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16 過去と現在
『あの子を殺そうかとも考えてたの…』
『え…?』
わたしは、目を見開いて固まる。
玉座に座る母は、とても遠くに感じられた。
『今…なんて…』
自分の声が震えているのを感じた。
『なのにあの子、無事だったから…』
母はハァ、とため息をつく。
わたしはまだ、脳が今の母の言動に追いついていなかった。
最近姉は、母の手の内にいない。
母が手を下す前に、先回りして全て終わらせる。
それは、姉が母に認めてもらいたいからとわたしはわかっていた。
母もわかっているものだとばかり思っていた。
『はい、お母さま。なんでしょう』
姉の声で自分の身体が数センチ飛び上がる。
品のいいドレスを広げて一礼をし、第二王女の横に並ぶ。
ニコニコと愛嬌がよかった。
『お達しです。第一王女さま』
母が座っている玉座から、1、2メートル離れた従者が、よく通る声で読み上げる。
母は頬杖をつき、冷たい瞳で見下ろす。
『第一王女さまは、今すぐ戦地へご出発ください』
隣にいる姉の顔が固まった。
………
母の周りの敵を一掃したことで、褒められると思っていた。
母の手を煩わせることなく、終わらせたんだ。
母のやり方より、私のやり方の方が早く終わらせられるから。
フゥと息をつく第一王女。
妬まれているのはわかっている。
お母さまは、自分を凌駕しそうな私が怖いんだ。
厳しいなぁと痛感する。
役に立つと思えば、私を大事にするかと思ったのに。
ボーッと、目の前の育てられた草花を見る。
どれも派手に、立派に、咲き誇る。
どれもこれも趣味じゃない。
なんで?なんで認めてくれないの?
なんで?
頭の中で、執拗に鳴り響く。
目をつぶっても鳴り止むことはない。
『殺そうかとも思っていたの…』
目の前の大輪のバラを握りつぶした。
……
「誰の命令?」
低い声で、圧を感じさせる言い方。
この人が第二王女か…とつい比べるように見てしまう。
それは第一王女。
本来の、王子の婚約者だった人とだ。
「わたしを部屋から出すなと命じたのは誰なの?もしかして王子?」
ぎこちない表情で言う第二王女。
否定してほしくて言ってるのだろう。
「言えません。口止めされているので…」
「ああ、もう…!」
苛立っている様子の第二王女。
甲冑姿の大男2人、ドアの前を長く鋭い槍で封鎖している。
それにまったく動じてない。
まるで守られるのが当たり前といった態度に、第一王女との違いが垣間見れた。
『え…?』
わたしは、目を見開いて固まる。
玉座に座る母は、とても遠くに感じられた。
『今…なんて…』
自分の声が震えているのを感じた。
『なのにあの子、無事だったから…』
母はハァ、とため息をつく。
わたしはまだ、脳が今の母の言動に追いついていなかった。
最近姉は、母の手の内にいない。
母が手を下す前に、先回りして全て終わらせる。
それは、姉が母に認めてもらいたいからとわたしはわかっていた。
母もわかっているものだとばかり思っていた。
『はい、お母さま。なんでしょう』
姉の声で自分の身体が数センチ飛び上がる。
品のいいドレスを広げて一礼をし、第二王女の横に並ぶ。
ニコニコと愛嬌がよかった。
『お達しです。第一王女さま』
母が座っている玉座から、1、2メートル離れた従者が、よく通る声で読み上げる。
母は頬杖をつき、冷たい瞳で見下ろす。
『第一王女さまは、今すぐ戦地へご出発ください』
隣にいる姉の顔が固まった。
………
母の周りの敵を一掃したことで、褒められると思っていた。
母の手を煩わせることなく、終わらせたんだ。
母のやり方より、私のやり方の方が早く終わらせられるから。
フゥと息をつく第一王女。
妬まれているのはわかっている。
お母さまは、自分を凌駕しそうな私が怖いんだ。
厳しいなぁと痛感する。
役に立つと思えば、私を大事にするかと思ったのに。
ボーッと、目の前の育てられた草花を見る。
どれも派手に、立派に、咲き誇る。
どれもこれも趣味じゃない。
なんで?なんで認めてくれないの?
なんで?
頭の中で、執拗に鳴り響く。
目をつぶっても鳴り止むことはない。
『殺そうかとも思っていたの…』
目の前の大輪のバラを握りつぶした。
……
「誰の命令?」
低い声で、圧を感じさせる言い方。
この人が第二王女か…とつい比べるように見てしまう。
それは第一王女。
本来の、王子の婚約者だった人とだ。
「わたしを部屋から出すなと命じたのは誰なの?もしかして王子?」
ぎこちない表情で言う第二王女。
否定してほしくて言ってるのだろう。
「言えません。口止めされているので…」
「ああ、もう…!」
苛立っている様子の第二王女。
甲冑姿の大男2人、ドアの前を長く鋭い槍で封鎖している。
それにまったく動じてない。
まるで守られるのが当たり前といった態度に、第一王女との違いが垣間見れた。
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