小さな別れは、淡く儚い恋を呼ぶ

桐生桜月姫

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59 修学旅行が終わったら

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▫︎◇▫︎

 修学旅行から1週間後、心菜たちは修学旅行で行ったところについてのことを写真などを使ってまとめていた。

「うわあぁー!疲れたー!!」
「ゆーなちゃん、うるさいからひとまず黙って」
(これで通計27回目ね)
「うぐっ、」

 カタカタとパソコンを打ち込んでいくと、ふうーっと心菜は息を吐き出した。

「づがれぢゃよー………、」
「………どこができないの?」

 心菜は優奈の操っているパソコンを覗き込んで、じーっと見つめた。全く進んでいない状況に頭痛を覚えながらも、数人で片付ければどうにかなると踏んだ心菜は、作業が終わってのんびりとしている門川に視線を向けた。視線を受けた彼はひくっと頬を引き攣らせる。

「………ゆーなちゃん手伝ってあげてくれる?」
「………………分かったよ」
「ありがどー、かどがわー」
「分かったから泣くな、高梨」

 半泣きで門川に教わりながら作業を進める優奈は、げっそりしながら必死になってパソコンに内容を打ち込んでいった。普通にタイピング速度は速い。だが、ならなぜそこまで進んでいないのか、心菜は不思議に思った。

「あいつ、タイピングがあんだけ早いのに、何でこんだけしか進んでないんだろうな」
「ふぇ!?そ、その画面どうやっていくの!?」

 心菜は自分が行けなくて困っていた画面に、隣に座っていた立花が行っているのを見て、びっくりしながらも行き方を教えてもらおうとねだった。

「は?え、ちょっと待て。お前じゃあどうやって作業してたんだ!?」
「え?ここをこうやってこう!!」
「は?ちょっと待て!!どうやったらそうなる!?」
「え?こうやったらこうなるよ?」

 心菜はカタカタっとパソコンをいじって不思議な画面へと画面を飛ばして作業していた。なのに、何故か正しい画面でしたことと同じ表示になっているのだ。立花は訳がわからないと額を押さえ、心菜のパソコンを触って正しい画面へと持っていった。

「はい」
「わあ!ありがとう!!」

 心菜はずり落ちた眼鏡を戻すと、満面の笑みを浮かべてパソコンに再び向き合って作業を始めた。

「なあ、久遠」
「ん?なあに?」
「お前、機械音痴か?」
「ん?そうだよ。まともにできた試しないもん」

 カタカタと文章を打ち込んでいく心菜は、あっけらかんと言い切って、苦笑した。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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