底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第4章

第42話

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第42話

「おっさん、そろそろ説明してくれよ。
この馬車もだけど、王都をあんな一瞬で出られた事の説明をよ」


俺がアッシュを撫でてあげていると、馬車の荷車の方からグレムがこの荷車を何処から出したのかと王都を一瞬で出た事による説明を求められた。


「そうだな。王都を一瞬で出られたのは魔法のお陰だと言っておこうかな。
俺の魔法は一度行った場所や目で見える場所に、近くなら壁の向こう側とかに行く事が出来る瞬間転移魔法というのがある。
その魔法を使ったんだ。馬車の荷車については、まだグレムにも言えない。瞬間転移以上に桁外れたスキルだと思ってくれていい」

「フフクク、アッハッハッハーー、おっさん、どんな説明するかと思ったら何なんだよ!
そのデタラメな説明はよ。
瞬間転移?そんなもん聞いた事ないぜ。
分かった。おっさんがそんなデタラメを言うんだ。どうしても言えない事情があるんだな?
今のところは、これ以上は聞かない事にする」


俺はグレムの質問に想像魔法だけを伏せて正直に答えた。するとグレムは急に笑い出し、俺が言った事はデタラメの嘘八百にされてしまった。


「嘘じゃないんだけどなぁ」

ボソリと言ったが、グレムはもう荷車に戻ってあの大量のマダニの大群から逃げられた喜びを仲間達で喜び合っていた。

今度嘘じゃない事を証明してやろうと思い、今のこの場ではグレム達の喜びに水を差すような真似は控えようと思った。

そして空を見上げると、真っ赤に染まる夕日が見えた事から今いるこの場では野営をする事にした。ある程度落ち着いてきたグレム達の様子を見て、この場では野営をすると言うと、グレムは少し曇った顔になった。


「おっさんマジかよ。こんな何もない荒野でか?せめて水辺がある所まで行かないか?
それに、この辺りは魔物が出やすいんだぜ」

「ふーん、どんな魔物?」

「オークやオーガにゴブオークにゴブオーガも偶に出るらしい」

「お、初めて聞くな。ゴブオークにゴブオーガってどんな魔物だ?」

「おっさんBランクなのに知らねぇの?ゴブリンがオークやオーガを孕ませた魔物だよ。
ゴブリンって人型の女の身体してると種族関係なく襲って集団で犯すだろ?そんなゴブリンの子供で稀にオークやオーガが生まれるんだよ。
見た目はオークやオーガみたいな体格のゴブリンだけど、力や能力もオークやオーガの力をそのまま受け継いでいる上、ゴブリンの繁殖力も受け継いでいるんだよ」

「へぇ、それは怖いな。そういや、前にオークのメスを犯しているゴブリンを見たことあったな。見るに耐えないから、犯されてるオーク共々倒したけど、あれで正解だったって事だな」

「おっさん見た事あったのか?よく生きられたな。おっさん運が悪いな。大概ゴブリンが女を犯す時は周りに危険がない時に犯すんだ。だからオスが近くにいるのが分かれば集団で襲いかかってくるんだよ」

「でもゴブリンはゴブリンだろ?何匹いても大差は無いさ。ジャイアントゴブリンでも一緒だよ」

「すげぇなおっさん、ジャイアントゴブリンも倒せるのかよ。だったら大丈夫かな?でも…」


まだ不安そうにしているグレムを安心させてやろうと、馬車を囲むように大きく岩のドームを想像魔法で出して、前と同じように光の玉を天井付近と、内部の横壁に数点浮かせた。

