行き遅れの王女様は年下イケメン公爵と恋に落ちる?

雪乃

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第一章  出会い?

挨拶だけでなく…

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「愛しいアン…ホールへ戻ったら私と1曲踊ってから…陛下へ挨拶をしよう。そうして暫く時間をつぶしてから自室へ戻ればいい。さすれば仲の良い事のアピールは出来る」


「それでは問題が解決いたしません――――な…何っっ!?」


「いけない子猫ちゃんだね…おおやけに仲がいい事と未婚の女性が男とひそやかにむつみあっているのでは、彼らに対する…ひいては両陛下方に対する印象がどのくらい違うと言うんだい?」



 公爵は私の耳元で甘くささやくと素早く私の頬をぺろりと…まるで飴でも舐めているかのように熱い舌で舐めあげる。



 そのたびに私の心臓はバクバクと大きな音が鳴っている。



 公爵へこの音を知られたくないと思えば思う程…音は益々ますます大きくなるし、自分の身体なのに…思うようにならない。



 公爵に舐められるのもイヤな筈なのに…困った事に身体は抵抗しないのだ。




 不思議…としか言いようがない。




 彼は魔術師なのだろう…か?



 まぁ…話はれてしまったけれど、確かに公にするのとしないのとでは随分と意味が違ってくる。



 それに彼は暫く…社交界での噂が落ち着くまでの間だけだと、言ってくれている。



 人の噂も75日と言うではないか…それさえ過ぎればこの坊やと何も関係なくなるのだ。



 その間はお父様も変なお見合いなんてモノは持ってこないだろうし、私も公爵には何も求めないから…彼は彼で好きに過ごすだろう。



 その間は誰にも邪魔されずに公務や慰問いもんに専念出来ると言うモノだわ。



 晴れて噂が消えれば公爵はまた…新しいお相手を見つけるのだろう。



 若くて美しい令嬢を…ね。



 そうして私はこんな事に心をわずらわされたりはしない…わ。



 だって…1人で生きて行くって決めているもの。




 そう…だから今だけよ…坊や。



 だけど…正直私は甘かったのだ。



 いな…配慮が足りなかったと言ってもいい…この公爵の口車にまんまと乗せられ、てのひらで1人…クルクルと躍っていたのだから…。




 そんな未来…いいえ物凄く近過ぎる未来の事よっっ!!



 それから私達は…いいえ何も知らない私は、馬鹿みたいに彼に促されるままホールへ…そして真ん中で優雅にダンスをたのしむ。



「軽やかなステップだね…私はまるで妖精と踊っている様だよ、アン」


「おめの言葉として受け取っておくわ…でも、本当の妖精はもっと若くて美しいわ」


「またそんな事を言う…貴女は自分の本当の美しさを理解出来ていないらしい」


「本当の事よ」



「そんな事ばかり言っているとまた…お仕置きしてしまいたくなるね」


「や…私は飴ではなくてよっっ!!」


「やれやれ…そんなとこも可愛らしいが流石にここでは…ね」



 お…恐ろしい、気を許したらまた飴の様に舐めてくるに違いないっっ!!



 暫くと言えど気を抜かないようにしなければ…。



 だけど…何処までもこの甘く…甘過ぎるくらいに視線をからめてくるこの青灰色ブルーグレイの瞳は、不思議と嫌いではない。



 そう思いながら予定通りにダンスが終わり…2人揃って国王であるお父様とお母様の元へと歩いていく。



 勿論周囲の雀さん達は聞き耳をしっかり立てている事は間違いない。



「アンフィリアン…何やら先程より話を耳にしたのだが…」


 お父様…苦虫にがむしを潰しているのか喜んでいるのか…どちらでも結構ですので、はっきりとしたお顔をなさって下さいませ、それでは国王としての威厳いげんもあったモノではありませんわよ。



 ――――でも…残念ですけど喜びではないのです。



 親不孝な娘でごめんなさい…。



 な~んて私はしおらしくお父様のお顔を見てしみじみと思いにふけっていたら、隣にいたこの坊やはとんでもない事をのたまってきたのだっっ!!



「実は私…ウィリアム・リチャード・フェンリーガより陛下にお願いの儀があり、こうしてまかり越しました」



「なんだね…フェンリーガ公爵」


「はい…この様な場で誠に申し訳ありませんが、ここにられる麗しき姫君…アンフィリアン・ユージェニー・レクストン様との結婚をお許し頂けないでしょうか?」

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