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京極さんに急かされ、俺はスマホを取り出すと、忍にメッセージをうち始めた。
でもなかなか文章がまとまらない。
それを見ていた京極さんがイラついたように言う。
「一番言いたいことを簡潔に伝えりゃいいんだよ」
そう言われて俺はなんとかメールを作成し、送信した。
「なんて送ったんだ?」
「ごめん。仲直りしたいから、会える?って」
「おお、いいじゃねえか。シンプルで分かりやすい」
京極さんはよくやったとでもいう風に俺の髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。
そうこうしてるうちに俺のスマホに新着メールが届いた。
急いで確認すると忍から「僕も悪かった。仲直りしたいから、今からうちで飲みなおさない?」とあった。
俺は京極さんに内容を告げ、礼を言った。
「ありがとうございます。京極さんが背中押してくれたおかげです。ちょっと忍の家に行ってきます」
忍に一時間くらいかかるが行けると返信し、俺はコートを羽織った。
「おい、本当に今から行くのか?」
「はい。あっ、大丈夫です。忍の家駅から近いし、前にも行ったことあるんです。終電までには帰ってきますから」
そう俺が言うと京極さんが寝室に消えた。
紙袋をぶら下げて戻って来ると、俺にそれを押し付ける。
「これ、今日の客から貰った白ワインだけど手土産に持っていけ」
俺は紙袋の中を覗きこんだ。
「すみません。忍、ワイン好きなんで助かります」
俺が紙袋を抱えて微笑むと、京極さんが机に放り投げてあった車のキーを持ち、片手でコートを掴んだ。
「送ってやる」
「えっ、大丈夫ですよ。京極さん帰ってきたばっかりで疲れてるのに、悪いです」
「いいから、行くぞ」
京極さんが玄関に向かってしまったので、俺もその背中を慌てて追いかけた。
でもなかなか文章がまとまらない。
それを見ていた京極さんがイラついたように言う。
「一番言いたいことを簡潔に伝えりゃいいんだよ」
そう言われて俺はなんとかメールを作成し、送信した。
「なんて送ったんだ?」
「ごめん。仲直りしたいから、会える?って」
「おお、いいじゃねえか。シンプルで分かりやすい」
京極さんはよくやったとでもいう風に俺の髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。
そうこうしてるうちに俺のスマホに新着メールが届いた。
急いで確認すると忍から「僕も悪かった。仲直りしたいから、今からうちで飲みなおさない?」とあった。
俺は京極さんに内容を告げ、礼を言った。
「ありがとうございます。京極さんが背中押してくれたおかげです。ちょっと忍の家に行ってきます」
忍に一時間くらいかかるが行けると返信し、俺はコートを羽織った。
「おい、本当に今から行くのか?」
「はい。あっ、大丈夫です。忍の家駅から近いし、前にも行ったことあるんです。終電までには帰ってきますから」
そう俺が言うと京極さんが寝室に消えた。
紙袋をぶら下げて戻って来ると、俺にそれを押し付ける。
「これ、今日の客から貰った白ワインだけど手土産に持っていけ」
俺は紙袋の中を覗きこんだ。
「すみません。忍、ワイン好きなんで助かります」
俺が紙袋を抱えて微笑むと、京極さんが机に放り投げてあった車のキーを持ち、片手でコートを掴んだ。
「送ってやる」
「えっ、大丈夫ですよ。京極さん帰ってきたばっかりで疲れてるのに、悪いです」
「いいから、行くぞ」
京極さんが玄関に向かってしまったので、俺もその背中を慌てて追いかけた。
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