攻略対象である兄が逃亡したので兄のフリをして勇者一行の旅に参加しています

小村辰馬

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出来る限り皆から距離を取るため、私はお腹に魔物を貼り付けたまま走り続けた。
原作では、勿論ルーナに襲い掛かっていたこの魔物。別の女がパーティにいたから、ターゲットを見誤ったのだろうか。直接命に関わる攻撃を仕掛けてくる魔物では無いが、体に付属した微細な幾つもの触手で獲物の性感帯を探り、攻撃を仕掛け、獲物が快感を拾った時に発する生気を喰らう習性を持っている。
ルーナも原作ではライナスとヴェインの目の前でこいつにめちゃくちゃに犯され、ようやく解放されたところ、我慢ならなかったらしい2人に、その場でこれまた激しく抱かれてしまうのだ。
前世ではたいへん良いオカズにさせていただいたこのイベント。いざ自分が当事者になると、死活問題である。
皆の目の前であられも無い姿を晒してしまったら、更にうっかりおっぱいポロリなんてしようものなら、女ということがバレて、親族もろとも城門前晒し首の未来だ。

走っている間も、魔物は私の性感帯を探しているらしく、細かな触手が下腹部や胸に巻いたサラシの隙間を蠢いている。

ゔえええきぼぢわるい゛っ……!

現世でも前世でも感じたことのない、うぞうぞとした、滑りを帯びたくすぐったい感覚。不快な感じしかしないこれに、本当にルーナはあんなにもあんあん気持ち良くさせられていたというのだろうか。どうにも信じ難いし、正直このシャツの下に控える魔物の御尊顔を再び拝むことになろうものなら、ライナスに私ごと燃やしてくれと頼んでしまうかもしれない。

「あッ!?」

ちり、と胸の先に電流のような刺激が走り、私は思わずその場に立ち止まった。
始まった。
海鼠ナマコ魔物(仮称)が、サラシの下に秘めていた私の乳首を探し当てたらしい。
しゅるしゅると無数の触手達が、乳房を這う感覚がする。そして時たま、乳輪を触手の切先がぬるりとなぞり、ぞくぞくとした甘い感覚が腰を突き抜けた。

あ、これ、なんかやばいかも。

にゅるにゅるとサラシの隙間を縫って、胸部を蠢く紐状の生命体達が、時たま先端部を掠める度、全身が跳ねてしまう。居心地の悪さが、次第に甘美な疼きに変わっていく。
もしかしたら魔物の分泌する粘液に、催淫作用もあるんじゃなかろうか。気のせいじゃなかったら1人で致す時よりも、下半身の火照りが尋常じゃない。
私の反応が明るいことに勘付いたのか、魔物は執拗に胸の突起に攻撃を仕掛け始めた。

「あっ、ゃッ、……ちょっと、まっッ…!」

にゅるりと柔らかな触手が乳頭に巻き付き、キュッと力を込められると、快感が胸で弾けて、膝の力が抜けた。そのまま細い触手が先端を優しく撫ぜ、かと思えばさらに細い触手が蕾の窪みをくしゅくしゅ穿り、種類の異なった刺激が次々と乳首に襲いかかってくる。
よろよろと私は近くの大木に縋り付き、その場に蹲った。とてもじゃ無いけど、立っていられる状態じゃない。

「ぁぁあッ! んっ……んんっ」

他の誰かに触られるのなんて、いつぶりだろう。久々の他者からの乳首への執拗な猛攻に、私は背中を丸めながら、びくびくと快感に耐えた。
どうか、どうかこのまま、魔物が満足するまで誰にも見つからずに事なきを得ますように……。
こんな感じまくってる姿、誰かに見られでもしたらーー

「やっっと見つけた! 無事か!? アッシュ」

しまったフラグを立てすぎたーーっ
本来ならば後光が見えてもおかしくないだろう、息も絶え絶えに木の影から現れたライナスの姿に、私は脳内で別の意味での涙をホロリと流した。
私が逃亡してから、必死に追い掛けて探してくれたのだろう。瞳と同じ栗色の前髪は汗で額にうっすら貼り付き、いつも着ている質の良さそうなガウンは小脇に抱えている。こんなにも余裕の無さそうなライナスは、 初めて見たかもしれない。普段なら「俺は筋肉担当じゃないので、肉体仕事はお前達に頼むわー」と、体力を使う作業はとことんルーナやヴェインに投げていたライナスが、私を心配してここまで……。

