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「聞いてほしいことが、あるんだ」
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「その薫ちゃんは、恭平なんだよ。会ったことがあるだろ」
「えっ?」
全員の視線が、本田薫こと相模原恭平に向けられる。
「恭平が、大学の模擬店で女装喫茶やったら、似合いすぎだっつって彼女にフラれたっつうから、そんなに似合うんなら賭けをしようって話になったんだよ」
勝昭も財布を取り出し、賭け金を手にして差し出した。
「完全に、負けだ」
ニヤリと口の端を持ち上げた薫こと恭平が、いつもの調子で差し出された賭け金を受け取った。
「クリスマス前に、悪いな」
その口調と表情に、すっかり騙されきっていた彼女たちが全身で驚く。それに、恭平がクックと喉を鳴らした。
「ほら。さっさとヤドリギの下に行かねぇと、なかなか順番がまわってこねぇぜ」
行った行ったと手をひらひらさせた恭平を、まだ信じられないと目を丸くして見つめるそれぞれの彼女らの腕を取った勝昭らが、完敗を認めた笑みを浮かべてツリーの下へ向かう。彼らの姿が他の恋人たちの間に紛れて見えなくなるまで見送る譲に、恭平が半分に分けた賭け金を差し出した。
「おつかれさん。ありがとな」
付き合ってくれて、ありがとな。付き合わせて、悪かったな。
そんな言葉が恭平の周囲に漂っている。譲は首を振り、受け取りを拒否した。
「なんでだよ」
「恭平」
覚悟を決めて、譲は硬い声を出した。
本田薫との最後のデートが終わった。
そして今から、相模原恭平との、幼馴染の友人という関係を終わらせる。
「聞いてほしいことが、あるんだ」
何度も頭の中でシミュレーションをした。何をどう言おうか。どう伝えようか。何度も何度も繰り返し、その都度、言葉が変わっていった。けれど、伝えたい想いはただ一つ。
恭平が、好きだということだけは変わらない。
「どうしたんだよ、譲。そんな怖い顔をして」
本田薫の恰好で、恭平らしい笑みを浮かべる彼は、もうこれで何もかも終わったと、さっぱりしているのだろう。
それがなんだか悔しくて、言うつもりのなかった言葉が譲の口をついて飛びだした。
「なんで、俺を抱いたんだ」
「え」
「恭平は、俺が正気を失ってると思っていたかもしれないけど」
「えっ?」
全員の視線が、本田薫こと相模原恭平に向けられる。
「恭平が、大学の模擬店で女装喫茶やったら、似合いすぎだっつって彼女にフラれたっつうから、そんなに似合うんなら賭けをしようって話になったんだよ」
勝昭も財布を取り出し、賭け金を手にして差し出した。
「完全に、負けだ」
ニヤリと口の端を持ち上げた薫こと恭平が、いつもの調子で差し出された賭け金を受け取った。
「クリスマス前に、悪いな」
その口調と表情に、すっかり騙されきっていた彼女たちが全身で驚く。それに、恭平がクックと喉を鳴らした。
「ほら。さっさとヤドリギの下に行かねぇと、なかなか順番がまわってこねぇぜ」
行った行ったと手をひらひらさせた恭平を、まだ信じられないと目を丸くして見つめるそれぞれの彼女らの腕を取った勝昭らが、完敗を認めた笑みを浮かべてツリーの下へ向かう。彼らの姿が他の恋人たちの間に紛れて見えなくなるまで見送る譲に、恭平が半分に分けた賭け金を差し出した。
「おつかれさん。ありがとな」
付き合ってくれて、ありがとな。付き合わせて、悪かったな。
そんな言葉が恭平の周囲に漂っている。譲は首を振り、受け取りを拒否した。
「なんでだよ」
「恭平」
覚悟を決めて、譲は硬い声を出した。
本田薫との最後のデートが終わった。
そして今から、相模原恭平との、幼馴染の友人という関係を終わらせる。
「聞いてほしいことが、あるんだ」
何度も頭の中でシミュレーションをした。何をどう言おうか。どう伝えようか。何度も何度も繰り返し、その都度、言葉が変わっていった。けれど、伝えたい想いはただ一つ。
恭平が、好きだということだけは変わらない。
「どうしたんだよ、譲。そんな怖い顔をして」
本田薫の恰好で、恭平らしい笑みを浮かべる彼は、もうこれで何もかも終わったと、さっぱりしているのだろう。
それがなんだか悔しくて、言うつもりのなかった言葉が譲の口をついて飛びだした。
「なんで、俺を抱いたんだ」
「え」
「恭平は、俺が正気を失ってると思っていたかもしれないけど」
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※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】
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