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19 なだめる偽王子、不機嫌な王女
腕を掴まれ、引き上げられる。
外は戦時下というのに、ここからいなくなるというらしい…
鋭いアーモンドアイが、わたしを見て笑う。
たじろいで、後ろに下がった。
だが、腕を強く掴まれているため、腰だけ引いただけで思っているより距離をとれない。
「いやっ、離して!」
第2王女は持ち上げられ、偽王子は歩く。
足をバタつかせるも、どんどん前に進んでいき、わたしは馬車の中に押し込まれた。
「いやだッ!!」
座らされた第2王女は、キッと睨む。
偽王子は、微かに顔を顰めた。
身体をかがめて話す。
「脅して歩かせることもできたけどしなかった。
まだ優しい方だよ」
できるだけ丁重に扱ったつもりだが、第2王女は信じられない顔でこっちを見る。
「おとなしくしてね」
目線を合わせるため、姿勢を低くし、なるべく優しく言った。
第2王女はそっぽを向いた━━
……
「お姉さまは…美人よ?」
そう顔色をうかがいながら言ってみたことがある。
結構前のことだ。
俺が気変わりし、姉を探すのに躍起になって欲しかったのだろう。
内心、姉の好みじゃないだろうなぁ、と思っていたがとりあえず言ってみた。
偽王子は「へえ」と興味なさそうに言う。
新聞を、ペラッとめくる。視線だけわたしを見た。
「きみの姉なら不細工ではないだろうね」
わたしは「はぁ」とため息をつき、呆れた表情になる。
そんなことを話したかったのではない。
偽王子は途中まで読んでいた新聞を、一応ペラッ…と閉じる。
わたしの話を聞く気になったのか、注意だけわたしが引いている。
「絵画は見たことある。
送られてきたよ。
普通誰が婿入りするか、王が決めるんだろうけど、他に選択肢がなかったから僕が婿入りした」
どうでもよさそうに言う。
偽王子は、タバコを咥えカチッと音を鳴らし煙を吐いた。
………
「ねぇ、戻らない?」
ガタゴトと揺れる馬車の中、後ろを指差す。
偽王子は途中で合流し、目の前に座る。
冷めた瞳に、わたしはこれ以上なにも言えない。
馬鹿じゃないか、と瞳で言われていた。
「もう無理だってわかるだろ?」
子どもに言うような言い方。
無意識だろうが、思いっきりバカにされてるのがわかる。
私はイラッとし表情にも出た。
「ね?」
次は優しい表情で言われる。
呆れた物言いから、今度は宥めるために態度を変えたらしい。
わたしは暴れてやろうか?と内心戦闘体制だった。
「ほら、深い森」
窓の外を顎で指す。
「そろそろ夜になるから獣が出てくる可能性もある」
努めて優しい口調で言っている。
「もう逃げ場はないよ?」
嬉しそうに言う偽王子に、パンチをお見舞いしたくなった。
外は戦時下というのに、ここからいなくなるというらしい…
鋭いアーモンドアイが、わたしを見て笑う。
たじろいで、後ろに下がった。
だが、腕を強く掴まれているため、腰だけ引いただけで思っているより距離をとれない。
「いやっ、離して!」
第2王女は持ち上げられ、偽王子は歩く。
足をバタつかせるも、どんどん前に進んでいき、わたしは馬車の中に押し込まれた。
「いやだッ!!」
座らされた第2王女は、キッと睨む。
偽王子は、微かに顔を顰めた。
身体をかがめて話す。
「脅して歩かせることもできたけどしなかった。
まだ優しい方だよ」
できるだけ丁重に扱ったつもりだが、第2王女は信じられない顔でこっちを見る。
「おとなしくしてね」
目線を合わせるため、姿勢を低くし、なるべく優しく言った。
第2王女はそっぽを向いた━━
……
「お姉さまは…美人よ?」
そう顔色をうかがいながら言ってみたことがある。
結構前のことだ。
俺が気変わりし、姉を探すのに躍起になって欲しかったのだろう。
内心、姉の好みじゃないだろうなぁ、と思っていたがとりあえず言ってみた。
偽王子は「へえ」と興味なさそうに言う。
新聞を、ペラッとめくる。視線だけわたしを見た。
「きみの姉なら不細工ではないだろうね」
わたしは「はぁ」とため息をつき、呆れた表情になる。
そんなことを話したかったのではない。
偽王子は途中まで読んでいた新聞を、一応ペラッ…と閉じる。
わたしの話を聞く気になったのか、注意だけわたしが引いている。
「絵画は見たことある。
送られてきたよ。
普通誰が婿入りするか、王が決めるんだろうけど、他に選択肢がなかったから僕が婿入りした」
どうでもよさそうに言う。
偽王子は、タバコを咥えカチッと音を鳴らし煙を吐いた。
………
「ねぇ、戻らない?」
ガタゴトと揺れる馬車の中、後ろを指差す。
偽王子は途中で合流し、目の前に座る。
冷めた瞳に、わたしはこれ以上なにも言えない。
馬鹿じゃないか、と瞳で言われていた。
「もう無理だってわかるだろ?」
子どもに言うような言い方。
無意識だろうが、思いっきりバカにされてるのがわかる。
私はイラッとし表情にも出た。
「ね?」
次は優しい表情で言われる。
呆れた物言いから、今度は宥めるために態度を変えたらしい。
わたしは暴れてやろうか?と内心戦闘体制だった。
「ほら、深い森」
窓の外を顎で指す。
「そろそろ夜になるから獣が出てくる可能性もある」
努めて優しい口調で言っている。
「もう逃げ場はないよ?」
嬉しそうに言う偽王子に、パンチをお見舞いしたくなった。
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