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第2章
アリスの話1
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アリスの話1
オジサンの作った町を出てしばらくしたら、来る時に越えてきた丘があって、丘を越えた所に、オジサンが下半身を埋めたと言っていた盗賊がいるらしいから、その盗賊がどうなったかの確認をオジサンに命じられて、モブ君達と向かうと、穴が空いているだけだった。
「きっと仲間に助けられたんだな」ってモブ君は少し怖い顔で辺りを警戒しだしたけど何も無かったのか、直ぐに警戒を解いて他の冒険者達の列に戻って王都に帰る為に歩きだした。
「あ~あ、とうとうおじさんと離れ離れになっちゃったね。私も着いて行けば良かったな~」
愛が唐突に言い出したから少しビクッとなったけど、何言ってんだろ?この子は!
「愛!王都には英雄君に撫子がいるでしょうが!」
「そのくらい分かってるよ!
アリス、一々五月蝿い!」
「なっ、何言ってんの!アンタが着いて行けば良かったとか言うから」
「まあまあ、アリスさん、ここに師匠が居たら拳骨されるか、嫌がらせされますよ?こんな会話をしていると知ったら」
そうモブ君が言って来たけど確かに、オジサンならやりそう。
「アリス、ごめん少し言い過ぎたよ」
「みんなミーツさんの事好きだったから仕方ないよ」
「なっ!ビビお前やっぱり師匠の事好きだったのかよ!」
「何言ってんのモブ、好きの違いが分からない?」
喧嘩している風に見えて、ビビとモブ君はイチャイチャしだした。
「これだからリア充は!」と愛が呟いてるけど、リア充って何?
分からないけど多分、碌な言葉じゃないと思う。
のんびりと行っても良いけど他の冒険者の人で、早めに帰らないといけない人が複数いるから私達は小走りで走っていたけど、私と愛は魔導師系だし体力面は鍛えて無かったから直ぐにバテてしまった。
そんな私達を見ていたポケ君が戦闘以外は馬車に乗ってても良いと、言ってくれたからその言葉に甘えて二人で乗っていると、それを見ていたジャス君が文句を言ってきた。
「何でアリスちゃんと愛ちゃんだけ乗せるんだよ。俺が一番レベル低いのによ~」
「ジャスさん、師匠なら嫌がらせしながら無理矢理走らせると思いますよ?」
「な!オッサン、ポケにそんな事したのか?」
「僕達はされてないですけどニックが近い事されてましたよ。護衛の依頼で王都に帰る途中、休憩無しで先頭を走ってた師匠が時たま後方を走ってる僕たちの所に戻ってきて、ニックを後ろから小突いたりしてましたよ。
だから、あまり小言を言ってると師匠の代わりに兄ちゃんがジャスさんを小突くと思いますよ?」
「マジかよ」
私は馬車の中からポケ君とジャス君の話を聞いていたけど、オジサンそんな事してたんだ。
私達には優しいオジサンだったのになぁ。
それを聞いたジャス君が文句を言わなくなって、黙って走るようになっていた。
そして、来る時4日もかかったのに2日で王都に帰り着いた。
途中途中で魔物が出たけど、今回の冒険者達のレベルが高かったからなのか、分からないけど直ぐに倒していったから、私達は何かする前に終わる事が多かった。
王都に帰り着いた時点で一番冒険者歴の長い人が、馬車を魔物専門?とした宿的な所に連れて行くと言って連れて行ったけど、なんだろう?魔物専門の宿ってこの辺りで見た事無いけど……
帰って来たのは良いけど、やっぱり王都ってごちゃごちゃしてて、街も汚いなぁ。
ここも、オジサンが綺麗にして行ってくれたら良かったのに何で汚いままで行っちゃったんだろう。
やっぱり、ここの王様に恨みを持ってるからかな?
