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第41 話 ジンジュノモリ

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トーシンとアリシアの2人は「人樹の森」の入口にまで来ていた。

「ここが人樹の森か。アリシアはこの森にどんなモンスターがいるか知っているのか?」

「あぁ、少しなら知ってるぜ。この森には、前にも1度だけ来たことあるからな。まず、最奥で待ち構えてるのはグロウッドだ。主な攻撃手段は腕のように成長した枝による打撃。けど、予備動作がでかいから避けんのは割と簡単だな。」

「なるほどな。でも、それだけじゃないんだよな?」

「まぁ、そうだな。厄介なのはピンチになった時あいつは口から5つの種を吐き出してそれを急成長させ取り巻きをつくるんだよ。その取り巻き達は攻撃力低いしスピードも遅い。ただ、ものすごく鬱陶しいんだよ。」

「またそのパターンか…。」

トーシンはキングコボルト戦の時のコボルトサーヴァント達を思い出しそう呟く。

「またって前にも似た経験があるのか?」

「あぁ、まぁキングコボルトと戦った時にね。」

「あー、なるほどな。まぁ、たしかに今回のグロウッドも似たようなもんだな。残りの道中のモンスター進みながら話すよ。」

そして、人樹の森の中に入ると再びアリシアは口を開く。

「まずはあれだ。」

そう言ってアリシアが指さした先にあったのは、赤い卵型の実がなっている樹だった。

「あれがモンスターなのか?」

「そうだよ、あいつはパラサイトフルーツって言って攻撃も何もしてこない。ただ、あいつになっているあの実は、モンスターをおびき寄せる香りを放ち、おびき寄せられたモンスターがあの実を食べることで寄生し、自分の思い通りに動かせる。そして、あの実を採取しようとした人間をモンスターに襲わせて自身の養分にする。」

「なるほど面倒くさそうなモンスターだな。これは基本的にスルーした方が良さそうだな。」

「あぁ、そうしな。それよりも相手しないといけないのはあいつだ。」

そう言ってアリシアはまた別の方向を指さす。
その先を見ると、太い根の4本の脚、太い茎の胴体、胴体から枝分かれしてできた腕、葉が生い茂る頭部には大きな目玉を1つ持った人型の植物モンスターがいた。

「あいつの名前はプラントマン。攻撃方法はあの腕での殴打、弱点はあのデカい目ん玉だ。ちょっと見とけよ。」

そう言って、アリシアはプラントマンの背後を取るように向かって走り出す。

プラントマンとは距離があるためこちらにはまだ気づいていない。

そして、アリシアの攻撃範囲内に入り先制の一撃をプラントマンにくらわせる。

そこでようやくプラントマンはアリシアの存在に気づき戦闘態勢に入り、腕による殴打をする。

だがその程度の攻撃アリシアは容易に躱し、そのままプラントマンの目玉に向けて拳を放つ。その拳は見事に目玉に命中し、プラントマンが目を閉じ怯み、その隙を狙い殴りまくる。

プラントマンも、そのままやられている訳にはいかず手当り次第に腕を振り回す。だが、そんな攻撃がアリシアに当たる訳もなく、目玉のダメージから回復し目を開いた瞬間にまた拳を叩きこまれ、また殴られまくるというタコ殴り状態になり、アリシアにダメージを与えられることなく倒される。
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