今回は外の様子も見やすくする為に、ドームの横壁に覗き穴を数点開けた。これでどんな魔物がドームに近づいても一目で分かるだろう。


「おっさん、すげぇ。これも魔法か?」
「そうだよ」

馬車からマリエさんやグレムの仲間達も外を眺めて驚いている。

「おじさま凄いです。お母さんに聞いた通り、転移者って凄い力を持っているんですね。おじさまはこんな力を持っているって事は賢者様なんですか?」

「マリエ、前も言ってたテンイシャってなんだ?」


マリエさんはグレムに転移者について質問された事で手を口に当てて、口を滑らせてしまった!という感じで驚いている。

「あ、あの、おじさま」

「うん。話しにくいよね。よし!グレム、ちょいと三人だけで話そうか」

「いえ、お母さんが残した日記を読んで貰えたら、お母さんの事が分かると思います。
グレムには私から転移者について話しておきます」


マリエさんは大きなリュックをゴソゴソと漁った後、分厚い辞書程の本を取り出して渡してきた。


「これがお母さんの日記です。
この世界に来てからの事を思い出しながら纏めて書いたそうです。この世界の文字じゃないので、読みにくいですけど、おじさまなら大丈夫でしょうか?」


受け取った日記の表紙にはデカデカと『マリコ』とマリエさんの母親であろう名前が書いてあった。
そして日記を開いた最初のページに『呪い』と書いてある。

「あのマリエさん?これって他人が読んじゃいけないやつじゃないの?」


最初のページに不吉な文字が書いてある為、マリエさんに日記を返した。


「あ!忘れてました。これって読む人がある程度の魔力を流し込まないと呪いがかかってしまうんでした。表紙の名前の所に魔力を流して下さい」


再度日記を受け取り、言われた通り表紙のマリコの部分に手を当てて魔力を流し込むと日記自体がジンワリとポワーっと光り、日記がパラパラと自動で開いて先程の呪いの文のページの先まで進み、ページが勝手に止まった。

さあ、これから読もうと思った時、馬車内の雰囲気がおかしい事に気が付いた。
今迄ずっと表情が無表情だった首輪をしている女性達の息遣いが荒くなってきていて、更にグレムの仲間達もそんな女性達を見ている事で股間が膨らんで来ていた。


「マズイな。女性達の様子が変だ。グレム、お前の仲間達が変な気を起こさないうちに馬車から降ろして女性達から隔離するぞ」

「あ、あぁ、べ、別に良いぜ。
でも、俺も一緒に降りた方が良いかもだぜ」


グレムも息遣いが荒々しくグレムの仲間達と同じく股間が膨らんでいた。
今にも女性達に襲いかかりそうな雰囲気だった為、グレムを含んだ俺以外の男達全員、馬車からドームの端に転移させて更に転移させた場所を壁を囲った小部屋を作った。

俺も女性達を見ているとムラムラとしてエッチな気持ちになってきたが、あの時の兵舎で起こったような事になっては堪らないと考え、ロップにお願いをした。


「ロップ、もし俺が女性達エッチな意味で手を出そうとしたら思いっきり俺の頰をぶっ叩いてくれ」

【うん、分かったわ。
でも主様、人間のエッチって分からない。
主様がその雌に手を出して交尾をしそうになったらでいいの?それだったら遠慮なく叩くね】


ロップからの返事は聞こえなかったが、首輪をしている女性達の一番息遣いの荒い子に近付くと、いきなり俺の首に手を回して抱き付いてきた。
抱きつかれて気が付いたが、女性の首輪が発熱していて少し熱く感じる。


「あのー、おじさま?もしかしたらですけど、この方々は隷従の首輪に媚薬効果も含まれて着けられていると思われます。だからグレムと他の男共は女性達の近くにいると媚薬効果が発動して性欲が抑えられなくなってきたんだと思います。だからグレムも冷静でいられなかったんだと思います」


今迄の様子を黙って見ていたマリエさんは淡々と、冷静に女性達の症状について語ってくれた。

「なるほど、なら首輪を外せば元に戻るという事かい?」

「はい。可能性はあります。
ですが、力ずくで無理して首輪を外せば精神が崩壊して廃人になると思われます。首輪は特殊な首輪職人が作った物なので、外すのは職人か鍵を持った者しかいないと思います」

