仕方なく開拓者になったけど、膨大な魔力のおかげで最高の村ができそう

Miiya

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第16話 獣人族

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 「なんだ今の悲鳴は!?スーちゃん!!今の悲鳴聞こえた?」

突然の声に驚くエルだが、すぐに遠くからスーちゃんが駆けつけてきたのを見るとエルは駆け寄りどうするか聞いた。

『ハッピー、あなたと畑ミニスーちゃんは先に聞こえた場所まで行ってください。後で応援部隊でエルフ達を派遣します。』と触手を使い作戦指揮をし始める。

 「ピイー!」

 「ハッピー無理はしないでね。俺も行ったほうがいいかな?いらない?」

ハッピーにいらないと言われしょんぼりするがすかさずスーちゃんが『エル様は何かがあった時のためにここにいてください。』と傷つけない言葉を選びフォローしていた。

ハッピーと畑にいたミニスーちゃんのうち10匹ほどが声のした方に走って向かった。スーちゃんはその様子を見て、エルを家に送った後自身も現場に向かうためエルフ達に声をかけた。

 至急北側に武装して来なさい!

 「なんですか!?今のは!?」

 「もしかしてスーちゃんさんの念話?念話って魔王クラスのモンスターが部下に命令する時の魔法よね。」

スーちゃんのいるエルの家からエルフの家は多少離れている。そのためスーちゃんは念話を使った。一口に念話と言うがスーちゃんの場合1.5km離れているところにしようと思えば魔王でも厳しい。

エルフ達は即座に武器を取り、スーちゃんに言われた場所に迅速に向かう。

 「ピイー!」

ヒューーーン!!

 「ぎゃあー!」

その頃森ではハッピーが風魔法で襲っている魔物を退治していた。

 「なんでいきなりゴブリンが飛んだんだ?ハーピー!?」

 「ピイー、、ピイ!」

 「ん?任せてくれってことか?」

 「ピイー♪」

ハッピーは驚いている獣人族の男に身振り手振りで言いたいことを伝える。そして伝わったことを確認すると再び戦闘に戻った。

ハッピーや畑ミニスーちゃんが健闘するも、相手のゴブリンの群れは50は超える数いる。さらに畑ミニスーちゃんのなかでも獣人族の警護に回ってる者もいるためすこし人員不足なのだ。

ピュン!

 「ギャアー!」

 「ピイー♪」

ハッピーの背後から来たゴブリンの額に矢が突き刺さった。

 「ハッピーちゃん、助太刀に参りました。」

エレル達エンシェントエルフ達が応援に駆けつけた。次々に飛んでくる矢にゴブリン達はなす術もなかった。

 「ところであなた方は……獣人、ドッグマンですね。」

 「はい、危ないところを助けていたたぎ誠にありがとうございます。」

 「いえ、しかしなぜドッグマンがこの森に来ているのですか?正直な話ここに来ることは死を意味しますよ。」

 「はい、実は……」

エレルがドッグマンのリーダーに話を聞いた。ドッグマンは食糧難に陥り、新天地を求めて動いていたところ、多数のモンスターに見つかり追いかけられてるうちにこの森に入ってしまったそうだ。

ドッグマンは決して弱くないが、食糧難による力不足、焦りに少数ということで壊滅寸前だったそうだ。

 「なるほど、事情はわかりました。」

 「ど、どうか俺達を少しの間かくまってくれ。エルフ達に頼むのは申し訳ねえがどうか、」

 「ふふ、大丈夫ですよ。きっと私たちの長はあなた方を迎えるでしょう。」

エレルはドッグマンのリーダーの肩をポンと叩くと、帰還する準備に移った。その間ゴブリンの素材等の回収は畑ミニスーちゃんに任されていた。

 「ピイー、ピイ!」

ハッピーはまたしても種や果実などを適当に採ったりもいだりしていた。

 「しばらく時間がかかります。その間に傷を治してください。薬草ですが。」

エレルは非常用の薬草をドッグマンたちに渡す。傷を負っている者が多かったため礼を言いすぐに食べた。

 「なんだこれ!?すごい効能だ!!」

エルの村の畑で採れた薬草は野菜と同じく魔力を多く含んでる。そのため野生に生えてる薬草よりも即効性と効力が高かった。

しかし、これほどの薬草をポーションにする技術力がまだエルフたちには持ち合わせていなかったため、本当に緊急時のものだった。

プニョん、

畑ミニスーちゃんが終わったとエレル達に触手を伸ばして合図する。それを見たエレルはドッグマンを守る陣形を組んで村まで帰還した。

~~~~~~~~

 「スーちゃん、ハッピーたち大丈夫かな。怪我してたらすぐに治してあげてね。」

エルはハッピーやその後に駆けつけたエルフたちのことを心配していた。もともと兵士志望ではあったものの最近の平和ボケしたためより心配していた。

しかしそんな心配するエルに『きっと大丈夫ですよ。ほら。』と安心させるようにエルの手に触手を乗せ、ある方向にもう一本の触手を伸ばす。

 「あ!!ハッピー!それにエレル達!大丈夫!?怪我とかないよね。」

 「ピイー♪」

ハッピーはエルを見るなりすぐに駆け寄り頭をスリスリとエルの体にくっつける。

 「実はゴブリンの群れがドッグマン達を襲っていたのです。そこで10人ほどのドッグマンをお連れしました。」

 「おー、獣人族って奴だな。はじめまして。俺はここのリーダー?見たいのをやってるエルだよ。」

 「は、自分はリーダーのターグスといいます。この度は助けてくださりありがとうございます。」

 「いいよいいよ、それよりお腹とか空いていない?いろいろ話を聞きたいしまずは宴をしようよ。」

 「へ?」

ドッグマン全員の頭にクエスチョンマークが浮かび上がるが、エルは宴を始めると宣誓するとスーちゃんが各部門に指示を出し準備を始めた。
 
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