君にとって花火は何色ですか?

じゅうや

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13. 荒んでた心

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 昨日は仕事の帰りに花道くんに会ってしまった。突然声をかけられたのでドキドキしてしまったが、私はつい…冷たい対応をしてしまった。何故だか…彼の顔を1度も見れなかった。飲み歩きしてるとこも見られてしまったし。

「はあ…」

 休憩時間。タバコを吸いながら、おもわずため息が漏れてしまった。ラインも返事しなければいけないのに…どうしてもあの時の情景がフラッシュバックしてしまう。

 あの日、藍に「本人に聞くしかないですけど、望みは低いです。諦めましょう」
と言われてしまってからは、彼のことをあきらめようとしているが…全然諦めきれてない。

 残業のストレスと相まって精神的に参ってしまい、ここ最近は毎日パチ屋に通い、家では1人で酒を飲んでいる。タバコの本数も増えてしまった。

 「前よりダメ人間になってるなぁ…」
「そうですねぇ、昨日は何円負けたんですか?」
「昨日は5000負けよ…えぇ?」
「今日の隅田さんいつも以上に顔死んでますよ」

 いつの間にか藍が居た。思わず変な声を出してしまった。

「昨日、花道くんに会ったのよ…夜10時過ぎにコンビニ行ってたのよ…」
「あちゃー、それワンチャンやってますよぉ…」
「うぅ…だよね…夜にコンビニってそういうことだよね…あー泣けてきた」
「ちょっ、さすがに会社で泣かれると困りますよ隅田さん!」

 藍がなんとか慰めてくれたので涙は堪えられた。しかし、いつまで経ってもモヤモヤは消えないし、いっそ全部聞いてしまって無惨に振られたいぐらいである。私の勘違いである可能性もほんの少し…少しだけあるかもしれないし…。

「はあ…もう見てらんないんで!今日!乗り込みましょ!」
「で、でも…き、気まずいし、心の準備が」
「だったら私が聞いてきます本人に」
「ちょっ…!なんであなたがそこまで…!いいわよ別に…」
「麗花さんがぁ!いつまで経ってもメソメソしてんのが見てらんないって言ってんの!」

 廊下での歩みを止め、彼女は大声を出して私に言ってきた。すれ違い人になんだなんだ?と見られてしまっているが、今はそれどころじゃない。あの藍が…初めて怒っているのだ。

「いつも通りの!私の大好きな!カッコよくてクールな麗花さんを取り戻すために!私が行動するんです!ええ!これは麗花さんのためなんです!なので黙って付いてきてくださいね!」

 いつもおちゃらけていて、ふわふわした感じの藍が、こんなに怒るなんて…私は部下を心配させてしまってたのだ。迷惑をかけてしまってたのだ。なんて情けない上司なのよ…私。

 覚悟を…決めなさい…!

「……そうね。ありがとう藍。さ、仕事に戻りましょ」
「え、あ、はい。じゃ、じゃあ仕事終わったらまた…」
「ええ」

 目をパチクリとさせて返事が曖昧になっている藍を置いていき、私はひと足先にデスクに戻った。
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