しかしながら、今は感動している余裕は無い。
引き続き触手からのお胸への愛撫は続いており、私はうっかり嬌声を漏らさないよう、必死に歯を食いしばる。だが思わず跳ねてしまう正直な体を止めることはできず、募る快感とライナスがやってきてしまった焦りから、みるみる顔面に血が昇っていくのを感じた。

そんな私の様子を痛みに耐えていると勘違いしたのか、ライナスは間髪入れず木の根元に蹲る私の下へ駆け寄ってきた。抱き起こすように肩を支えられ、半分ライナスにもたれ掛かるような体勢にさせられる。い、今は動かさないでぇええ。

「おい、アッシュ、しっかりしろ」
「……ッ、らい、なす…っ……」
「あつっ!? すごい熱だぞ。呼吸も荒いし……あの魔物の毒にでもやられたのか!?」
「ち、ちが……というか、ちょっとはなれ……」
「そう言えばあの魔物はどこに……まさか、まだお前の服の中にいるんじゃーー」
「ひぁッ!?」
「……」

思わず漏れてしまった甘い声に、慌てて両手で口元を押さえるが、時すでに遅し。だって、胸の触手が乳首を目一杯抓ってくるものだから。それに、声を漏らしちゃいけないと思うと、余計になんか興奮して声が……。
冷や汗を垂らしながら、恐る恐るライナスを見上げると、ぎょっとした表情でこちらを見下ろしている。さ、流石にバレたか……?

「あ、あの、ライナス……これはね、…ぁあッ!」

どうにか誤魔化そうと、へらりと無理矢理笑みを作ったものの、先程とは異なった痺れるような快楽が胸の先端で戦慄いた。今度は触手ではなく、幾重ものひだ状の粘膜に包まれ、勢いよく乳首を吸引されている。うそ、うそ、触手だけじゃなくてこんなーー
魔物の本体が、ぢゅるるるッと乳首を吸引しているらしい音が辺りに響き渡り、私は思わず目の前のライナスの胸元にしがみ付いた。

「アッシュ、おまえ、」
「ち、ちがうっ、違うのライナスこれはッ、んぁあッ!? …だめっ…、吸うのとほじるの一緒にされたら……ひ…あ…!ぁ…あぁアッ」

ちゅぽちゅぽちゅぽ、まるで唇で乳房をしゃぶるように、さほど大きくないであろう、私の乳頭をあじわいながら、魔物はさらにその隙間から触手で窪みを弄ってくる。一体どういった構造をしているのか、両乳首同時にその攻撃を仕掛けてくるものだから、私はすっかり腰砕けになり、頭の中まで快楽に浸食されていた。
だらしない顔を見せては、淫らな声を上げては、ライナスに気付かれてしまう。そんな理性は吹っ飛び掛けて、ライナスの意外と厚い胸板に上体を預け、私は魔物による愛撫に身を委ねていた。

「……ッ…くそ、どうなって……。! こいつかっ!」

私のシャツの下で蠢く、隆起する物体に気付いたらしい。ライナスがシャツを捲り上げようとしたが、幸か不幸か、シャツへも触手が粘着しているようで、魔物は私と衣服の間から離れることはなかった。
私にしがみつかれながら、魔物を引き剥がそうと奮闘するライナスを嘲笑うかのように、おっぱいへの攻撃は止めることなく、触手達は今度は下半身へと進軍してきた。

「ッ…アッシュ、待ってろ、……一旦この根元部分さえ切ってしまえばーー」
「あァっ!? やっ、…あっ……っ!」
「!? アッシュ、どうした?」
「ひッ、した、したにもしょくしゅが…っ、」
「下!? 嘘だろ……」

ライナスの視線の先、私のズボンのお股の辺りで、ボコボコと何やら細いものが暴れ回っている。間髪入れず、触手達はショーツの隙間から侵入し、既にぐっしょりと出来上がった私の秘所へ、触手の腹を滑り込ませた。
にゅちっにゅちっと紐状の触手が割れ目を擦り上げ、その度に男性には存在しないぽっちりも潰されて尋常じゃない快感が下腹部で爆発する。その度にえっちなお汁がお股から溢れ、私は馬鹿みたいに体をしならせた。

