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マシロ、配信を目論む編
第61話 いかにして配信者を辞めろと伝えるか
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カルパッチョ、カプレーゼ、ブルスケッタ、そして石窯の焼き立てピザ……。
どれもこれも実に美味い。
美味しい。
もう料理の話しかしなくなるくらい美味しい。
いやいやいや!
いかんいかん!!
今、ここにはフロータもイグナイトもフロッピーもいない。
話題を元に戻し、マシロに大事な話ができるのは俺しかいないではないか。
「なあマシロ」
「はいッス」
もぐもぐしながら顔を上げるマシロ。
細いのによく食べる子だ……!
マシロの細いのは筋肉質だったりするからな。
「この間ツイッピーを見てたら、聞き覚えのある声がしたんだけど」
「ぎくっ!」
口でギクッとか言うやつがあるかあ。
食べるのが露骨に止まったじゃないか。
もうこれは確定。
なんて分かりやすいんだ。俺がスパイスやってる姿を見習って欲しい。
あれくらいカモフラージュしないとなんだぞ!
「マシロ、冒険配信者やってるだろ」
「な、な、なんでそんなことが分かるんスか」
「あの紅野シロコという配信者は……マシロ、お前だろ」
「むぐう」
図星過ぎたようだ。
マシロはもごもごなんか口の中で言った後、注文していたフレッシュジュースをグビグビ飲んだ。
「そ、そ、そうッス! 仕事も慣れてきて、いい感じかなーと思ったッスけど、なんかあたしの中にポッカリ穴が空いてる感じで……。だから配信をッスね、見様見真似で」
「あー」
カッとなってやってしまったタイプだ!
確かに、冒険配信者をやるハードルは低い。
民生Aフォンさえ手に入れられれば、誰だってすぐにスタートできるのだ。
そのAフォンが高いんだが、そこは学生だって二、三ヶ月もバイトすれば買えるだろう。
必要なものはそれだけ。
あとは宣伝用のSNSアカウントと、自分のキャラ付けだ。
武器はなんだっていい。
同接が集まれば武器になる。
ただし、銃刀法違反になるものは捕まってしまうから禁止……くらいのものだ。
思えば八咫烏が剣を使わないのは、あれがそのまんま法に引っかかってしまうからというのもあるんだろうな。
なので剣を売りにする配信者は、みんなおもちゃのレーザーブレードとかビニール製の剣とか、中にはゴボウを振り回すのもいる。
話を戻そう。
「マシロには配信者稼業は危険過ぎるから、辞めたほうがいいと思う……」
「や、やってみなきゃ分かんないッス! それにあたし、配信者に直接助けてもらったッス! 先輩だって知ってるでしょ? デビュー前のスパイスちゃん……」
俺だーっ。
キッカケは俺だったかーっ!
「あれを見て、なんかずーっと憧れてたッス。スパイスちゃん、配信ではおじさんだなんてわけの分かんない事言ってたッスけど、かっこよかったッスからね。あたしもああなりたいって思ったッスよ! 大人が夢見ちゃったッス! 夢見ちゃいけないんスか!」
うおおお、そのキラキラした目で俺を見るんじゃない!
俺はもっとこう、その、ふんわりした理由で配信をやっているんだ!
あとは祖母の仇の魔女どもをギャフンと言わせるためかな。
俺はこの場で、イタリアワインを飲みながら脳をフル回転させた。
うおお、脳内を巡れワインのポリフェノール!
我にナイスアイデアを降臨させたまえ!
そして俺の脳に電流が走る。
「分かった。そこまで言うのなら止めはしない」
「先輩……?」
「だがマシロ、お前のことが大事だっていうのが俺の本心だ。だから無理はしてくれるなよ。いや、ダンジョン配信なんか全編無理を通してるようなもんだけどな」
「先輩……!! あ、あたしのこと、そんなに思ってくれて……。分かったッス! 絶対ビッグになってやるッス! ビッグになって、その、もろもろ資金を貯めてその、先輩との未来のために使えるように……」
ちがーう!
伝わってなーい!
いや、だがこの場はこれでいい。
この場はな……。
俺はマシロを応援する形で会食を終え、なるべく無理はしないでくれよとお願いしたのだった。
くそーっ、色々な意味でマシロを保護下に置かねばならぬ気がしてきたぞ。
だが今の彼女は配信にハマっている。
どうやらこの間、配信者軍団の焼き肉に誘った辺りから準備を進めており、つい先日デビューしたようなのだ。
燃え上がった情熱の炎を消し止めるのは無粋であろう。
なので、ここで俺が思いついたグッドアイデアを実行する。
俺はSNS、ツブヤキックスで紅野シロコのアカウントを検索した。
いた。
フォロワーは347人か。
これからというところだな。
DMが解放されていたので、そこに黒胡椒スパイスのアカウントから連絡を送る。
『はじめましてー! 黒胡椒スパイスです! ちょっとお話いいですか?』
すぐに返信が来た。
『はじめまして!! 紅野シロコです!! スパイスちゃん、光栄です! ずっと憧れてました! なんでしょうか!』
『うん、実はね、シロコちゃんの配信を見たんだけど、スタンガン一丁で突っ込んでいくの凄いクソ度胸だなーって! ということで、スパイスは無謀なスタイルが気になったんでコラボしたいって思ったんだよねー! どう?』
『はい! はい! コラボ、嬉しいです! よりしくお願いします!!』
舞い上がって誤字っているな……。
ここは俺が、配信のなんたるかをマシロ……いや、シロコに教えねばならない。
配信者業界でも先輩と後輩だねえ……!!
