君にとって花火は何色ですか?

じゅうや

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12.すれ違い

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 昨日はパソコンを買ったが、綾野と飲みに行ってたので家に帰ってからはパソコンをそのまま放置し、すぐに寝てしまった。
 
 目が覚めるともう昼の11時。寝ぼけ眼のまま麦茶を1杯飲み、頭をスッキリさせる。そしてダンボールを開封し、パソコンの作業に取りかかった。

 

 ̄ ̄ ̄


 ネットワーク設定やらダウンロードなどが色々終わり、ようやくまともにネットがみれるようになった。時刻を見るともうすぐ16時になろうとしていた。

「そう言えば昨日から隅田さんから返事来てないな…忙しいのかな」

 そんな独り言を言いながら家に残ってたカップラーメンを啜る。昨日から返事が無いということは仕事で何かあったからそれのバックアップなのかもしれない。

 パソコンの方からゲームダウンロード完了の通知が来たのでさっそく始める。今流行りのハンティングアクション系のオンラインゲームである。サークルの友達に誘われたというのもあるが、なによりも隅田さんもこのゲームをやってるから…という単純な理由。

 思ってたよりハマってしまって時刻は22時である。
夏休み初っ端からこれだと引きこもり生活まっしぐらだが、特にやることもないのでひたすらこれをやっていようと思ってる。…もちろんバイトも行くよ!

 とりあえずお腹が空いたのでコンビニへ。今日は珍しく自炊をしない手抜きモードなので、久しぶりにコンビニ弁当を楽しもうと思う。サンダルを履いて玄関を出てから、階段を降りてく。夏の夜は日中よりかは暑くないが、ジメジメとした空気でほんの少し息苦しさを覚える。

 住宅街を歩くと前から見た事のある女性が歩いてきた。片手にはお酒、もう片方の手にはコンビニ袋のようなものを持っていた。

 …隅田さんである。かなり疲れ切っているようでいつもより足取りが重いように感じる。俺は彼女に声をかけた…。

 「隅田さんお疲れ様です」

 俺が声をかけると彼女は形相を変えてなにやら悲しい顔つきに変わっていった。そのまま無言を貫いてる。

「な、なんかあったんですか?」
「い、いえ…とくに…」
「そうですか、相談とか乗りますよ」
「大丈夫よ。それよりあなた…いいの?こんなことしてて」
「…へ?」

 こんなこと、とは何だろう。俺の今日のだらけきった1日のことを言われたような気がしたが、それでは無いことくらい分かる。質問の意図が分からないので思わず聞いてしまった。

「え、えーとこんなことってなんですか?」
「そんなとぼけなくても、それに…この時間にコンビニでしょ?」
「よく分かりましたね、コンビニにお弁当買いに行こうかと」
「ふーん、お弁当ね」

なんだろ…この違和感。機嫌が悪い時の隅田さんとは違った感じ…。俺に対しての嫌悪感?みたいなのが強く感じ取られる。

「まあ、楽しんで。じゃ」
「え?あ、はい。じゃあまた…」

 結局、隅田さんの言ってることがあまり理解できなかった。そして何故か嫌悪感を抱かれていることも。なによりも…


 彼女は、俺と…1度も目を合わさなかったのだ。

 初対面の時から目をしっかり見て話してきたあの人が…終始俺の顔を見て会話してくれなかったのだ。

 考えても結論は出なさそうなので、また今度考えることにした。隅田さんにも機嫌が良くない日があるということにしておこう。
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