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130 倒れた心菜
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チョコレートクレープをぱくっと綺麗さっぱり食べ終えた心菜は、赤い顔でふらふらとした足取りをして、今度はミニゲームコーナーを散策し始めた。ちなみに、ボード当てを行うことに決定した心菜のクラスも、こちらの方に分類されている。
「あれれ?視界がぐらぐらするぞ~?」
お口がいつもより幾分緩い心菜を心配そうに見つめる立花は、心菜の普段との変わりように、目を白黒とさせる。
だが、その次の瞬間、心菜の身体がぐらっと勢いよく傾き始めた。
「はふっ、」
「ありゃりゃ、ここなやっぱりバテたか」
心菜の身体が床につく前にとんっと抱きしめた優奈は、苦笑しながらも心菜の背中をぽんぽんと撫でた。びっくりするくらいに熱い身体からは、彼女が発熱していることが安易に伝わってくる。
「も~、無茶するからこうなるんだよ?」
「うんにゅ~………、」
「………こいつは猫か?」
「はははっ、ここなはいっつも猫だよ?」
立花は意識が混濁し始めたのか、意味のない言葉をはふはふと呟きながら優奈にぐりぐりとしている心菜の額にぴとっと手を当てた。
手からはお風呂のお湯くらいの熱さが伝わってきて、高熱が出ていることが窺える。立花はすっとため息をついた後に、じっと優奈を見つめてから、自分の手の中にあるたくさんの食べ物のカップに目を移した。
「ひとまずこれ捨ててくるから、ちょっとここで待ってろ」
「ん、りょ~かい。流石に私1人じゃ、4階から1階までここな運べないからね~」
優奈は肩をすくめた後、去りゆく立花の背中を見つめながら、もたれかかることのできる壁際へと移動した。心菜を壁にもたれかけさせ、自分は廊下側に立って、心菜が誰かに倒れかけないように注意を払う。
「すまん、待たせた」
「待ってないから、ちょっと手伝え」
優奈はそう言うと心菜をひょいっと背負って、迷いのない足取りで歩き始める。
「え、あ、おいっ、俺がやる」
「だめ。ここなに変な噂は立てたくないの」
「………………」
「………人目の少ない場所までは私が頑張るから、そこから運んでくれる?」
「ーーー分かった」
優奈はゆっくりゆっくり落とさないように注意を払いながら、生徒専用になっている誰も使っていない廊下に入り始める。緊急用だと言われている廊下には、案の定人がいない。
「ここからはお願いね、立花」
********************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
ストック切れです。
やばいです。
『もふもふ好きのお姫様』のストックも空っぽです!!
。・゜・(ノД`)・゜・。
お助けを………、
「あれれ?視界がぐらぐらするぞ~?」
お口がいつもより幾分緩い心菜を心配そうに見つめる立花は、心菜の普段との変わりように、目を白黒とさせる。
だが、その次の瞬間、心菜の身体がぐらっと勢いよく傾き始めた。
「はふっ、」
「ありゃりゃ、ここなやっぱりバテたか」
心菜の身体が床につく前にとんっと抱きしめた優奈は、苦笑しながらも心菜の背中をぽんぽんと撫でた。びっくりするくらいに熱い身体からは、彼女が発熱していることが安易に伝わってくる。
「も~、無茶するからこうなるんだよ?」
「うんにゅ~………、」
「………こいつは猫か?」
「はははっ、ここなはいっつも猫だよ?」
立花は意識が混濁し始めたのか、意味のない言葉をはふはふと呟きながら優奈にぐりぐりとしている心菜の額にぴとっと手を当てた。
手からはお風呂のお湯くらいの熱さが伝わってきて、高熱が出ていることが窺える。立花はすっとため息をついた後に、じっと優奈を見つめてから、自分の手の中にあるたくさんの食べ物のカップに目を移した。
「ひとまずこれ捨ててくるから、ちょっとここで待ってろ」
「ん、りょ~かい。流石に私1人じゃ、4階から1階までここな運べないからね~」
優奈は肩をすくめた後、去りゆく立花の背中を見つめながら、もたれかかることのできる壁際へと移動した。心菜を壁にもたれかけさせ、自分は廊下側に立って、心菜が誰かに倒れかけないように注意を払う。
「すまん、待たせた」
「待ってないから、ちょっと手伝え」
優奈はそう言うと心菜をひょいっと背負って、迷いのない足取りで歩き始める。
「え、あ、おいっ、俺がやる」
「だめ。ここなに変な噂は立てたくないの」
「………………」
「………人目の少ない場所までは私が頑張るから、そこから運んでくれる?」
「ーーー分かった」
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「ここからはお願いね、立花」
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