「ひぅッ、…あっァ、だめ、…っ、きもちッッ……うぅっ……らいなすっ、見ないでぇっ」
「……ッ」
 
女だってバレちゃいけないのに、ライナスに見られてると思うと、子宮がきゅんきゅんと戦慄き、おまんこからどんどん甘い蜜が溢れ出てくるのを感じる。これも魔物の催淫作用のせいだろうか。それとも、実は私はとんでもないど変態だったのだろうか。

快感を逃すように、ライナスのジャケットにしがみ付き、彼の胸元へ頬を擦り寄せる。いつも清廉とした、清潔感溢れる彼の質の良い衣服は、すっかりしわくちゃになってしまっているに違いない。なんなら私のよだれだって、付いてしまった気がする。けれど彼は微動だにせず、私の側から離れなかった。
時たま視界に入るライナスは食い入るようにこちらを凝視しており、先程まで私を救おうとしていた両手はすっかりお飾りと化していた。女性の嬌態など見慣れているだろうに、よほど私の姿が下品で、面白おかしいのだろうか。

乳首へされたのと同じように魔物の何個目かの口が、おまんこへかぶりついてきた。

「ひゃぁんッ!? ぁっ、…あぁあだめぇっ…! ぐちゅぐちゅしちゃやぁあッ」

ひだ状の粘膜が、ぐしょぐしょになった陰唇を喰み、どこからともなく現れた触手達が、陰核と隘路を扱き上げ、暴いてくる。
ぐちゅぐちゅじゅぽじゅぽ、私の秘められた雌穴を弄ばれている水温が、ライナスまでに聞こえていやしないか。そんな不安に駆られると同時に、聞こえていたらそれはそれで興奮するなと、もう1人の私が内なる囁きと愛液をこぼしてくれるものだから、もうどうしようもない。
あちこちで弾ける快楽の乱撃に、私はへこへこ腰をくねらせながら、全身を震わせて、盛大に果てた。
ライナスの、目の前で。

未だに痙攣が止まらない中、ライナスに半ば抱き付くような体勢のまま、思考がクリアになっていく。

……どどど、どうしよう。魔物にめちゃくちゃ犯されてしまったし、喘いでしまった。ついでにライナスに見られていることまでエッセンスにして、感じまくってしまった……もはや勇者パーティにいる資格なんてないド変態はこの私です。

息が上がったまま、ライナスを見上げると、なんだか気まずそうに視線を逸らされた。
そ、そりゃそうだ~! 流石に女だってバレたかなこれは……いやライナスにだけ黙っていて貰えればワンチャン……

ぼとり、と足元に何かが落下する音がした。
視線を落とすと、海鼠ナマコ魔物が体から外れており、のそのそと再び地面を歩み始めていた。
私の生気を吸い尽くして、どうやら満腹になったらしい。そこそこ進んだところで、ライナスが間髪入れず放った魔法で消し炭と化していた。……いやはや、手強い敵であった。

振り返ったライナスと再び視線がかち合い、重たい空気が流れる。
どうしよう……とりあえず、「お股が精液まみれで気持ち悪いから、パンツ洗ってきていいかな~」とでも言ってみるか。痴態を見られたのは致し方無しにしても、どうにか女と判断されずに済む方法は…… 

バサリと、肩に何かを掛けられ、思考が中断された。
ライナスが抱えていたガウンであることを確認すると、再びライナスを仰ぎ見る。
相変わらず気まずそうな様子だが、これは私に対して嫌悪を感じている雰囲気は無さそうだ。

「ええと……どこまでヤられていたのか分かんねーけど、もしどこか痛むとかあったら、言えよな。……尻の穴とか」

ポンポン、と、背中を叩かれ、苦笑いされる。

……女だとバレるよりかは、もう一つの穴の純潔を失ったと思われていた方がまぁいいのか。
別に何も失っちゃいないのに、失ったことになっていて、どうにも虚しい気持ちになった日だった。
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