こうして俺の計画がスタートするのだった。
どれもこれも実に美味い。
美味しい。
もう料理の話しかしなくなるくらい美味しい。
いやいやいや!
いかんいかん!!
今、ここにはフロータもイグナイトもフロッピーもいない。
話題を元に戻し、マシロに大事な話ができるのは俺しかいないではないか。
「なあマシロ」
「はいッス」
もぐもぐしながら顔を上げるマシロ。
細いのによく食べる子だ……!
マシロの細いのは筋肉質だったりするからな。
「この間ツイッピーを見てたら、聞き覚えのある声がしたんだけど」
「ぎくっ!」
口でギクッとか言うやつがあるかあ。
食べるのが露骨に止まったじゃないか。
もうこれは確定。
なんて分かりやすいんだ。俺がスパイスやってる姿を見習って欲しい。
あれくらいカモフラージュしないとなんだぞ!
「マシロ、冒険配信者やってるだろ」
「な、な、なんでそんなことが分かるんスか」
「あの紅野シロコという配信者は……マシロ、お前だろ」
「むぐう」
図星過ぎたようだ。
マシロはもごもごなんか口の中で言った後、注文していたフレッシュジュースをグビグビ飲んだ。
「そ、そ、そうッス! 仕事も慣れてきて、いい感じかなーと思ったッスけど、なんかあたしの中にポッカリ穴が空いてる感じで……。だから配信をッスね、見様見真似で」
「あー」
カッとなってやってしまったタイプだ!
確かに、冒険配信者をやるハードルは低い。
民生Aフォンさえ手に入れられれば、誰だってすぐにスタートできるのだ。
そのAフォンが高いんだが、そこは学生だって二、三ヶ月もバイトすれば買えるだろう。
必要なものはそれだけ。
あとは宣伝用のSNSアカウントと、自分のキャラ付けだ。
武器はなんだっていい。
同接が集まれば武器になる。
ただし、銃刀法違反になるものは捕まってしまうから禁止……くらいのものだ。
思えば八咫烏が剣を使わないのは、あれがそのまんま法に引っかかってしまうからというのもあるんだろうな。
なので剣を売りにする配信者は、みんなおもちゃのレーザーブレードとかビニール製の剣とか、中にはゴボウを振り回すのもいる。
話を戻そう。
「マシロには配信者稼業は危険過ぎるから、辞めたほうがいいと思う……」
「や、やってみなきゃ分かんないッス! それにあたし、配信者に直接助けてもらったッス! 先輩だって知ってるでしょ? デビュー前のスパイスちゃん……」
俺だーっ。
キッカケは俺だったかーっ!
「あれを見て、なんかずーっと憧れてたッス。スパイスちゃん、配信ではおじさんだなんてわけの分かんない事言ってたッスけど、かっこよかったッスからね。あたしもああなりたいって思ったッスよ! 大人が夢見ちゃったッス! 夢見ちゃいけないんスか!」
うおおお、そのキラキラした目で俺を見るんじゃない!
俺はもっとこう、その、ふんわりした理由で配信をやっているんだ!
あとは祖母の仇の魔女どもをギャフンと言わせるためかな。
俺はこの場で、イタリアワインを飲みながら脳をフル回転させた。
うおお、脳内を巡れワインのポリフェノール!
我にナイスアイデアを降臨させたまえ!
そして俺の脳に電流が走る。
「分かった。そこまで言うのなら止めはしない」
「先輩……?」
「だがマシロ、お前のことが大事だっていうのが俺の本心だ。だから無理はしてくれるなよ。いや、ダンジョン配信なんか全編無理を通してるようなもんだけどな」
「先輩……!! あ、あたしのこと、そんなに思ってくれて……。分かったッス! 絶対ビッグになってやるッス! ビッグになって、その、もろもろ資金を貯めてその、先輩との未来のために使えるように……」
ちがーう!
伝わってなーい!
いや、だがこの場はこれでいい。
この場はな……。
俺はマシロを応援する形で会食を終え、なるべく無理はしないでくれよとお願いしたのだった。
くそーっ、色々な意味でマシロを保護下に置かねばならぬ気がしてきたぞ。
だが今の彼女は配信にハマっている。
どうやらこの間、配信者軍団の焼き肉に誘った辺りから準備を進めており、つい先日デビューしたようなのだ。
燃え上がった情熱の炎を消し止めるのは無粋であろう。
なので、ここで俺が思いついたグッドアイデアを実行する。
俺はSNS、ツブヤキックスで紅野シロコのアカウントを検索した。
いた。
フォロワーは347人か。
これからというところだな。
DMが解放されていたので、そこに黒胡椒スパイスのアカウントから連絡を送る。
『はじめましてー! 黒胡椒スパイスです! ちょっとお話いいですか?』
すぐに返信が来た。
『はじめまして!! 紅野シロコです!! スパイスちゃん、光栄です! ずっと憧れてました! なんでしょうか!』
『うん、実はね、シロコちゃんの配信を見たんだけど、スタンガン一丁で突っ込んでいくの凄いクソ度胸だなーって! ということで、スパイスは無謀なスタイルが気になったんでコラボしたいって思ったんだよねー! どう?』
『はい! はい! コラボ、嬉しいです! よりしくお願いします!!』
舞い上がって誤字っているな……。
ここは俺が、配信のなんたるかをマシロ……いや、シロコに教えねばならない。
配信者業界でも先輩と後輩だねえ……!!
こうして俺の計画がスタートするのだった。
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