考えても仕方ないから、ギルドにモブ君達と私達の計6人で入り、受付に並んで今回のギルドで貰う報酬を受け取った。
私達とポケ君はオジサンの言う通り、ギルドで貰う報酬は金貨1枚の報酬だけど、ビビとモブ君は金貨3枚貰って居た。
ビビとモブ君に私達とは違う札を渡していたから、アレが報酬の違いなんだろうな。
「私と愛はギルドマスターのグレンさんに話があるから、一旦此処で解散しようか。
宿は賢さん達が泊まってる宿に移るから、後でそっちに合流しようよ。
宿については、ジャス君に既に教えてるからジャス君お願いね?」
「あぁ、先ず宿が空いてるかどうかを確認してから移るよ」
「それは大丈夫だよ。既にオジサンと賢さんが宿の予約済みだって言ってたから、依頼前迄泊まってた宿は、荷物を受け取ったら移っても大丈夫だって言ってたよ」
私がジャス君にそう言うと、ジャス君は「了解」だけ言ってモブ君と喋りながらギルドを出て行った。
私と愛はギルドマスターであるグレンさんの部屋に向かって、ノックをするけど出てくる気配がない。
仕方ないから、下に戻ってオジサンと仲が良かった筈のモアさんを探す事にした。
モアさんは直ぐに見つかったけど、受付の中にいるから、私は並び直して受付のモアさんに話す事にしたけど面倒だなぁ。
私の後ろに愛が居て、愛はオジサンから貰ったマジックバックの中身を見ていた。
そういえば、オジサンはマジックバックの事を略語でM.Bって呼んでたな。
これからは、私もオジサンを真似してM.Bって呼ぼうっと。
それにしても、不思議な鞄だなぁ。
鞄を開くと、頭の中に鞄の中身のリストが映画とかのスタッフロールの様に流れるから、異世界とはいえ不思議な鞄だよね。
「あ、アリス、凄いよ!」
唐突に愛が驚いたように、私の名前を呼び私の服を引っ張った。
「何よ!引っ張らないでよ。
ローブが伸びちゃう」
「あのね。今、魔法鞄の中身をチェックしてたらね?凄い物が入ってたんだよ?
きっとアリスも嬉しいと思うよ?」
なんだろう、気になるけど、もう少しで私の順番になるから後でって事で、先に受付の方に話す事にしてた。
「あの、モアさんですよね?ギルドマスターが、どちらに居るか教えて貰えませんか?」
「あぁ、貴女はミーツさんと同じ国の方ですね。ギルドでの登録振りですね。
ギルマスですね、少しお待ち下さいね」
モアさんは受付内に入ると、中で他の受付の人と話している風だ。
話し終わったのか、私がいる受付に戻って来た。
「お待たせ致しました。
もうじき戻ってくると思いますので、ギルマスの部屋の前で待ってるか、このロビーの椅子で待っていたら良いと思いますが、いかがでしょうか」
モアさんが椅子に座れば?そう提案してきたけど私達は上で待ってる事を伝えて、上にあがってグレンさんの部屋の前で待つ事にした。
部屋の前は、特に椅子がある訳ではないけど、部屋の前で待ってると、先程の愛の驚きが気になって来た。
「愛、さっきは何に驚いていたの?」
「あのね、あのね!おじさんがね。
トイレットペーパーを大量に入れているんだよ!凄いよね?ね?」
「うん、それは凄いね。
やっぱり例の魔法でかな?」
「そうだよ!それしか無いじゃん!
だってこの世界に来てトイレットペーパーどころか、ティッシュ自体見てないじゃない」
確かに愛の言う通り、トイレットペーパーは凄く貴重で有難いと思う。
この世界でのトイレは、ポットン便所で、拭く時は水に濡らした大きな綿棒みたいな物で拭かなければならないから、とても衛生面では不潔だ。
だから、オジサンにはとても感謝しなければならないね。
こうして愛と話していると、下から上がって来ている人の気配を感じて、上がってくる人を見てるとグレンさんだった。
「おう、帰ってきたか!
ミーツは何もやらかさなかったか?」
そうグレンさんは言うけど、私達は目を逸らして黙ってしまった。
「…何かあった様だな。
とりあえず、部屋に入れ。
詳しい話は部屋で聞くからな」
グレンさんは部屋の扉を開け、先に入り扉を開けたままで、私達を招き入れてくれた。
オジサンの作った町を出てしばらくしたら、来る時に越えてきた丘があって、丘を越えた所に、オジサンが下半身を埋めたと言っていた盗賊がいるらしいから、その盗賊がどうなったかの確認をオジサンに命じられて、モブ君達と向かうと、穴が空いているだけだった。
「きっと仲間に助けられたんだな」ってモブ君は少し怖い顔で辺りを警戒しだしたけど何も無かったのか、直ぐに警戒を解いて他の冒険者達の列に戻って王都に帰る為に歩きだした。
「あ~あ、とうとうおじさんと離れ離れになっちゃったね。私も着いて行けば良かったな~」
愛が唐突に言い出したから少しビクッとなったけど、何言ってんだろ?この子は!
「愛!王都には英雄君に撫子がいるでしょうが!」
「そのくらい分かってるよ!
アリス、一々五月蝿い!」
「なっ、何言ってんの!アンタが着いて行けば良かったとか言うから」
「まあまあ、アリスさん、ここに師匠が居たら拳骨されるか、嫌がらせされますよ?こんな会話をしていると知ったら」
そうモブ君が言って来たけど確かに、オジサンならやりそう。
「アリス、ごめん少し言い過ぎたよ」
「みんなミーツさんの事好きだったから仕方ないよ」
「なっ!ビビお前やっぱり師匠の事好きだったのかよ!」
「何言ってんのモブ、好きの違いが分からない?」
喧嘩している風に見えて、ビビとモブ君はイチャイチャしだした。
「これだからリア充は!」と愛が呟いてるけど、リア充って何?
分からないけど多分、碌な言葉じゃないと思う。
のんびりと行っても良いけど他の冒険者の人で、早めに帰らないといけない人が複数いるから私達は小走りで走っていたけど、私と愛は魔導師系だし体力面は鍛えて無かったから直ぐにバテてしまった。
そんな私達を見ていたポケ君が戦闘以外は馬車に乗ってても良いと、言ってくれたからその言葉に甘えて二人で乗っていると、それを見ていたジャス君が文句を言ってきた。
「何でアリスちゃんと愛ちゃんだけ乗せるんだよ。俺が一番レベル低いのによ~」
「ジャスさん、師匠なら嫌がらせしながら無理矢理走らせると思いますよ?」
「な!オッサン、ポケにそんな事したのか?」
「僕達はされてないですけどニックが近い事されてましたよ。護衛の依頼で王都に帰る途中、休憩無しで先頭を走ってた師匠が時たま後方を走ってる僕たちの所に戻ってきて、ニックを後ろから小突いたりしてましたよ。
だから、あまり小言を言ってると師匠の代わりに兄ちゃんがジャスさんを小突くと思いますよ?」
「マジかよ」
私は馬車の中からポケ君とジャス君の話を聞いていたけど、オジサンそんな事してたんだ。
私達には優しいオジサンだったのになぁ。
それを聞いたジャス君が文句を言わなくなって、黙って走るようになっていた。
そして、来る時4日もかかったのに2日で王都に帰り着いた。
途中途中で魔物が出たけど、今回の冒険者達のレベルが高かったからなのか、分からないけど直ぐに倒していったから、私達は何かする前に終わる事が多かった。
王都に帰り着いた時点で一番冒険者歴の長い人が、馬車を魔物専門?とした宿的な所に連れて行くと言って連れて行ったけど、なんだろう?魔物専門の宿ってこの辺りで見た事無いけど……
帰って来たのは良いけど、やっぱり王都ってごちゃごちゃしてて、街も汚いなぁ。
ここも、オジサンが綺麗にして行ってくれたら良かったのに何で汚いままで行っちゃったんだろう。
やっぱり、ここの王様に恨みを持ってるからかな?
