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第一章 出会い?
仕組まれた甘い罠
しおりを挟むはい…?
今何か申されましたか?
可笑しい…最近私は耳の病にでも罹ったのだろう…か?
この隣にいる坊やは今…お父様とお母様、王太子であるお兄様とその妃…マリーローズの居並ぶ前――――いいえっっ!!
今日招待された男爵以上の貴族や他国の王族方の前で、本当にとんでもない事を言ってしまったのだっっ!!
私と…結婚したい…だと?
結婚…。
結婚って誰と…誰が?
「イヤだな…愛しいアン。何回も言わせないで欲しいね、勿論――――貴女と私…だよ」
誰が誰が誰が誰が誰が……………っっ!?
そして何時言ったのよ――――――っっ!!!!
私は何も聞いてはいないわっっ!!
本当よ…お父様お母様っっ!!
私そんな事何も告白されていないし、第一幾ら家柄云々釣り合うと言っても、彼は年下なのよっっ!!
「私は年齢なんて関係ないから…そのままの貴女が欲しいと思ったのだよ」
嘘嘘嘘嘘嘘―――――っっ!!!
私は信じてないし認めていないっっ!!
男性は何時だって恋をする生きモノ。
独身でも既婚でも関係なく――――ましてや公爵なのだから…貴族の嗜みなんて言われれば、それに7つも年上なのですもの。
イヤっっ、そんな最初から決まりきった結婚なんてイヤよっっ!!
私は1人でいいの。
1人で静かに暮らしたいの。
自分の容姿はちゃんと自身で理解しているわ…それにスタイルも…ね。
だからこのまま1人静かに……。
「ダメだよ…アン、君はもう私からは逃れられない。私が貴女を見つけてしまったのだから…死が訪れるその瞬間まで、貴女は私のモノとなるのだ」
イヤ…そんなのイヤ…誰か誰か助けてっっ!!
お父様お母様…。
「よかったな…アン、わしもこれで安心だ」
「ええ…本当に良かったわね、幸せになれるわ…アン」
お兄様…マリーローズっっ!!
「やっと肩の荷が下りた…心配していたんだからな」
「ふふ…おめでとうアン、殿下…貴方はアンが公爵に嫁いでくれてほっとしているのでしょう? これで心おきなく政務も相談出来ますものね」
ルーレシア…マリーっっ!!!
「酷い…アン、私を置いていくなんてっっ!!」
「そうだよ…僕がいるのに如何して公爵なのっっ!?」
マリー…それは貴方が私の愛する甥だから、これはどうしようもないの―――――って問題が違うじゃないっっ!!
ねぇ…皆笑ってないで何とかしてっっ!?
このままでは私は――――っっ!!!
「安心してアン…私に全てを預けるといいから…」
誰が安心なんかするモノですかっっ!!
絶対に安心なんてしませんっっ!!
「―――――…ま、…ン様!?」
誰…?
誰が呼んでいるの?
「アン様っっ、しっかりなさって下さいませっっ!!」
私を心配そうに覗き込んでいるのは侍女のクレアだった。
「――――クレア?」
あ…夢…だったの?
夢にしては性質の悪いモノだったわ。
私はクレアの助けで身体を起こす。
本当に悪夢としか言いようがない…その証拠に絹の夜着が汗でべっとりしているもの。
私はクレアにお茶を呑む前に、湯あみをしたいからと伝えた。
身体を清めてさっさと悪夢を忘れたかったのだ。
今日の夢は今まで生きてきた中でもワーストワンの夢だったわね。
クスッとベッドの中で笑みを零す。
「あ…姫様、アン様…お届け物が届いてますわ」
何…かしら?
妙な胸騒ぎが一瞬…胸の中で起こった。
するとクレアは淡いピンクの大きな花束を重たそうに持ってきた。
その薔薇の真ん中に鮮やかな深紅の薔薇が1輪だけ混ざっている…と言うか、わざと強調させる様な感じにとれた。
誰から…だろうと思った瞬間―――――。
「おめでとう御座いますアン様っっ!!」
その花束を受け取りながら、おめでとう…と言われてしまった。
だから…思わず聞いてしまったのよ。
「何が…?」
そう…何が…なのよね。
そんな私を見たクレアは、ぷっと軽く吹き出してから言ってくれたわ。
「フェンリーガ公爵様との御婚約…おめでとう御座いますっっ!!」
フェンリーガ公爵と婚約…?
婚約…って…。
ええええええええええ――――――――っっ!!!!
夢じゃあなかったって言うのっっ!?
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