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58 修学旅行の終わり
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地獄のスパルタお勉強会を思い出した優奈と有栖川の顔が、分かりやすく歪み、立花と門川、そして新谷が苦笑する。心菜は元々色々なことをそつなくこなす性格なだけあって、誰でもやればできると思い込んでいる。そんな彼女が主催のお勉強会は、言わずもがな地獄を極めた。有栖川が、お勉強会初日にコップの露結で、『我が一生に悔いなし』と書いて机に突っ伏すぐらいには、見事なまでのスパルタだった。優奈は毎度やらされているだけあって、最終日3日前まで悲鳴を上げなかった。ちなみに、それによって、有栖川の中の優奈の序列が一気に上昇したのは、誰も知らない有栖川の秘密だ。
「お姉さん、もう1回乗っても良いですか?」
「構いませんよ。それでは、いってらっしゃいませ」
それから心菜たちは何度もジェットコースターに乗り、他にも色々なスピード系のアトラクションで遊んだ。そして、見事に班の半数が疲れ切ってぐったりとしてしまった。ビュンビュン振り回される遊具で吐きかけた優奈の疲れ度は半端なかったが、楽しそうな心菜は1人いまだにルンルンしている。来た時とは反対の光景に、優奈はげっそりと地べたに座り込んだ。
「つ、疲れた………」
「そう、だな………………」
「………我が一生に悔いなし」
「だな、」
「そう、ですね」
「ゆーなちゃんも、立花も、有栖川も、新谷も、門川も、疲れるのが早いよ………」
心菜はぷくーっと頬を膨らませて腕を組んだ。
ーーーゴーンゴーンゴーン、
「………あーあ、もう集合時間だ」
「………集合時間が嬉しいだなんて初めてだ」
立花の言葉に、心菜は不機嫌そうにしたが、大人しく集合場所へと向かった。
(もっと遊びたかったのにな………)
「はあー、バスか………」
そう言いながら反対方向に向けて歩きはじめた心菜の手を、パシっといち早く掴んで正しい方向に導いた立花は、波乱いっぱいの修学旅行の終わりに安堵してしまうのだった。
▫︎◇▫︎
そう思えたのも束の間、心菜はバスで吐き気と戦ってげっそりとしていた。そして、班で近くにまとまって座ることを義務付けられている優奈たちは、全員で『うぅー、』と半泣きになっている心菜のお世話をしなくてはならないのだった。
結局、修学旅行は帰宅まで疲れがいっぱいの旅行になったのだった。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「お姉さん、もう1回乗っても良いですか?」
「構いませんよ。それでは、いってらっしゃいませ」
それから心菜たちは何度もジェットコースターに乗り、他にも色々なスピード系のアトラクションで遊んだ。そして、見事に班の半数が疲れ切ってぐったりとしてしまった。ビュンビュン振り回される遊具で吐きかけた優奈の疲れ度は半端なかったが、楽しそうな心菜は1人いまだにルンルンしている。来た時とは反対の光景に、優奈はげっそりと地べたに座り込んだ。
「つ、疲れた………」
「そう、だな………………」
「………我が一生に悔いなし」
「だな、」
「そう、ですね」
「ゆーなちゃんも、立花も、有栖川も、新谷も、門川も、疲れるのが早いよ………」
心菜はぷくーっと頬を膨らませて腕を組んだ。
ーーーゴーンゴーンゴーン、
「………あーあ、もう集合時間だ」
「………集合時間が嬉しいだなんて初めてだ」
立花の言葉に、心菜は不機嫌そうにしたが、大人しく集合場所へと向かった。
(もっと遊びたかったのにな………)
「はあー、バスか………」
そう言いながら反対方向に向けて歩きはじめた心菜の手を、パシっといち早く掴んで正しい方向に導いた立花は、波乱いっぱいの修学旅行の終わりに安堵してしまうのだった。
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そう思えたのも束の間、心菜はバスで吐き気と戦ってげっそりとしていた。そして、班で近くにまとまって座ることを義務付けられている優奈たちは、全員で『うぅー、』と半泣きになっている心菜のお世話をしなくてはならないのだった。
結局、修学旅行は帰宅まで疲れがいっぱいの旅行になったのだった。
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