいはい、分かってます~、そんなに必死に言い訳しなくても~」
「…ふん。」
えぇ、なんで不機嫌になったのこれ…。これもうわかんねえな…。
「そ、その、アンタ…課題とやらは終わったの?」
「えぇ、一応」
「あの、時間あるかしら…?」
これは…飲みのお誘いなのでは…!?
なら答えは決まってる!
「はい!是非ご一緒に!あ、でも俺腹減ってるのでなにか作りますけど食べますか?」
「え、まだなにも言ってないんだけど…」
「え?飲むんじゃないですか?」
「…え、えぇそうよ!だからアンタの家にお邪魔するわ!もう!」
隅田さんはそう言って先に歩いて行った。機嫌が直ったと思ったらまた怒らせてしまったようだが、俺には原因が分からない。
「…なんで分かるのよ、あのガキ…ふん…。いや、ガキでもないのか…ふふっ、まぁいいわ」
仕事での疲れが吹っ飛んだかのように。
スキップしながら彼女は、独り言を言っていた。誰にも…聞かれないように。
__彼にも聞こえないように。
7月29日。俺は__
大学の期末テストで苦しんでいる。
よくある話だが大学2年生は、サークルに、遊びにバイトにと、講義をサボったりし始める、いわばだらけやすい学年である…と自負している。他の人はちゃんと受けているかもしれないから断言はしないでおこう。
1年の頃の俺は無遅刻無欠席貫いて、無事大学を卒業しようという目標をかかげていたが、もう無理だ。現に今学期ではもう単位を落としている。人って環境さえ整えばこんなにも変わってしまうのか…
なんとか1つだけで押さえたいので、必死こいて講義のレポート、テスト勉強などをして抵抗している。おかげさまでサークルにも出られず、バイトもあまり出ていないので、ここ数日引きこもり生活をしている。
テストを終えて、すぐ家に帰って課題のレポートにとりかかる。
大学から自転車で20分くらいのとこにアパートの借りているので、あまり苦労はしない。
さすがに連日、ろくに身体も動かしてないので今日の夜にランニングすることに決めた。
…夏バテになって夏休み初日から良いスタートを迎えれないのは嫌なので。
時刻は8時過ぎ、無事レポートが終わったので着替えて準備をする。いつも使っている土手のコースがあるので今日もそこをグルっと1週しに行く。ここは電灯が等間隔に並んでいるが、やや暗い。
この時間になると、仕事が終わった社会人の人たちも走っていて、割と人が多いのでなんだかみんなでマラソンしている気分になる。しばらく走ってない分、疲れも早かったので今日は1週だけにして家に戻る。帰りは途中までは遅いペースで走り、クールダウンしたいので残り半分は歩いて帰る。
住宅街に入ったところで俺は歩きながら、隅田さんのことを考えていた。あの日以降お互いに忙しく、朝のゴミ出しとかで会った時しか言葉を交わしてない。ラインでもおはようくらいのやり取りしかしてない。そろそろ彼女と一緒にまたお酒を飲みたいなぁ…
「おっ」
「え?」
後ろから声がしたので振り向くと、隅田さんだった。
ドクンと。
ちょうど彼女のことを考えていたので心臓が跳ねてしまった。
「その格好、走ってたの?」
「あ、え、はいまぁ、そうです」
思わずぎこちない返事をしてしまった。
「日頃から走っているの?」
「そうですね、最近はテストと課題に追われたので久々に走りましたけど」
「ふーん…そうなの…ふーん。」
なにか納得いかないのか、それとも考えことでもしているのか。普段の隅田さんは表情に出さないので、良く分からない。
「隅田さんは仕事帰りですか?」
「そうよ、ここ数日は残業で毎日こんな時間よ」
「あー、だから今日もそんなにお酒を」
「こ、これは今日全部飲むわけではないわ!その、買い溜めよ」
「はいはい、分かってます~、そんなに必死に言い訳しなくても~」
「…ふん。」
えぇ、なんで不機嫌になったのこれ…。これもうわかんねえな…。
「そ、その、アンタ…課題とやらは終わったの?」
「えぇ、一応」
「あの、時間あるかしら…?」
これは…飲みのお誘いなのでは…!?
なら答えは決まってる!
「はい!是非ご一緒に!あ、でも俺腹減ってるのでなにか作りますけど食べますか?」
「え、まだなにも言ってないんだけど…」
「え?飲むんじゃないですか?」
「…え、えぇそうよ!だからアンタの家にお邪魔するわ!もう!」
隅田さんはそう言って先に歩いて行った。機嫌が直ったと思ったらまた怒らせてしまったようだが、俺には原因が分からない。
「…なんで分かるのよ、あのガキ…ふん…。いや、ガキでもないのか…ふふっ、まぁいいわ」
仕事での疲れが吹っ飛んだかのように。
スキップしながら彼女は、独り言を言っていた。誰にも…聞かれないように。
__彼にも聞こえないように。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
【本編完結】初恋のその先で、私は母になる
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
王宮で12年働き、気づけば28歳。
恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。
優しく守ろうとする彼。
けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。
揺れる想いの中で、彼女が選んだのは――
自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。
これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。
※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
繰り返す夜と嘘 〜【実録】既婚の僕と後輩の彼女、あの夜のキスから始まった13年の秘密〜
まさき
恋愛
結婚して半年の僕と、同じ職場の彼女。
出会った頃は、ただの先輩と新入社員だった。
互いに意識しながらも、
数年間、距離を保ち続けた。
ただ見つめるだけの関係。
けれど――
ある夏の夜。
納涼会の帰り道。
僕が彼女の手を握った瞬間、
すべてが変わった。
これは恋でも、友情でもない。
けれど理性では止められない、
名前のない関係。
13年続いた秘密。
誓約書。
そして、5年の沈黙。
これは――
実際にあった「夜」の記録。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】
積み上がった伏線の回収目前!!
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
妾に恋をした
はなまる
恋愛
ミーシャは22歳の子爵令嬢。でも結婚歴がある。夫との結婚生活は半年。おまけに相手は子持ちの再婚。 そして前妻を愛するあまり不能だった。実家に出戻って来たミーシャは再婚も考えたが何しろ子爵領は超貧乏、それに弟と妹の学費もかさむ。ある日妾の応募を目にしてこれだと思ってしまう。
早速面接に行って経験者だと思われて採用決定。
実際は純潔の乙女なのだがそこは何とかなるだろうと。
だが実際のお相手ネイトは妻とうまくいっておらずその日のうちに純潔を散らされる。ネイトはそれを知って狼狽える。そしてミーシャに好意を寄せてしまい話はおかしな方向に動き始める。
ミーシャは無事ミッションを成せるのか?
それとも玉砕されて追い出されるのか?
ネイトの恋心はどうなってしまうのか?
カオスなガストン侯爵家は一体どうなるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる