16 / 80
「リューイは、どうして私にこうして、かまってくれるの?」
しおりを挟む
料理が運ばれ、食事を始める。一通りの作法は身に着けているフェリスだが、常にこういう食事を行うわけでは無い。慣れた様子のリューイを見ながら食事を勧めつつ、彼は何者なのかと問いたくなった。
「ねえ、リューイ」
とりとめのない会話が途切れ、鮮やかなデザートが運ばれ良い香りのお茶が注がれる。
「リューイは、どうして私にこうして、かまってくれるの?」
「アレスも、フェリスに会いに来ているでしょう」
「そうだけど……。じゃあ、どうして二人は私に会いに来てくれるの?」
問いに、人差し指を口元にあてたリューイが
「まだ、秘密」
片目をつむってみせた。
「いつか、きちんと話すから」
それ以上、食い下がれそうになく頷けば、ごめんねとつぶやかれた。デザートを食べ終え、ほっと一息ついたあとに、リューイがそろそろ帰るよと立ち上がる。
「明日、もし天気が良かったら、庭で食事をしよう」
「いいの――?」
「もちろん。フェリスが嫌では無かったら」
「庭に、出てみたいわ」
「それじゃあ、約束」
フェリスの手を取り甲に口づけて、じゃあねと大きく手を振りながらリューイが去っていく。それを見送るフェリスに
「何か、不足などはございませんか」
メイドが声をかけた。
「何も無いわ。ありがとう」
「それでは」
一礼をして、食器を片づけたメイドたちが部屋を出る。ふう、と息を吐いてソファに座り、することもないので二人が何者なのかを、考えてみることにした。
(王子かもしれないわよね)
それ以外で、他に何か考え付くものは無いだろうか。
(私の護衛? なんて、城内にいたら必要ないわよね。単に、様子を見に来るだけならメイドでもよさそうなものだし)
ふとアレスティが国に好きな男を残してきたのか、と聞いてきたことを思いだす。
「ねえ、リューイ」
とりとめのない会話が途切れ、鮮やかなデザートが運ばれ良い香りのお茶が注がれる。
「リューイは、どうして私にこうして、かまってくれるの?」
「アレスも、フェリスに会いに来ているでしょう」
「そうだけど……。じゃあ、どうして二人は私に会いに来てくれるの?」
問いに、人差し指を口元にあてたリューイが
「まだ、秘密」
片目をつむってみせた。
「いつか、きちんと話すから」
それ以上、食い下がれそうになく頷けば、ごめんねとつぶやかれた。デザートを食べ終え、ほっと一息ついたあとに、リューイがそろそろ帰るよと立ち上がる。
「明日、もし天気が良かったら、庭で食事をしよう」
「いいの――?」
「もちろん。フェリスが嫌では無かったら」
「庭に、出てみたいわ」
「それじゃあ、約束」
フェリスの手を取り甲に口づけて、じゃあねと大きく手を振りながらリューイが去っていく。それを見送るフェリスに
「何か、不足などはございませんか」
メイドが声をかけた。
「何も無いわ。ありがとう」
「それでは」
一礼をして、食器を片づけたメイドたちが部屋を出る。ふう、と息を吐いてソファに座り、することもないので二人が何者なのかを、考えてみることにした。
(王子かもしれないわよね)
それ以外で、他に何か考え付くものは無いだろうか。
(私の護衛? なんて、城内にいたら必要ないわよね。単に、様子を見に来るだけならメイドでもよさそうなものだし)
ふとアレスティが国に好きな男を残してきたのか、と聞いてきたことを思いだす。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
365
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる