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しおりを挟む慌ててデスクを片付ける。ラインすべきかと一瞬思ったけど、それより帰り支度を急ぐ事が先決だと思えた。
「帰るんですか?」
「うん。お先。お疲れ」
「お疲れ様でーす」
美しい垂水くんの顔も今は名残惜しくない。
一基しかないエレベーターの待ち時間がもどかしい。
ボス拘りのレトロエレベーター、その妙にゆっくりな速度ももどかしい。いつもなら気にも止めないのに。寧ろそのゆったりしたひと時が好きだった筈なのに。
エントランスの回転扉を抜けると、信号の向こうに反町が佇んでいる。
歩道の植栽、淡いピンクや水色の紫陽花をバックに佇んでいる。
白い持ち手のビニール傘。湿気で膨らんだ癖毛。昔より少し見上げるようになった目線。黒縁の眼鏡。白いトートバッグと踝丈のパンツ。全部が昔と同じな訳じゃないのに、全部がデジャヴを纏ってそこに在る。
「反町!どうした!いつから居た!」
「誕生日おめでとう」
「はぁ?」
差し出されたのは紫陽花の花束だった。バックの植栽と同化して気づかなかった。
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