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しおりを挟むその次は飲み屋で出会ったマサユキだけど、三ヵ月程度で『重い』と振られた。コレは今が幸せでも不幸でも興味ないな。顔も朧げな男だしな。
それから……それから……
ああ、転勤先の支店長がタイプだった。が、既婚者なので何事も起こらず。
ただ、この頃に一夜限りのワリキリと言うシステムを知り、俺にはコッチの方が向いてるなーと思った。
地元に戻ってからはそーゆーのとも無縁だったけど、湊とエンカウントした少し前から良さげな相手が見つかれば出掛けて行く習慣がぶり返していた。俺の『希望』が通る事はまずなかったけど。
「希望が通らないとは」
「俺はネコ希望だけど相手もネコ希望だったって事」
「その場合はアラタがタチやんのか」
「ホテルにまで入ってナニゴトもなく帰るのも切ないし取り敢えず」
湊は『吃驚!』って額に浮かび上がりそうな顔をしているが、付くモンが付いていればどうとでもなる。脳ミソの作りとして女の子相手は無理だけど。
「意外……」
「一応ネコ専は避けてたけど、実際会うとなあ。誰もこんなおっさん抱きたくなかったらしいわ」
「だからリピーター多かったのか……」
「あ?」
「何でもありません……」
こんな過去バナを聞いて何が面白いんだろうとは思うけど、湊が聞きたいなら俺は何でも包み隠さず話す。湊の気が済むようにすればいいと思うし隠して回るような大層な過去もないし。
「いやでもそうか、どうせアレだわ」
「何がアレだ」
「どうせアラタはアラタがして欲しい事を相手にしてあげてたんじゃない? 優し~くて甘~い中毒性あるエッチ。どうせ」
「…………」
「どうせ」
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