底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第3章

第43話

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第43話

広場に移動した俺は、早速一番大きい黄金である巨大黄金鴉を出した。

「な、なんだ、この大きさは!こんな魔物があのダンジョンに居たというのか」

王は驚愕しているが、良く見ればメリアンとスカルブ以外、皆んなが驚いていた。

 俺の側には王が直ぐ隣に居て、俺の背後にガメニとメリアンにキモがいて、その周りを取り囲む様に兵士長と補佐のグリーさんを中心に俺が王に変な行動を起こさない様に見守っている。
 騎士達は先程の俺の殺気が怖かったのか、離れた場所で俺を見ていた。

「別室でメリアンから、ある程度聞いていたけど、とんでもねぇなオッサン」

「ミ、ミーツさん、これは何階層で現れた魔物なんだ?」

「ん?確か五階層だったかな?
キモ達は見た事なかったのか?
メリアンは見た事を無かったって言ってたけどキモ達もか?」

「無いよ!こんな魔物がいる階層とか怖くて行ける訳がない。ビッグゴールドスコーピオンでも怖かったのに」

「じゃあ、キモ達は運が良かったんだな。
俺の運はとても低いからな」

「冒険者ミーツよ、これでも相当な金貨が作れるが、先程の口ぶりからすると、まだ何かありそうなんだが、他に何があるのだ?」

「そうですね。コレが一番大きいってだけでまだまだありますね。それをこれから出して行きます」


王が恐る恐る、他の黄金が見たいと言ってきたので大物から出して行こうと、巨大スカラベに黄金蜂に巨大レッドモスを出した辺りで、広場は黄金で一杯になり、王が手を前に出してストップを掛けてきた。


「お主はまだ持っているのか?」

「後は小物ばかりですけど、持ってますね。
他は小さいスカラベにゴールドスコーピオンに黄金鴉と砂金が山ほど、とまだまだ色々持っていますよ」

「そうか、ならばもうよい。ワシらはこの広場にある黄金だけでよい。
残りの黄金は、お主が良ければだが残りの冒険者達で分けるとよい」


元々そのつもりだったけど、強欲な王だったらと思って多めに持って来ていたけど、大きい奴だけで充分だという王に驚いた。

「本当に良いんですか?
まだまだ黄金ありますよ?」

「よい、ワシからも罪滅ぼしの為に冒険者達には償いとして、出来ることをして行くつもりだ。
ただし、お主を除いてだけどな?
お主はダンジョンを楽しんでいたのだろう?兵士長補佐が移動中に教えてくれたのでな」


 グリーさんか、余計な事を王に言ったみたいだな。
 まぁ、でも長居はしないつもりだし、冒険者達に出来る事をして行くって言うし、まぁいっか。

「良いですよ。俺はこの国は長居しないし、冒険者達がこれから優遇されるなら、後の事はお願いしますよ。
 ついでにシルビアの後任に、俺の仲間のロイスをお勧めします。
次のギルマスが決まる迄でいいのでお願いしますね」


やっぱり黙って行くのはマズイと思ってダンジョンを壊した事を話そう。


「あの、一つ謝らなければならない事があるんですけど、良いですか?」

「ん?なんだ?お主の事は大概の事は許そう」


お、許してくれる雰囲気だ。
イケるか?

「実は優しい方のダンジョンコアを壊してしまい、結果ダンジョンを破壊してしまったんです」

「な、なんだとー!
ダンジョンがどれ程の利益をもたらしてくれるのか、お主は分かってて言っておるのか?そのダンジョンを壊したって、どの様に責任を取るつもりじゃ?
その前に本当に壊したのか?」


 やっぱりダンジョン壊したのは、許してくれなさそうだ。
 本当に壊したかを疑いだした所で俺は王の肩に手を置き、壊したダンジョンの入口に転移した。


「何じゃ此処は!今迄広場にいた筈なのに何でワシはこんな崩れた場所にいるのだ?
幻覚か?ワシに幻覚を見せておるのか?」


 しまったな、何も言わずにダンジョンに連れて来てしまったから、混乱して驚かれてしまった。

「すみません、此処が壊したダンジョンです」

「何だと?どうやって此処にワシを連れて来た?」


瞬間転移の事は言わない方が良さそうだから、超スピードで連れてきたとかにするかな?それとも違うスキルで連れて来たとかにするか?瞬間転移ではなく、普通の転移持ちにしようかな。


「そうですね、特定の場所限定ですが、転移が出来るんです」

「ほう、転移持ちだったか。
でも矢鱈と素早い転移だったのう、普通はもっと時間かけて転移するんだが、転移のスキルはいつ覚えた?最初からか?」


転移って普通は時間が掛かるのか。俺が持っているのは瞬間転移だけど、言ったらきっと、面倒な事になってしまうよなぁ。
いつ覚えたとか急に覚える事もあるのかな?


「そうですねぇ、秘密です。
あまり公にすると色々面倒なので」

「うむ、確かにそうだが気になるのう。
行った事無い場所でもいけるのか?それだけでも教えてくれぬか?」

「行った事を無い所は無理ですね。
絵画を見ただけとかでも無理ですね」

「成る程、ならば主には爵位を与えてやるから、ワシの元に仕えよ」


 いきなり話が飛んで、爵位とか仕えろとかの話になってしまったが、冗談じゃない!