考えても仕方ないから、ギルドにモブ君達と私達の計6人で入り、受付に並んで今回のギルドで貰う報酬を受け取った。
私達とポケ君はオジサンの言う通り、ギルドで貰う報酬は金貨1枚の報酬だけど、ビビとモブ君は金貨3枚貰って居た。
ビビとモブ君に私達とは違う札を渡していたから、アレが報酬の違いなんだろうな。
「私と愛はギルドマスターのグレンさんに話があるから、一旦此処で解散しようか。
宿は賢さん達が泊まってる宿に移るから、後でそっちに合流しようよ。
宿については、ジャス君に既に教えてるからジャス君お願いね?」
「あぁ、先ず宿が空いてるかどうかを確認してから移るよ」
「それは大丈夫だよ。既にオジサンと賢さんが宿の予約済みだって言ってたから、依頼前迄泊まってた宿は、荷物を受け取ったら移っても大丈夫だって言ってたよ」
私がジャス君にそう言うと、ジャス君は「了解」だけ言ってモブ君と喋りながらギルドを出て行った。
私と愛はギルドマスターであるグレンさんの部屋に向かって、ノックをするけど出てくる気配がない。
仕方ないから、下に戻ってオジサンと仲が良かった筈のモアさんを探す事にした。
モアさんは直ぐに見つかったけど、受付の中にいるから、私は並び直して受付のモアさんに話す事にしたけど面倒だなぁ。
私の後ろに愛が居て、愛はオジサンから貰ったマジックバックの中身を見ていた。
そういえば、オジサンはマジックバックの事を略語でM.Bって呼んでたな。
これからは、私もオジサンを真似してM.Bって呼ぼうっと。
それにしても、不思議な鞄だなぁ。
鞄を開くと、頭の中に鞄の中身のリストが映画とかのスタッフロールの様に流れるから、異世界とはいえ不思議な鞄だよね。
「あ、アリス、凄いよ!」
唐突に愛が驚いたように、私の名前を呼び私の服を引っ張った。
「何よ!引っ張らないでよ。
ローブが伸びちゃう」
「あのね。今、魔法鞄の中身をチェックしてたらね?凄い物が入ってたんだよ?
きっとアリスも嬉しいと思うよ?」
なんだろう、気になるけど、もう少しで私の順番になるから後でって事で、先に受付の方に話す事にしてた。
「あの、モアさんですよね?ギルドマスターが、どちらに居るか教えて貰えませんか?」
「あぁ、貴女はミーツさんと同じ国の方ですね。ギルドでの登録振りですね。
ギルマスですね、少しお待ち下さいね」
モアさんは受付内に入ると、中で他の受付の人と話している風だ。
話し終わったのか、私がいる受付に戻って来た。
「お待たせ致しました。
もうじき戻ってくると思いますので、ギルマスの部屋の前で待ってるか、このロビーの椅子で待っていたら良いと思いますが、いかがでしょうか」
モアさんが椅子に座れば?そう提案してきたけど私達は上で待ってる事を伝えて、上にあがってグレンさんの部屋の前で待つ事にした。
部屋の前は、特に椅子がある訳ではないけど、部屋の前で待ってると、先程の愛の驚きが気になって来た。
「愛、さっきは何に驚いていたの?」
「あのね、あのね!おじさんがね。
トイレットペーパーを大量に入れているんだよ!凄いよね?ね?」
「うん、それは凄いね。
やっぱり例の魔法でかな?」
「そうだよ!それしか無いじゃん!
だってこの世界に来てトイレットペーパーどころか、ティッシュ自体見てないじゃない」
確かに愛の言う通り、トイレットペーパーは凄く貴重で有難いと思う。
この世界でのトイレは、ポットン便所で、拭く時は水に濡らした大きな綿棒みたいな物で拭かなければならないから、とても衛生面では不潔だ。
だから、オジサンにはとても感謝しなければならないね。
こうして愛と話していると、下から上がって来ている人の気配を感じて、上がってくる人を見てるとグレンさんだった。
「おう、帰ってきたか!
ミーツは何もやらかさなかったか?」
そうグレンさんは言うけど、私達は目を逸らして黙ってしまった。
「…何かあった様だな。
とりあえず、部屋に入れ。
詳しい話は部屋で聞くからな」
グレンさんは部屋の扉を開け、先に入り扉を開けたままで、私達を招き入れてくれた。
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