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6 姉からの手紙
あくまでほほえんでいる顔。
わたしは心がピキッと凍った。
「な、ん、の…ことかしら?」
ああ、こわ…
さっき偉そうなことを言ってしまったせいか、今は頭が冷え、冷静状態だ。
いつもこんな風に頭に血が上ったあと後悔する。
この人が…簡単に人を殺せる人だというのに…
自分の無謀さに呆れた。
考えに耽っていたからか、「ねえ」と急に言われる。
ニコッとほほえんだ。
わずかに鼓動が跳ねたのをないことにした。
ゴ、ク…
わたしはつばを飲み込む。
恐怖がゆっくりと浸透する。
自分の喉が動いたのが、嫌でもわかった。
「嘘下手だね。」
ニコッと笑う王子。
かっこいいが、わたしはそれどころじゃなかった。
「はは」と微妙な声を出す。
「よいしょ」
ヒョイと軽やかに下に降りる。
手を差し出され、癖でわたしはその手を取ってしまった。
その手を見、王子は満足そうに笑った。
「きみは…ぼくの妻だ。
大きな手違いといえどもね」
月の光で顔に影ができる。
美しく幻想的でロマンチックだ。
だがその美しさを打ち破られることを言われた。
「妻ならぼくの言うことを聞け」
……
机に突っ伏す。
ありえない…
ありえないありえない!
バタバタと手足をバタつかせる。
あの王子が用意したぶ厚い本が、机の上に、パンケーキのように上に重ねられる。
『なに…これ?』
脱力したわたしは言う。
『女王になるために、知ってなきゃいけない知識。
ぼくは5歳のときに覚えた。』
…嘘かホントかわからないことを言う。
ニコッと笑う王子に、わたしはジロッと見つめ返した。
……
内容はパララとめくると、歴史の本だった。
今すぐ役に立つとは思えない。
そもそもわたしは大の勉強嫌いだ。
「はぁ」
頭を抱え、こめかみを抑える。
姉の居場所を突き止めることが先かもしれない…
「………あれっ」
一つの紙が目に入った。
分厚い本からしおりのように挟まれている。
美しいしおりで、シマドリやヒヤシンスなど変わったチョイスの絵。
姉の好み?
急いで開いた。
挟まれている間を、頑張って読んでも、難しいことしか書いてない。
次々めくる。最後のページに挟まれたしおりは小さく、少し黄ばんでいた。
そしてこのイラストは…わたしの好きな彼岸花。
真っ赤で毒々しいのが特徴的だ。
「う~ん?」
丸窓に透かして見る。
火に炙った。
「わ…!」
文字が次々と現る。
わたしと姉の共通第二言語だった。
【がんばって、私がいない間。
面食いだから大丈夫だと思うけど、あの王子に心の底から尽くすのよ。
急には殺さないと思うから。
それまで耐えて】
最後の方に恐ろしいことが書かれている。
お姉さまは、あの偽王子が、わたしに本を見せることは想定済みだったということか…
この本はその隣国との長年の歴史。
王になるものが必要な知識だった。
とりあえず姉が生きていそうで、ホッと胸を撫で下ろす。
だが…
その美しいしおりを、第2王女は不安そうに見下ろす。
あの偽王子も頭が切れそうだけれど…
今は姉が上回っている。
今のところは。
だけど途中からどうなるかわからない。
めまいがし、机に手を置いた。
姉に…協力しなきゃ
尽くす?尽くすってどうやって…
わたしは心がピキッと凍った。
「な、ん、の…ことかしら?」
ああ、こわ…
さっき偉そうなことを言ってしまったせいか、今は頭が冷え、冷静状態だ。
いつもこんな風に頭に血が上ったあと後悔する。
この人が…簡単に人を殺せる人だというのに…
自分の無謀さに呆れた。
考えに耽っていたからか、「ねえ」と急に言われる。
ニコッとほほえんだ。
わずかに鼓動が跳ねたのをないことにした。
ゴ、ク…
わたしはつばを飲み込む。
恐怖がゆっくりと浸透する。
自分の喉が動いたのが、嫌でもわかった。
「嘘下手だね。」
ニコッと笑う王子。
かっこいいが、わたしはそれどころじゃなかった。
「はは」と微妙な声を出す。
「よいしょ」
ヒョイと軽やかに下に降りる。
手を差し出され、癖でわたしはその手を取ってしまった。
その手を見、王子は満足そうに笑った。
「きみは…ぼくの妻だ。
大きな手違いといえどもね」
月の光で顔に影ができる。
美しく幻想的でロマンチックだ。
だがその美しさを打ち破られることを言われた。
「妻ならぼくの言うことを聞け」
……
机に突っ伏す。
ありえない…
ありえないありえない!
バタバタと手足をバタつかせる。
あの王子が用意したぶ厚い本が、机の上に、パンケーキのように上に重ねられる。
『なに…これ?』
脱力したわたしは言う。
『女王になるために、知ってなきゃいけない知識。
ぼくは5歳のときに覚えた。』
…嘘かホントかわからないことを言う。
ニコッと笑う王子に、わたしはジロッと見つめ返した。
……
内容はパララとめくると、歴史の本だった。
今すぐ役に立つとは思えない。
そもそもわたしは大の勉強嫌いだ。
「はぁ」
頭を抱え、こめかみを抑える。
姉の居場所を突き止めることが先かもしれない…
「………あれっ」
一つの紙が目に入った。
分厚い本からしおりのように挟まれている。
美しいしおりで、シマドリやヒヤシンスなど変わったチョイスの絵。
姉の好み?
急いで開いた。
挟まれている間を、頑張って読んでも、難しいことしか書いてない。
次々めくる。最後のページに挟まれたしおりは小さく、少し黄ばんでいた。
そしてこのイラストは…わたしの好きな彼岸花。
真っ赤で毒々しいのが特徴的だ。
「う~ん?」
丸窓に透かして見る。
火に炙った。
「わ…!」
文字が次々と現る。
わたしと姉の共通第二言語だった。
【がんばって、私がいない間。
面食いだから大丈夫だと思うけど、あの王子に心の底から尽くすのよ。
急には殺さないと思うから。
それまで耐えて】
最後の方に恐ろしいことが書かれている。
お姉さまは、あの偽王子が、わたしに本を見せることは想定済みだったということか…
この本はその隣国との長年の歴史。
王になるものが必要な知識だった。
とりあえず姉が生きていそうで、ホッと胸を撫で下ろす。
だが…
その美しいしおりを、第2王女は不安そうに見下ろす。
あの偽王子も頭が切れそうだけれど…
今は姉が上回っている。
今のところは。
だけど途中からどうなるかわからない。
めまいがし、机に手を置いた。
姉に…協力しなきゃ
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