15 / 16
P.16
しおりを挟む町が静けさを取り戻してゆく午後八時。
俺と反町は傘に隠れて二度目のキスをした。
ファーストキスは俺的にどうしてもノーカンに出来なかったから、きっちり二度目。
今度は偶然の事故じゃなく、必然的に同意の元で重なったキスだ。
化石化した恋心。
アンモナイトが、かたつむりのようにゆっくり動き始める。
それは鈍臭い俺達に似合いの比喩だと我ながら思う。
「あのー。雨上がってますよー?あとここ一応、職場の目の前ですよー?」
体がびっくうっと跳ね上がった。心臓も跳ね上がった。振り向くと垂水くんが美しい顔で困ったように微笑んでいた。
「反町さん」
「えっ!知り合い?」
「ビニール傘にこんなにデカデカと名前書く人初めて見ました。弦楽器の調べのコントラバスの人ですよね。土曜日、楽しみにしてます」
「来てくださるんですね。お待ちしてます」
反町とがっちり握手を交わした垂水くんは、夜なのにとても爽やかに軽やかに、駅方面へと去って行った。
0
あなたにおすすめの小説
happy dead end
瑞原唯子
BL
「それでも俺に一生を捧げる覚悟はあるか?」
シルヴィオは幼いころに第一王子の遊び相手として抜擢され、初めて会ったときから彼の美しさに心を奪われた。そして彼もシルヴィオだけに心を開いていた。しかし中等部に上がると、彼はとある女子生徒に興味を示すようになり——。
王様の恋
うりぼう
BL
「惚れ薬は手に入るか?」
突然王に言われた一言。
王は惚れ薬を使ってでも手に入れたい人間がいるらしい。
ずっと王を見つめてきた幼馴染の側近と王の話。
※エセ王国
※エセファンタジー
※惚れ薬
※異世界トリップ表現が少しあります
サラリーマン二人、酔いどれ同伴
風
BL
久しぶりの飲み会!
楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。
「……え、やった?」
「やりましたね」
「あれ、俺は受け?攻め?」
「受けでしたね」
絶望する佐万里!
しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ!
こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる