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しおりを挟む呆気に取られていると、反町は徐ろに、植栽の方の紫陽花の葉にくっついていたかたつむりを空いている手の指先で摘んで、俺が持った花束の方の紫陽花の葉にちょこんと乗せた。
「なんでトッピングすんだ」
「いや……藤、かたつむり好きだから」
「訳わからん。ぜんぶ訳わからん。なんで今年に限ってわざわざ」
反町は暫く目を泳がせ、首を左右に傾げてパキパキっと鳴らし、眼鏡をちょっとだけ直す仕草をしてから俺に真っ直ぐ目線を合わせた。いつになく真剣な目差しにどきっとした。
「30になって藤が独身だったら告白しようって決めてた」
「……………」
「玉砕するのに切った期限が今日だった」
「……………」
「藤が好き。高校の時からずっと好き。俺と付き合う事、一回だけ真面目に考えて。その上で、友達だからとか抜きで、ズバッと切っちゃって」
「……なんで……」
「俺は今日で、友達の藤からズバッと卒業したいから」
「いやだから。なんで切るとか玉砕とか卒業とか、俺が断る前提なんだ。おかしいだろ」
「え」
「ズバッと普通に付き合おう」
「ズバッと……え?」
「ズバッと」
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