悪女”と呼ばれた妹は、失踪した聖女の姉の代わりに敵国王子を婿に迎える

冬田シロクマ 

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24 形成逆転

『すごく…過保護ね』

第一王女にも言われた。
若干引き気味で。
そして少し小馬鹿にするような表情だった。

『…つらい現実を突きつけてやればいい。
女王は、私によって閉じ込められていると』

第一王女は、『あの子も子どもじゃないでしょう?』と言う。
それもそうだが、もしそれを言ったら、第二王女の中ですべてが点と点で繋がり結論が出てしまう。

第一王女は、母である女王を失脚にまで追い込んだのだから、危険因子の自分が無事でいられるはずない、と。

『次期女王さま。ぼくになにを求めてますか?』

うやうやしく女王に向かっての一礼をし、偽王子は言う。

微笑まれるが、それはよくある貴族のご機嫌取りだとわかる。

『第二王女に、殺される心づもりでもさせる気ですか?』
………
 
「……妹は?連れてくるよう言ったはずだけれど」

そう言いながらも、予想していたのか、まったく驚いた様子がない第一王女。
優雅にお茶を飲む。
また、俺を警戒しているのか,屈強な従者を1人従えていた。

「連れて帰られたら困るので、連れてこなかったんですよ。
第二王女は、形式的にも僕の妻ですからね」

偽王子はニコッと微笑む。
第一王女は、イラッとした表情で偽王子の顔を見上げた。

「あなた…まさか……」
「予想通り、結婚したんですよ。隣国で」

飲もうとしていたお茶の蓋を閉める。

「妹も同意…?」
「ええ、もちろん」

微笑んで言う。
第一王女は、信じられなさそうな表情だった。

「その顔で騙したのね?」

笑いながらも、苛ついてる表情。
第一王女は言葉を続けた。

?」

とてつもなく、怒っているのが感じ取れる。

「いいえ、第一王女さまでもそれはできませんよ」

余裕そうに微笑む偽王子。
再び口を開く。

「隣国の王と王妃は、僕をとても信用しています。
養子とはいえ、幼い頃からずっと可愛がっていた王子が殺されれば、戦争に発展しかねない」

説明しながら、偽王子の瞳は鋭かった。

「次期女王にお会いするのはおふたりに知らせています。
正直……困りますよね?」

へらっと笑う。

「最近まで、女王と僕2人相手に戦争をしたばかりで、武器も戦士も不足しているのに、また戦争が始まったりでもしたら……
流石の第一王女さまでも、負けるかもしれない」
「この…」

揶揄からかうように言う偽王子に、言葉が詰まる。
苛立っている第一王女を見て、偽王子は可笑しそうにニイと魅力的に笑った。

「僕は……とても気に入ってるんですよ。
次期女王さまのこと。
聖女と呼ばれ、母親の愛情以外すべて手に入れた王女が、女王として君臨する………
危なっかしい第二王女がなるよりずっといい。
だけど、僕がやっとの思いで手に入れたものを壊そうとするなら容赦しない」

偽王子は両手を広げ、机に置き話す。
口がうまいペテン師に一方的に話されてるようで不愉快だった。

今、戦争をするのは得策じゃない。

それをすべて見越してコイツは………

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