「いんや、誰も力ずくで外すとは言ってないよ。
アッシュ!また頼みたい。女性達の首輪だけを食ってくれ頼む。最初は俺に抱き付いている人からお願い」
【はーい。やったー、また頼まれた~】


胸にいるアッシュは女性達の首元に絡み付き次から次へと首輪を溶かして行った。
首輪を溶かされた女性は順に気を失って行く。
そんな様子を見ていたマリエさんは、口は半開きで目をまん丸にして見ていた。


「お、おじさま?おじさまはスライムを使役しているんですか?」

「ん?使役っていい方はあまり好きじゃないけど、俺の使い魔だよ。さっき馬車に張り付いていたマダニを喰らったのも俺のスライムであるアッシュだよ。まぁ、スライムのアッシュもロップも使い魔にしようと思ってしたんじゃなく、成り行きでなっただけなんだよね」

「いえいえいえ、スライムですよ?
スライムを成り行きなんかで使役できませんって!それに首輪をあんな一瞬で溶かすとかってスライムでも無理ですよ」

「んー、でも俺の使い魔のアッシュは出来ちゃってるし、細かい事はいいんじゃないかな。
女性達もそのうち意識を取り戻すだろうし、グレム達を呼び戻して食事の準備でもやっとこっか」

「あの、あまり食事の準備ができる程の食材を持っておりませんが工夫してスープだけでも皆さんに配れるように頑張ります。それに少しですが教会で育てていた野菜もあります。
なので、おじさま、水辺がある所までの護衛をお願いしたいのですが」

「あー、その事については問題ないよ。
食材も水も食器も全て俺が用意するから料理だけやってくれないかな?俺が作っても良いけど味は保証しないよ。とりあえず、グレム達を連れてくるね」


馬車内は気を失った女性達と寝ている子供達にロップとアッシュを残して、マリエさんと馬車を降りて、ドームの端っこに隔離していたグレム達の小部屋の壁を取り除き解放してI.Bに豊富に入っているオークや牛魔の肉と想像魔法でキャベツやジャガイモなどの野菜を適当に出してあげると、今度はグレム達も驚き口をパクパクさせている。

そんなグレム達は放って置いて、次に竃(かまど)となみなみに入った水瓶に竃の横には薪木も忘れずに多めに出して置き、フライパンや鍋も忘れずに出して最後に人数分の深めの皿などの食器を想像魔法で出して一息ついた頃、グレムが俺の横腹の肉を掴んできた。


「おい、おっさん!これだけの食材に道具はどうやって出した!今度こそ教えて貰うからな!」

「いや、それより肉を掴むなよ。地味に痛いよ。
さっきも言った通りの秘密のスキルでだよ」

「おっさんの服を掴もうにも下のパンツしかないから肉を掴むしかねぇんだよ!秘密のスキルってなんだよ。教えろよ」

「だから、言えないって」
「言え!アタダダダダッ」

グレムが無理矢理俺に聞いてきた事で、マリエさんがグレムの片耳を引っ張って食材のある所まで連れて行ってくれた。


「グレム、言いたくない事は無理して聞いちゃダメよ。それにおじさまはこれだけの食材を出してくれたんだから、料理を手伝ってくれるよね?
勿論、貴方達もよ」


マリエさんはグレムの仲間達の方に振り向いて、仲間達も無理矢理手伝わせた。


「あ、そうだ包丁がなかったね。
包丁はないけどナイフでいいかな?」

俺はナイフをI.Bから取り出すと、グレムはそれを受け取ってグレム自身が使い始めた。マリエさんを見ると自分のを持っていたようで自分の包丁を使っている。


「出来上がったら呼んでくれ。その間はマリエさんから借りた日記を読んでいるからさ」

「チッ、いいご身分だな。おっさん」
「コラッ!そういう事言わないの!
おじさま、どうぞ読んでて下さい」


俺はグレム達に軽く会釈すると、馬車に戻って御者席に座って日記を読み始めた。


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