12 / 58
11 女王の素質
わたしは、姉を利用している。
甘い汁だけ吸っていたい。
お金も愛情も、もらえる分だけすべて感受したい。
嫌なことから目を逸らし、自分が世界で1番幸せだと思いたい。
そして暗いとこ……自分のせいで誰かが犠牲になる。
自分の誤った判断のせいで、人が大勢死ぬようになる。
王家に生まれれば珍しくないこと。
だけど、わたしはそんな罪悪感を覚えたくなかった。
『お姉さまは…強い。』
そう言ったことがあった。
姉は「?」と言う顔をし、綺麗な顔を傾ける。
お姉さまは、自分より下の者が自分の犠牲になってもなにも思わない。
そんなことより、自分が死なない道。
そして王家が滅ばない道を、探し出す。
死んだ人たちのことは振り返らない。
心を痛めず、失敗しても次に活かす。
まるでチェスの駒を動かすように、淡々と非道なことをやってのける姉を、気持ちが冷えると同時に畏怖の念。
どっちも感じるようになった。
………昔…姉はわたしひとりのために、1つの家族が殺されるのを選んだ。
犯人は元老院だが、その一族を突いたら面倒になるため、なんの罪もない家族に王女殺しという重い罪を着せた。
周りには見せしめとして、その家族親戚に至るまで皆殺しだった。
あれは正しかった、と皆は言う。
わたしもそう思う。
それは,王家のためだけであるならば。
王家のためなら、死んだことも誇りに思えと姉は言った。
檻の前、姉はいくら酷く罵られても、表情1つ変わらなかった。
『恨むなら、己を守れなかった力の弱さを恨め』……と。
賢い選択だったとわたし達は言い聞かす。
第二王女を狙ったあの元老院一族は、強大な力と富を持っていた。
しばらく経ったあと、その元老院一族が、王族を呪っている、と虚偽の知らせをし、陥いれた。
姉は母に褒められ、無邪気な可愛い表情をしていた。
あのときのことを、今もずっと覚えている。
その元老院一族の跡取り息子が亡くなり、悲しみに打ちひしがれ、因果応報ってあるんだなと思っていた矢先だった。
従兄弟が台頭し、内部分裂し、その一族が弱まっていたとき、姉の行動は早かった。
……
甘い汁だけ吸っていたい。
お金も愛情も、もらえる分だけすべて感受したい。
嫌なことから目を逸らし、自分が世界で1番幸せだと思いたい。
そして暗いとこ……自分のせいで誰かが犠牲になる。
自分の誤った判断のせいで、人が大勢死ぬようになる。
王家に生まれれば珍しくないこと。
だけど、わたしはそんな罪悪感を覚えたくなかった。
『お姉さまは…強い。』
そう言ったことがあった。
姉は「?」と言う顔をし、綺麗な顔を傾ける。
お姉さまは、自分より下の者が自分の犠牲になってもなにも思わない。
そんなことより、自分が死なない道。
そして王家が滅ばない道を、探し出す。
死んだ人たちのことは振り返らない。
心を痛めず、失敗しても次に活かす。
まるでチェスの駒を動かすように、淡々と非道なことをやってのける姉を、気持ちが冷えると同時に畏怖の念。
どっちも感じるようになった。
………昔…姉はわたしひとりのために、1つの家族が殺されるのを選んだ。
犯人は元老院だが、その一族を突いたら面倒になるため、なんの罪もない家族に王女殺しという重い罪を着せた。
周りには見せしめとして、その家族親戚に至るまで皆殺しだった。
あれは正しかった、と皆は言う。
わたしもそう思う。
それは,王家のためだけであるならば。
王家のためなら、死んだことも誇りに思えと姉は言った。
檻の前、姉はいくら酷く罵られても、表情1つ変わらなかった。
『恨むなら、己を守れなかった力の弱さを恨め』……と。
賢い選択だったとわたし達は言い聞かす。
第二王女を狙ったあの元老院一族は、強大な力と富を持っていた。
しばらく経ったあと、その元老院一族が、王族を呪っている、と虚偽の知らせをし、陥いれた。
姉は母に褒められ、無邪気な可愛い表情をしていた。
あのときのことを、今もずっと覚えている。
その元老院一族の跡取り息子が亡くなり、悲しみに打ちひしがれ、因果応報ってあるんだなと思っていた矢先だった。
従兄弟が台頭し、内部分裂し、その一族が弱まっていたとき、姉の行動は早かった。
……
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
実家も国も私を捨てたが、私を愛さないと国が滅びる。絶望する人々を特等席で眺め、冷徹な王子の腕の中で思考停止する。
唯崎りいち
恋愛
持参金がないという理由で家族と祖国から追放された私は、実はこの国を支える“加護”そのものだった。
私が去った瞬間、王都の結界は崩れ、国は崩壊へ向かい始める。
そんな私を拾ったのは、冷徹と噂される隣国の王子。
「やっと見つけた。お前は俺のものだ」
捨てられたはずの私は、気づけば滅びゆく祖国を背に、彼の腕の中で溺愛されていた。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
婚約破棄して泥を投げつけた元婚約者が「無能」と笑う中、光り輝く幼なじみの王子に掠め取られました。
ムラサメ
恋愛
「お前のような無能、我が家には不要だ。今すぐ消えろ!」
婚約者・エドワードのために身を粉にして尽くしてきたフィオナは、卒業パーティーの夜、雨の中に放り出される。
泥にまみれ、絶望に沈む彼女の前に現れたのは、かつての幼なじみであり、今や国中から愛される「黄金の王子」シリルだった。
「やっと見つけた。……ねえ、フィオナ。あんなゴミに君を傷つけさせるなんて、僕の落ち度だね」
汚れを厭わずフィオナを抱き上げたシリルは、彼女を自分の屋敷へと連れ帰る。
「自分には価値がない」と思い込むフィオナを、シリルは異常なまでの執着と甘い言葉で、とろけるように溺愛し始めて――。
一方で、フィオナを捨てたエドワードは気づいていなかった。
自分の手柄だと思っていた仕事も、領地の繁栄も、すべてはフィオナの才能によるものだったということに。
ボロボロになっていく元婚約者。美しく着飾られ、シリルの腕の中で幸せに微笑むフィオナ。
「僕の星を捨てた報い、たっぷりと受けてもらうよ?」
圧倒的な光を放つ幼なじみによる、最高に華やかな逆転劇がいま始まる!
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。
下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。
アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。
小説家になろう様でも投稿しています。