 この王は嫌いじゃないが、罰を与えるとしてもいずれ帰ってくる王妃がいる所に仕えるのは嫌だ。
それに隣国のあの国とも同盟関係だし、俺がこの国の貴族になればあの国の王族とも関わらなきゃいけなくなるのも嫌だから断ろう。


「お断りします。理由は王妃が嫌いなのと、隣国のクリスタル国が嫌いだからです」

「それだけか?それだけでは理由として弱くないか?お主も、いい歳なんだ。
いつまでも冒険者などやってないで、ワシに仕えた方が良くないか?
今なら、ワシの側近にしてやってもいいぞ?ダンジョンを壊した償いとして、それで許してやるぞ?」


 この王の頭の中は、お花畑で咲き乱れているのか?
 いくらダンジョンを壊した償いでも、それは無いな。
 もう一つのダンジョンもあるし、たっぷりと黄金も出してあげたのに、段々とイライラして来た。

「はぁ、とりあえず俺のダンジョンに転移しますよ」

それだけ言うと、ダンジョンの最下層の超弩級デスワームがいる階層に転移した。

「な、何だ此処は!
ワシはどこに来たんだ?」

「ここは俺の管理するダンジョンの最下層であるボスがいる階層ですよ」


そう言うと、至近距離で超弩級デスワームが俺達を横切り姿を現した。

「何ちゅう大きさだ。
コレは何て魔物だ?」

「知らないんですか?コレはデスワームですよ。この場所じゃ襲われるかも知れないんで、ちょっと飛びますよ」


 王を脇に挟んで飛び上がると、丁度タイミングよく俺達を食おうと下からデスワームが口を開け上がってきたが、間一髪喰われなかった。

王の口はパクパクしていて、言葉を発しようとしているみたいだが、思う様に口に出来ないでいるみたいだ。

「分かりました?俺を怒らせると、コレを地上に出す事も可能なんですよ?」


それだけ言って、デスワームを手刀で衝撃波を出して輪切りにして倒し、ダンジョンの魔物情報を操作して同じ場所に巨大黄金鴉を出現させた。

「こ、これが生きてる黄金鴉か…」

 王はそれだけ言うと、俺達の下を飛び回る黄金鴉を見下ろした。
 それを俺は炎熱剣をI.Bから取り出して黄金鴉の背に飛び降り、最初に倒した時と同様に剣を突き刺して倒した。

勿論、倒した巨大黄金鴉はI.Bに入れ、一旦、王を最期のセーフティゾーンに転移して置き去りにして俺だけコアの場所に転移した。
 そして、コアに魔力を込めて再度王の元に戻った。

「なんて所に置き去りにするのだ!」

 涙目の王に怒られてしまったが、これで俺を貴族にするなんて馬鹿な事を言わなくなるかな?

そう思って王を連れて再び広場に転移した。
転移した瞬間、俺と王が消えた事によって騒めいていたであろう兵士や騎士達が俺と王に駆け寄り、俺に槍や剣を向けてきた。


「よい、この者に手出しする事はワシが許さん!下手に手を出すとこの国は滅ぶと思え」


 そう王は俺の前に立ち兵士や騎士達を抑えた。ダンジョンで余程デスワームや黄金鴉が怖かったみたいだな。
でも、俺がダンジョン壊したのはもう良いのかな?

「もうダンジョンの事は不問に処す。
ワシの側近の話も爵位の話も無しだ」

「本当ですか?やった!」

「嬉しそうだな?そんなにワシの側近になるのが嫌だったか?」


嬉しくて態度を露わにしてしまった。
だが、正直に行こう。

「そうですね。正直に言えば嫌でしたね。
ダンジョンを壊した償いとして、無理矢理この国に拘束させるつもりでしたら、本当にこの城内限定でスタンピードを起こしていたか、力尽くで逃げていたかも知れませんね」


「そうか、お主の取り扱いは一歩間違えれば大変な事になるのだな。
爵位や側近はもう良いが、定期的にでもお主はダンジョンに来い。
お主がダンジョンマスターであれば、ダンジョンに関する事をやって貰わなければならぬからな」

「まぁ、シルビアの件もあるし、偶に見には来ますよ。今度はダンジョンのみで、コッソリ来ます」

「うむ、分かったが、その時に兵士か誰か居れば来た事くらいは伝えろ」

「うーん、それじゃコッソリの意味がないし喋りたければ喋るし、基本的に少し操作か魔力の供給して帰りますよ」


あれ?そういえばスカルブの姿が見当たらない。シルビアにアイアンクローをかました後、広場に移動する時くらいから見てないが姿を消しているのか?

「スカルブ、側に居るか?」

「はい、側に控えております」

小声で言うと、俺の耳元に普通の声でスカルブが返事をした。
姿が見えないが側に居るみたいだ。


「ん?お主誰と話しておる。姿が見えないが先程まで居た、お主の仲間か?」


 スカルブと同様に近くにいる王に、俺とスカルブの声が聞こえたみたいで、俺に聞いてきた。

「そうですよ。そろそろやる事も無くなって来ましたし、帰らせて貰いたいんですけど、いいですよね?」

「うむ、兵士長補佐に帰りまでを案内させよう。お主と兵士長補佐は歳が近いのか、仲が良いみたいだからの」


別に仲が良い訳じゃ無いけど適当に「そうですね」だけ言い、グリーさんに案内をお願いした。




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