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まかろんたわー

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第一章・美麺を制する者、世界を制す

輸入品「血液」

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その日、俺とカルメンは港を訪れていた。

まだ温かい大海原に、数多の貿易船が浮かんでいる。

「この国の現在の特産品は、カップヌードルなどの食材ですが、三国からの特産品は、ずばり、「血液」でしょうね」

カルメンはいう。

「ああ、間違いない」

勿論我が国限定で、だが。

そもそも、この北の大地には、人狼族などの亜人種が多く住み、吸血鬼の最大の食糧である、「人間の血液」が不足している状態であった。

前述した通り、血液の保存が目下の所私の最大の目的である。亜人種や、獣の血で代行できるものの、やはり人間の、特に処女の血液が圧倒的に魔力補給にたけている。

三国からの血液の供給がなくなれば、我がアスワドは壊滅的な被害になる。いや、国自体は安全だが、すぐさまアスワドの民は他国への略奪を始めるだろう。そうなると兵の質や国の評判も下がるのは丸わかりである。それだけは避けたい。

また略奪を恐れているから、三国は血液の輸入をやめないし、また、我が国も、三国への輸出には積極的である。血液があるからだろう。

「そもそも、吸血鬼の歴史は、人間と共にある歴史といっても過言ではない。吸血鬼を生み出すには、母体の人間がいるし、食糧としても重要だ」

「まあ、人間を吸血鬼にできるのは、一部の真祖と呼ばれる吸血鬼だけですが…」

カルメンはいう。

「ああ、私を筆頭とする、な」

アデリナは、書類に目を通した。

「うむ…最近は、もやしの輸出も盛んなようだな。こんど、視察してみるか」

「そうですね」

頷くカルメン。

「やはり、カップヌードルなどの食材以外の特産品も増やしたいな。木綿などはどうだ?」

「畜産による毛皮も、なかなか良いと思いますよ」

カルメンはいう。

「毛皮は、自然環境を壊滅すると、人狼族からクレームが来そうだが…」

アデリナは小さな顎に手を添えた。

「まあ、とりあえず、我が国の最大の特産品である、食材をさらに充実させ、血液の輸入を滞りなく行う必要がありますね。…今現在は」

「ああ、三国は実質我が国の隷属状態だからな。あの欲深い王どものことだ。人工血液が開発され漆黒の国が単独でも成り立つようになったら、庇護下して貰う理由もなくなるからな。三国も黙ってはいまい。血液の輸入があるから、まだなんとか王でいられるのだ。人工血液の研究を邪魔しようとするスパイは必ず出てくるだろう…しかし、あやつら、吸血鬼になりたいと何度も言ってくるが、はっきりいってどれもいまいちな人格なのだよな」

「まあ、実質上のこの世界を統治しているのは、後にも先にも、アデリナ様、ただひとりですが。人格的にも政治的にも…」

カルメンはくすくすと笑った。

「では、その我を手玉にとるお主が、真の創造主かな?」

アデリナはウインクする。

「は、はあ…」

「創造主」という名を聞いて、アデリナは微妙な顔になった。

「ん?どうした?」

アデリナ。

「なんでもありません」

アデリナはいつものように、それ以上カルメンを追求しない事にした。

学問の発展の為、血液研究の発展の為。

アデリナの衣食住改革が始まろうとしていたのであった…。
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