かたつむり

ラムネ

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P.13

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 外は雨。オフィスビルの大きな窓ガラスを叩く雨。ふと見ると、窓枠の外……どうやって上がって来たのかかたつむりがいる。僅かなへりを秒速0.5ミリくらいでのそりのそりと這っている。垂水くんに言ったら騒ぎになるから黙っていよう。
 ただほんのちょっと。このゆったり動く黄金比に癒されながら、パントリー拡張の修正作業を進めて行こう。

 やがて終業時間が訪れて。オフィスからは一人、また一人と退勤してゆく。

 ちょっとだけ残業して、かたつむりはどうなったかと外を覗くと、エントランス向かいの歩道から、こちらを見上げている反町と目が合った。

 ん?反町?

 一度オフィス内に視線を戻し、時計を見て、もう一度外に目をやる。

 ビニール傘にデカデカと、マジックで記名された『反町』……反町だな。





 
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