隻腕の聖女

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7つの断章編

第10話

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まばゆい光の中で、一筋の線が薄っすらと私の目に焼き付いていた。

その線を辿って、振り返ると、
私の目に焼き付いた線は、
カマキリの悪魔の左腕と少女を繋いでいたことに気付いた。

「もしかして、さっきのあなたがやったの?」
私が聞くと、少女は小さく頷いた。

「あなた何者?・・・もしかして、悪魔なの?」
私は恐る恐る聞いてみた。
少女はまたしても小さく頷く。

驚いた。
確かに普通の少女がこんな場所にいるとは思えなかったが、
まさか悪魔だったとは。

しかも、ベアトリスの使い魔の攻撃を防いでしまうほど頑丈だったカマキリ悪魔の腕を、
一発で落とすほどの魔力を扱えるとは。

「こんな大きな力を持っていたとはな。」
振り返ると、カマキリの姿をした悪魔の腕は既に復活し、戦闘態勢を取り直していた。
しかし、無意味ではなかっただろう。
相手も腕を復活させるのに、魔力をかなり消耗したに違いない。

「しかし、断章を渡すわけにはいかん。」
カマキリの姿をした悪魔は、羽を大きく広げて威嚇体制に入った。
相手は更に必死になっている。
自らの危険を感じている証拠だろう。

私は少女の力に、勝機を見出した。
これほどの力であれば、適切に弱点を狙うことができれば、十分敵を倒せるはずだ。

「ねぇ、敵の弱点がどこにあるか見える?」
私は、しゃがみこんで少女と目線を合わせて問う。
少女は、その質問には頭を振った。

弱点が見え辛い相手なのか、
それとも少女にそれを見る力がないのか、
はたまたベアトリスの使い魔が邪魔で視界が遮られているのか、

いずれにせよ、弱点が特定できないのは、
悪魔との戦いではかなり不利だ。

「そう・・・。」
私は肩を落とした。

しかし、落ち込んでばかりもいられない。
なんとかして、敵の弱点を少女が撃ち抜く方法を見つけなければ。

周囲を見渡して、何か利用できるものはないかと探した。

しかし、ここは洞窟だ。
あるのは天井と壁ばかりで、特に使えそうなものは見当たらない。

ベアトリスの使い魔は相手と対峙するので精一杯で、
少女は怯えている。
リスバートは相変わらず戦いには参加せず、見守るばかりだ。

!?

私は敵の弱点を探るのに最適な人材がいることに気が付いた。

リスバートだ。

彼はベアトリスと違い、魔力を失ったわけではない。
戦う術を持たないから戦いに参加していないだけなのだ。

つまり、戦闘以外で魔力を扱うことなら、
十二分の力を有しているはずだ。

「リスバート、敵の弱点を探して。」
私はリスバートに近寄り、小声で命令した。

「いやいや、この状態で探すのは無理だ。
 見ただろう?あいつの攻撃は洞窟の壁から壁へ届くんだ。
 危険すぎて近寄れん。
 せめて、外だったなら違うかもしれんがな。」
リスバートも小声で返した。
確かに、上も横も囲まれた今の状態だと、
空を飛べたとしても、後ろに回り込むのは至難の業だ。

ならば、洞窟の外まで撤退し、
空から敵の弱点を確かめてもらうしかない。

「リスバート、私たちがここで耐えている間に、
 ベアトリスを洞窟から離れた、安全な場所へ避難させてくれない?」
その言葉だけで、リスバートは私のやりたいことを察してくれたのか、
すぐに洞窟の入り口のほうへと走っていった。

「何をこそこそと。」
カマキリの姿をした悪魔は羽を更に大きく広げて、羽ばたき始めた。

敵が何かを仕掛けようとしている。

私はカマキリ型の悪魔に向き直した。
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